ライブ動画配信システム開発事例(音楽系ライブ、教育、オーケストラ)
音楽やオーケストラのライブ配信やオンライン教育を始めとして、エンターテインメント業界ではD2C(Direct to Consumer)の流れが加速しています。ご存知のように世界的なパンデミックはそれを強力に後押ししました。厳密にはD2Cではないのですが事業者が直接消費者に商品をとどけるためにライブ配信プラットフォームも続々と登場しています。今回は弊社の開発実績で音楽系アーティストのライブ動画配信プラットフォームの事例や教育分野でのコンテンツ配信プラットフォームの事例、YOUTUBEやニコニコ動画に代わる自社配信サイトの開発した事例などを紹介します。

D2Cとは
「製造者がダイレクトに消費者と取り引きをする」という意味の言葉です。
音楽業界や芸能関連のライブ動画配信活用事例の背景
新型コロナウイルスが2020年に日本で確認されてから、ライブ公演が激減しています。コロナ禍でライブ公演が激減し、音楽業界へ大きな影響を与えました。
ぴあ総研株式会社の調査によれば、2020年度の市場規模は2019年度に比べ82.4%も減少していると報告しています。それだけ新型コロナウイルスが音楽業界に与えた影響が大きかったのです。

それだけ新型コロナウイルスが音楽業界に与えた影響が大きかったのです(参考記事:CPRA Article)
現在音楽業界では、ライブ公演が激減し、代わりにオンラインライブが増えてきました。そのため、チケットの販売方法や従来ライブ公演で行なっていたファングッズ販売方法にも変化が起こっています。
D2C音楽系アーティストファンクラブ/サイトとは?
2020年以降、音楽系アーティストファンクラブ/サイトには、数多くの機能が求められています。
・チケット管理
・グッズ販売
・ファンクラブの入会/退会の管理
・ニュースレターの送信
・課金管理
・有料コンテンツ
など
特にサイトひとつでライブ配信も含めたサイトを制作することは、2019年まであまり求められていなかったと思われます。2020年、日本で新型コロナウイルス(COVID-19)が確認されてから、エンタメ業界は大きく変わりました。音楽アーティストは、ファンとの関わり方が変わります。ファンへ自らの作品や芸術を届けるために、ファンサイト/クラブの作り方も大きく変わってきたのです。
なぜ音楽系アーティストはD2Cのファンクラブが必要なのか
コロナ禍により、ライブ会場での直接販売が少なくなりました。これは音楽系アーティストにとって大きな問題です。音楽アーティストにとって、ライブで販売するグッズ収益やチケット代が大きな収入源だからです。
音楽アーティストは、リアルのライブ会場で公演できなくなり、代わりにオンラインライブに移行していきました。しかしオンラインライブのチケット代は、リアルのライブの1/2から1/3まで下がります。
ではチケット代が下がった分、グッズを多く販売して収益を稼ぐと考える方もいるでしょう。
しかしオンラインに移行できても、グッズの販売はカンタンではありません。この問題はオンラインでグッズ販売をして解決できる問題ではないからです。
リアルとオンラインでは、音楽の楽しみ方が変わってきます。
リアルの会場でグッズを購入する理由として、次の3点をあげました。
・ライブ後のテンションでグッズを購入する
・会場との一体感を得るためにグッズを購入する
・ライブ同行者が購入しているため
リアルの会場に行ったテンションで購入するグッズとオンラインで購入されるグッズは異なります。
リアルの会場ではTシャツやタオルを購入する方が多く、オンラインライブを楽しむ方はスマホスタンド、グラス、タンブラー、マスク、マスクケースなど実用的なグッズが購入されています。

