近年、不動産業や内装工事業など3Dモデルを使った販売促進が増えてきました。3Dモデルを活用したプロモーションは増加していくでしょう。
この記事は、アメリカMatterport社が提供する3D空間を移動して360度映像を見ることができる3D空間撮影のソフトウェアプラットフォームMatterportクラウドにおいて、有料プランでどのようなことができるのかまとめました。
3Dモデルを使ったプロモーションを行いたい方は参考にしてください。
Matterportクラウドとは?
Matterport(マーターポート)は、アメリカMatterport社が提供する3D空間を移動して360度映像を見ることができるソフトウェアプラットフォームです。
2022年6月時点でMatterportは不動産業・建設業・宿泊業などを中心に50万人のユーザーが利用しています。
50万人ものユーザーが利用するMatterportの特徴は、デジタルツインとの相性がよい点だと思います。
通常の360度カメラで撮影した映像は撮影した一箇所からの視点でしか360度画像を見ることができません。
一方Matterportは、空間内を移動して複数の視点から360度高画質な映像を見ることができます。
建物全体を立体に捉え、あらゆる角度から俯瞰して見渡すことができる点が、ユーザーが多い理由でしょう。
今回記事で紹介する「Matterportクラウド」は、Matterportで撮影した画像は膨大な量のデータと帯域幅を必要とするため、特別な高速サーバー上のクラウドに保存されます。(MatterportはスペースデータのホストとしてAWSを使用)
またMatterPortクラウドは4つのクラウド契約プランを提供しています。
▼YouTube Matterportのデータをクラウドへあげる方法 https://matterport.com/ja/matterport-academy/uploading-to-cloud
Matterportクラウドでなにができる?
Matterportには、様々な機能が搭載されています。
ここでは機能を4つまとめました。
▼公式サイト Matterport
ポイント1.物理環境を計測することができるスキャン機能
部屋のサイズやドアや家具の大きさなどを計測することができます。建設業・内装工事業の方に人気の機能です。
ポイント2.テキストなどの情報を3D空間内に埋め込むことができるタグ埋め込み機能
(引用:Matteport)
Matterportでは、展示物や家具にタグを埋め込むことができます。タグには、テキストや画像、動画などの情報を設定することができ、ユーザーに必要な情報を共有することができます。
ポイント3.空間内を自由に移動、複数視点で3D空間を体験することができるウォークスルー機能
空間内に表示される二重丸のポイントをクリックすることで、施設内部を移動することができます。
ポイント4.2D写真、360度画像、ティザー動画などデータのダウンロード機能
360度画像は、360度のパノラマ画像をダウンロードすることが可能です。
ティザー動画は、Matterportで自動生成されるMP4形式の動画をダウンロードすることができます。
Matterportクラウドを活用するメリット
ここではMatterportを活用する事で、どんなメリットがあるのかまとめました。
メリット1.時間・距離の制約からの解放
Matterportは、時間を短縮し業務効率化やコスト削減に貢献します。
株式会社東急コミュニティーは、Matterportの3D撮影でBIMモデルを活用し、オフィスビル改修工事に必要な2D図面作成を効率化したと発表しています。
事例1.PR TIMES【東急コミュニティーでMatterport(マーターポート)を採用】オフィスビル改修工事にBIMモデルを活用し、2D図面の作成を効率化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000019866.html
また国立天文台「すばる望遠鏡」は、Matterportのソリューションで最先端研究施設のバーチャルツアーを実現したそうです。
アメリカ ハワイ島のマウナケア山頂域に位置する「すばる望遠鏡」の施設内部をバーチャルツアー化することを発表しました。
このバーチャルツアーはMatterportの技術により実現しています。
ツアーは現在休止しており、いつ再開するか分かりません。一般の方が訪問するには、気軽に出かけることができない距離です。
またコロナ禍によって研究者も現地訪問が困難になりました。
今回Matterportを活用し没入感のある体験を提供することで、距離の制約から解放され、この問題を解決できたとプレスリリースで発表しています。
事例2.PR TIMES 国立天文台「すばる望遠鏡」、マーターポートのソリューションで最先端研究施設のバーチャルツアーを実現。設備保全業務での利用も視野に。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000111509.html
▼すばる望遠鏡 3Dバーチャルツアー
https://subarutelescope.org/jp/Vtour/
メリット2.他社と差別化したプロモーションの展開
「七田(しちだ)」「天山(てんざん)」等の日本酒ブランドを展開する天山酒造株式会社(日本 佐賀県)は、Matterportを利用して、天山酒造のデジタルツインを構築し、国内外にむけた酒造バーチャルツアー、クラフトマンシップの発信を行なっています。
また歴史をデジタル保存することで、文化継承のサポートに繋がると期待しているそうです。
3D撮影画像を使用することで、他社と差別化したプロモーションの展開が可能になりました。
事例3.PR TIMES 創業148年の天山酒造、国内外で人気が高い日本酒「七田」の製造ラインをマーターポートの技術でデジタル化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000111509.html
