ARCore Geospatial APIをご存じですか?
私達が普段タクシーを呼ぶときに利用するタクシーアプリの『GO』やモバイル3Dゲーム『スペースインベーダーワールドディフェンス』で利用されているAPIです。
ARCore Geospatial APIを利用すると、現実世界に3Dモデルを重ねて表示することが出来ます。
この記事では、ARCore Geospatial APIとは何なのか?
どんなことに利用ができるのか、まとめました。
位置情報を使った3D技術に関心がある方に読んでもらいたいです。
ARCore Geospatial API とは?
ARCore Geospatial APIは、Googleが提供するARフレームワーク「ARCore」に追加されたVPS(Vicual Positioning System)を指します。
VPSは「画像位置情報を利用した位置情報システム」を指します。
VPSの似たような言葉にGPS(Gloval Positioning System)があります。GPSとVPSの違いを下記にまとめました。
名称 | VPS(Visual Positioning System) | GPS(Gloval Positioning System) |
日本名称 | 画像情報を利用した位置特定システム | 全地球測位システム |
位置情報の取得方法 | スマホやARグラスを通して、ポイント情報を取得する | GPS衛星との通信を利用して、位置情報を取得する |
メリット | 屋外での測定が高精度である | 障害物や室内などの限定環境で高い精度を発揮する |
デメリット | 高層ビルや地面などの環境に影響を受ける | 写真測量のため、範囲が限定的 |
ARCore Geospatial APIは、事前に空間マップを作る必要がありません。またカメラ映像やGPS情報を使って、現実世界に様々な3Dモデルを重ねて表示することができます。
ARCore Geospatial APIが利用されている具体例として、TAiTOが提供しているモバイル3Dゲーム『スペースインベーダー ワールドディフェンス』を紹介します。
45年前に誕生した『スペースインベーダー』がモバイルで利用できるようになりました。
プレイヤーの周囲の建物、橋など建築要素を含めた近くの環境から、即座に画面上にARと3Dが融合した現実世界を舞台にしたゲームステージが構築されます。
現実世界の時間、天気や地形にあわせてゲームステージが構築されるため、没入感のあるゲーム体験ができます。
これらの没入感のある体験を可能にしているのが、ARCore Geospatial APIです。
▼参考動画 YouTube『スペースインベーダー ワールドディフェンス』
ARCore Geospatial APIでなにができる?
ARCore Geospatial APIは、室内環境などGPSの機能が発揮しづらい場面(※)での活用が有効です。
※GPSはGPS衛星と通信して位置情報を取得する為、高層ビルが建ち並ぶ都市環境や建物の中では本来の機能が発揮できません。
- カメラを使って環境の画像を撮影
- コンピュータが画像情報を処理・分析
- GPSやLiDARなど他の位置測位技術との組み合わせ可能
- コンパスや慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)との組み合わせ
ARCore Geospatial APIを活用すれば、ナビゲーションシステムにARをかけ合わせたり、新しいマーケティング戦略を練ることや新たなモバイル3Dアプリゲーム、ポケモンGOのような健康管理アプリなどができるでしょう。
ARCore Geospatial APIのビジネス活用事例
この章では、前章「ARCore Geospatial APIでなにができる?」から、ARCore Geospatial API を用いたビジネス的な活用事例をまとめました。参考にしてください。
事例1:クラウドサーカスのARプロモーションツール『COCOAR』、Google ARCoreのAPI「Streetscape Geometry」を活用した『建物オクルージョン機能』をリリース
クラウドサーカス株式会社は、ARプロモーションツール『COCOAR(ココアル』でAR顧客体験の進化を目指し、「建物オクルージョン機能」をリリースしました。
オクルージョン表現とは、現実空間の建物とARオブジェクトの前後関係を考慮してARオブジェクトの一部が隠れて見える表現を指します。
Streetscape GeometryとGeospatial APIの技術を掛け合わせることで、建物の前後位置を認識し、3Dモデルを建物の後ろに表示させることができます。
建物オクルージョン機能によって、ARの利用範囲が拡大され、ARプロモーションで新たな顧客体験を提供できるようになりました。
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事例2:都市空間をXR化するSTYLYの新機能も公開! 誰もが都市をXRで彩れるように
STYLYでは誰もが都市空間をXRで彩る事が可能になる新機能が追加されました。
・ARCore Geospatial API(Google社)
・Lightship ARDK=セグメンテーション機能(Niantic社)
・Immersal
STYLYは上記の3つのVPSに対応し、屋内・屋外の空間をXR化できるようになりました。
STYLYを用いて、実際に渋谷スクランブル交差点がARで彩られるイベントも開催されました。
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事例3:Googleの新機能「Streetscape Geometry」を利用したARコンテンツの技術検証を実施~街の風景に溶け込む没入感の高いARコンテンツの制作が容易に~
株式会社NTT QONOQは、ARCore Geospatial APIの新機能となる「Streetscape Geometry」を利用したARコンテンツの技術検証を実施しました。
「Streetscape Geometry」を利用することにより、現実空間の建物とARオブジェクトの前後関係を考慮してARオブジェクトの一部が隠れて見える表現(=オクルージョン表現)が可能となりました。
本技術検証では、株式会社円谷プロダクションの協力を得て、ウルトラセブンの戦闘シーンを再現したARコンテンツを制作いたしました。(引用:PRTimes)
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まとめ
いかがでしたか?この記事ではARCore Geospatial APIとは何かをまとめました。
ONETECH では、ポイントクラウド(点群データ)と呼ばれる位置情報や色情報などの3次元データの扱いに長けています。
またONETECHではLiDARを使った距離測定技術も得意分野です。
ARCore Geospatial APIを活用した新たなモバイルアプリの設計など、相談に乗ることができます。
下記URLページは、ポイントクラウド(点群データ)をUnityに取り込む方法や、3DデータをIPhoneで手軽にスキャンする方法など、3Dデータの取り扱い記事をまとめました。
これらの実績を参考にお気軽にご相談ください。
▼POINT CLOUD(点群データ)をUNITYに取り込む方法
▼IPHONEで手軽に3Dデータをスキャンする方法とは?【フォトグラメトリ、LIDAR】
▼360度3D-VR撮影サービスMATTERPORTクラウド有料プランについて
またONETECHでは、3Dデータの制作にも対応しています。過去の実績を下記URLページにまとめました。
▼3Dデータ制作実績
メタバースでのショッピングのための自動車CG制作 | ONETECH開発実績
住宅、マンション3Dシミュレーション「HOUSE DECOR」追加改修 (onetech.jp)
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