このようにファングッズの購入の心理が変わってきています。
例えばオンラインのライブ公演をしてグッズを購入したいと思ったときに、グッズ購入サイトが別サイトだとファンの手間がひとつ増えます。
これがファンクラブサイトで
・チケット購入
・ライブ試聴
・グッズ購入
・ファンクラブ会員限定サイト
など
これらの機能が全てひとつのサイトに完結していれば、ファンの手間は減り、かつ満足度が高いオンラインライブ公演になるでしょう。芸能界にもファンと直接取引をするオンラインのファンクラブサイトなどのD2Cの流れが来ています。
ライブ動画配信のはじめかた
ライブ配信を始めるには以下の主に2つの方法があります。
- ライブ動画配信プラットフォームを利用する。
有名なのはYOUTUBEやニコニコ動画ですがライブ配信プラットフォームでググってみるといくつも出てくると思います。そのほかにも下記のようなプラットフォームがあるようです。- YouTube
- ニコニコ動画
- Dailymotion
- OPENREC.tv(オープンレック)
- TwitCasting(ツイキャス)
- FC2動画
- パッケージやクラウドを利用
のちほどご紹介しますが弊社の取引先でもあるデジタルクルーズ様のAdmintTVなどを利用する方法です。配信技術は弊社の経験でいうと難易度が高く、性能要件も厳しいので実績のある配信システムを利用することが良いと考えています。
ライブ動画配信システムの活用事例 ONETECH実績
ここからはONETECHの開発事例を紹介します。弊社はベトナムでXR開発やWEBシステム開発を提供しています。ベトナムオフショアで開発する利点としてはコストを削減できることですが、弊社ではコスト削減だけでなく、多くの実績に裏付けされた高品質な製品を提供します。
ひとつめは音楽系アーティストのライブ配信の活用の事例、二つ目はオーケストラのライブ配信システム開発事例を紹介します。
事例1)音楽系アーティストのライブ動画配信の活用
VIMEOをライブ動画配信システムとして利用して構築したファンクラブサイト
VIMEOをライブ配信機能として利用してファンクラブサイトを構築しました。複数のアーティストやアーティスト事務所にも対応したプラットフォームとなります。現在は10万会員以上のファンクラブの運営とライブ配信の運営をしております。
VIMEOとは
VIMEOは2004年に誕生した動画プラットフォームです。YouTubeが誕生したのが2005年なので、VIMEOのほうがYouTubeより早く世に誕生しています。
VIMEOの特徴として、次の4点が挙げられます。
- 特徴1 投稿する作品の規約が厳しい
- 特徴2 広告がない
- 特徴3 公開範囲を細かく設定することができる
- 特徴4 Vimeoのプラットフォーム上で動画の販売・レンタルが可能
注目すべき特徴は、特徴4 Vimeoのプラットフォーム上で動画の販売・レンタルが可能です。