Matterportクラウドの料金体系
Matterportクラウドの有料プランは、2023年5月17日に新プランが発表されました。
新規契約者は、新しい価格体系が適用されます。
注意すべき点は、スタータープランとプロフェッショナルプランの間で、対応機種の種類に差がある点です。利用する目的と現在所有している機種を確認の上、契約プランを選択していきましょう。
無料プラン | スタータープラン | プロフェッショナルプラン | ビジネスプラン | エンタープライズプラン | |
価格 | 0円/無期限 | 1500円/~月 | 8400円/~月 | 41700円/~月 | 担当者に問い合わせ |
利用ユーザー数 | 2ユーザー | 2ユーザー | 5 or 10ユーザー | 25 or 60ユーザー | 無制限 |
利用スペース | 1 | 5 | 25 or 50 | 125 or 300 | 無制限 |
対応機種 | ・iOS ・Android ・Insta360/ THETAなどの360度カメラ | ・iOS ・Android ・Insta360/ THETAなどの360度カメラ | ・iOS ・Android ・Insta360/ THETAなどの360度カメラ ・Pro2 ・Pro3 ・BLK360 G1 | ・iOS ・Android ・Insta360/ THETAなどの360度カメラ ・Pro2 ・Pro3 ・BLK360 G1 | ・iOS ・Android ・Insta360/ THETAなどの360度カメラ ・Pro2 ・Pro3 ・BLK360 G1 |
▼Matterport価格表
https://support.matterport.com/s/article/Matterport-Price-List?language=ja
まとめ
いかがでしたか?この記事ではMatterportクラウドの有料プランについてできることをまとめました。
近年3Dスキャン技術も向上し、建物の3Dモデルが手軽に扱えるようになりました。
3Dスキャンしたデータの使い道はたくさんありますが、有効に利用しないと3Dスキャンデータが無駄になってしまいます。
高精細な3Dスキャンデータを有効活用できれば、ユーザー体験を向上させることができ、顧客の満足度はあがるでしょう。
ONETECH では、ポイントクラウド(点群データ)と呼ばれる位置情報や色情報などの3次元データの扱いに長けています。
例えばポイントクラウド(点群データ)をMatterportクラウドなどのサーバーサイドで加工するお手伝いなどもできます。
下記URLページは、ポイントクラウド(点群データ)をUnityに取り込む方法や、3DデータをIPhoneで手軽にスキャンする方法など、3Dデータの取り扱い記事をまとめました。参考にしてください。
▼POINT CLOUD(点群データ)をUNITYに取り込む方法
https://onetech.jp/blog/how-to-import-point-cloud-into-unity-16850
▼IPHONEで手軽に3Dデータをスキャンする方法とは?【フォトグラメトリ、LIDAR】
https://onetech.jp/blog/scan-3d-data-with-iphone-photogrammetry-lidar-16532
またONETECHでは、3Dデータの制作にも対応しています。過去の実績を下記URLページにまとめました。
▼3Dデータ制作実績
メタバースでのショッピングのための自動車CG制作 | ONETECH開発実績
住宅、マンション3Dシミュレーション「HOUSE DECOR」追加改修 (onetech.jp)
3Dデータの制作・取り扱いでお困りのことがありましたら、ぜひONETECH にご相談ください。
ほかにもONETECHはベトナムオフショア開発で受託開発も請け負っております。幅広い分野で開発してきた実績がありますので、ソフトウェア開発のご相談はぜひOne Technology Japanへお気軽にお問い合わせください。
■XR開発に特化したベトナムオフショア開発企業 ONETECH
ONETECHは、XRに特化した開発会社です。
VR/ARコンテンツ開発を始めさまざまなシステム開発、アプリ開発、ソフトウェア開発をベトナム オフショアで開発しています。ベトナムのXRトップ企業として紹介されています。
2015年の創業から上場企業からスタートアップ企業までお客様100社以上の300以上のプロジェクトに関わってきた豊富な開発実績があります。
ONETECHはUNITYでAR/VRアプリの開発
AR/VR/MR開発は2015年より取り組んでおります。UNITYの技術者育成に力を入れて取り組んでいます。
VR開発:ベトナムでのVR開発分野において最も開発実績のある企業の一つとなっています。
AR開発:ARkit、ARcoreなどを利用して多数のアプリ開発、Babylon.js、8thWallなどでのWebAR開発実績がございます。
UNITY開発:ONETECHはUNITYを利用し様々なVR開発、AR開発、アプリ開発をしています。HoloLens/Oculus/HTC VIVE/Pico/Nreal Lightなど最新のデバイスも取り揃えています。
ホロレンズ開発:ベトナムで最も多くのHoloLens開発実績のある企業の一社です。
WEBXR開発:WEBXRは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)および混合現実(MR)をWebブラウザで利用するための技術スタンダードです。ユーザーは、特別なアプリをダウンロードすることなく、多様なデバイスで豊かな3Dコンテンツを体験できます。
CG制作:製品やゲームのアセット、業務用の映像などの3DCGコンテンツの3DCG制作(モデリング・アニメーション・レンダリング)をエンジニアと連携しながらワンストップで受けることが可能です。