■ファンクラブプラットフォームの特徴
サブスクリプション機能で1年間のファンクラブ会費を決済でき継続会員として管理ができます。
ライブ配信はVIMEOを使います。ライブ配信は会員のみの限定視聴できる仕様になっています。
アーティストによってはチケット販売時などアクセスが集中します。
高負荷なユーザーアクセスに耐えるサーバー設計をAWSで構築しました。
複数のアーティストサイトを管理できるプラットフォームとして構築したので数日で新たなアーティストのライブ配信サイトを立ち上げることができます。
フロントエンドは、オフシャルサイトとファンクラブサイトの両方のサイト構築が可能
マルチデバイス対応のレスポンシブデザインで制作しました。
フロントサイトは、CSS3やJQueryを活用してHTML5でシステム開発しました。
CMSはLaravel (PHP), MySQLで構築しました。
▽主な機能
・会員管理
・新規入会・継続の決済機能
・ニュース機能
・作品コンテンツ制作機能
・ブログ機能
・壁紙ダウンロード機能
・動画配信
・Q&A投稿・配信機能
・メール配信
・会員向けメール送信テンプレート管理
・問い合わせ管理
・決済管理
対応技術
フロントサイトは、CSS3やJQueryを活用してHTML5でシステム開発しました。
CMSはLaravel (PHP), MySQLで構築しました。
対応範囲
要件定義はクライアントが実施しました。
基本設計は、外部設計、内部仕様設計を対応しました。
製造も弊社が担当。環境構築はAWSで弊社が構築しました。
性能要件に対応した性能テストも実施。
システムテスト、単体テスト・結合テストまで弊社で対応して受入テスト後検収していただきました。
対応期間
2020年12月から2021年3月
実績掲載先
事例2)オーケストラのライブ動画、アーカイブ動画配信システム開発
AdmintTVを利用したマルチ配信者を管理できるシステムの構築
さまざまな音楽系の配信者を想定して、複数の配信者が複数の視聴者限定でライブ配信ができるプラットフォームの構築をしました。弊社のパートナーでもあるデジタルクルーズ社のAdmintTVというライブ配信プラットフォームを利用しています。
AdmintTVとは
admintTVは、VOD配信、ライブ動画配信、CDN機能、HTML5プレイヤーを標準で提供します。 著作権を保護しながら、大規模な配信時にも安定した動画配信の環境を、 ワンストップで提供するクラウドサービスです。
admintTVは、主要3社のDRM(デジタル著作権管理)をすべてサポートしており、 世界最高レベルのセキュリティで不正コピーや違法ダウンロードからコンテンツを守ります。
admintTVの動画配信プラットフォームは、コンテンツ保護やSSAIなど ビジネスユースのニーズに応える最新機能を搭載しています。
クライアントの課題
クライアント様は既にプラットフォームは展開していました。そのシステムは課金システムに大きな課題があり、現ベンダー様では修正することが困難であると判断し弊社に新たにシステムを作り直すこと依頼されました。D2Cの流れでこのシステムを安定稼働させることが演者様にとって大きな救いになるようです。
■マルチライブ動画配信プラットフォームの特徴
▽主な機能
フロンエンド
HTML/CSS作成(モックアップ)
フロントエンド共通開発(ロール権限、バナー、メールテンプレート、ログ、多言語設計)
登録・ログイン
ログインメールアドレス登録
個人情報登録
SNS登録
ログイン
パスワード変更・パスワード忘れ
マイページ
アカウント情報変更
購入履歴(ライブ配信購入一覧)
購入履歴(レンタル/サブスクリプション購入一覧)
購入履歴(パトロンズコイン購入一覧)
トップページ
有料、無料のLIVE配信予定一覧ページ
有料、無料レンタル
一覧ページ
お気に入り一覧ページ
チャンネル一覧ページ
チャンネル/個人詳細ページ
フォロワーの投稿記事一覧ページ
コンテンツ販売詳細/再生ページ
コンテンツ購入ページ
商品販売一覧ページ
パトロンズコイン購入ポップアップ
サポートページ(よくある質問、問い合わせフォーム)
静的なページ
一般配信者
ライブ配信設定(配信権限、一覧、設定)
動画(アーカイブ)管理(権限、一覧、設定)
売上履歴(ライブ配信売上一覧)
売上履歴(レンタル/サブスクリプション売上一覧)
売上履歴(パトロンズコイン売上一覧)
チャンネル所有者
記事(日記、ニュース)投稿
サブスク設定
バックエンド
バックエンド共通開発
トップページ管理
記事管理
バナー管理
メンバー管理
【タブ】一般会員ページ
【タブ】チャンネルページ
【タブ】管理者ページ
【タブ】ライブ配信管理ページ
動画管理
【タブ】レンタル管理ページ
【タブ】サブスク管理ページ
【タブ】無料動画管理ページ
コイン管理
売上管理
問い合わせ管理
対応技術
Backend: Laravel 8, php 8, mysql, vue JS
Frontend: Node 14, React + Next JS, DynamoDB

対応範囲
要件定義サポート、外部システム提案、外部設計、UIデザイン
内部設計、製造、単体結合テスト、性能テスト、運営保守
対応期間
2021年11月から2022年9月
上記が弊社がライブ配信システムを開発した事例となります。次に他社様のサービスも紹介したいと思います。
音楽アーティストファンクラブ/サイト制作サービスおすすめ3選
この章では、以前弊社ブログでも紹介しました音楽アーティストのファンクラブ/サイト制作サービスでおすすめのサービスを3選ほど紹介いたします。
サービス1 ロム・シェアリング

株式会社ロム・シェアリングは、設立2002年のファンクラブ運営・顧客マネジメントを中心に事業を行なっています。
ロム・シェアリングは、「新規FC設立」「今あるFCの移管」 「システムだけ利用したい」「スポットでの外注」 「コンサルティング」等々、小規模~数十万名の顧客管理まで、あらゆる対応が可能なロム・シェアリング。システム面だけでなく、運営も依頼することが可能です。
ロム・シェアリングの強みは、特殊形態のファンクラブ設立のノウハウがある点です。期間限定のファンクラブ、超高額のファンクラブなども対応しています。
サービス2 コネクトプラス株式会社

コネクトプラス株式会社は、2016年設立の企業です。サイト構成、運営、アプリ展開、さらに通販サービスの対応に大きな強みがあります。
ライブやイベントの配信では、有観客or無観客ライブの開催。オンライントークイベント、オンラインサイン会、定期的なコメント動画などの多種多様なコンテンツを配信することができます。
会員限定グッズの製作も行なっており、CD・DVD/Blue-rayなどの購入されたファンへの購入特典をつけるなど、ファンの満足度を高めるサービスを提供しています。
コネクトプラス株式会社は、過去の実績を紹介しており、SEKAI NO OWARIなど人気アーティストたちが利用しています。
◎過去のサイト制作実績
- SEKAI NO OWARI
- 椎名林檎
- 清木場俊介
- 大原櫻子
- From ARGONAVIS
- THE BAWDIES
など
サービス3 Fanplus

株式会社Fanplusは、2007年設立の企業です。
Fanplusが提供するファンサイト・ファンクラブ事業では、有名アーティストのオフィシャルサイト、ファンサイト、ECサイトの制作を行なっております。
特に強みとしてあげられる特徴は「オールインワンシステム」と「グローバル対応」の2つです。
オールインワンシステムは、サイトの管理を音楽アーティストや事務所で行ないたい場合におすすめです。企画や機能をモジュール化し、シーンに応じてセットアップできるため、ひとつの管理画面でオフィシャルサイトや有料会員サイトを一元管理できます。
2つめの強みとして、日本から海外へ向けたグローバル展開ができる点です。英語、中国語(繁体字)、韓国語に対応しており、銀聯・PayPalなどの幅広い課金方式も実装しています。
株式会社Fanplusも実績を紹介しており、数多くの人気アーティストが利用しています。
◎過去のサイト制作実績
・あいみょん
・UVERworld
・Official髭男dism
・クリープハイプ
・GLAY
・コブクロ
・THE YELLOW MONKEY
・JO1
・サカナクション
・TWICE
・DISH//
・back number
など
ファンサイト/クラブを制作する上で、どのサービスを利用したらいいかのポイント3点
ファンサイト/クラブを制作する上でおすすめのサービスを紹介いたしました。また弊社ONETECHがベトナムオフショアで構築したファンクラブサイトとオーケストラの配信サイトの紹介をしました。
ポイントとして、
・どこまでの業務を依頼するのか要件出しをしましょう。
→マネジメントやファンサイト/クラブの運営は自分たちで行なうのか、依頼するのか。
→自分たちで運営する場合、一元管理しやすいサイト制作をお願いしましょう。
・ファン視点での導線を考え、サイトの制作を依頼しましょう。
→ファンはスマートフォンで視聴する場合やPCで視聴する場合など、使っているデバイスはバラバラです。マルチデバイス対応にしましょう。
・決済システムを充実させましょう。
→ファンの決済方法もバラバラです。特に電子マネーでの決済も増えてきているので、決済システム対応を検討しましょう。
最後に
コロナ禍の中、各社はDXの一環としてD2Cでライブ配信を試行錯誤しながら開始しています。今回はその中でもいち早く自社でのライブ動画配信を実現している会社様の事例を紹介をしました。現在は新しい音楽マーケティングが必要とされています。
ONETECHの強みとして、Direct to Consumer(D2C)のライブ配信、ファンクラブサイト制作の実績があります。高負荷なユーザーアクセスに耐えるサーバーの構築やマルチデバイス対応が可能です。
音楽ファンクラブサイトなどをどのように作ったらいいか分からないと困っている方もいるでしょう。そのような時はONETECHにお気軽にご相談してください。
お問い合わせ