キヤノンの新型MRヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」の強みとは

MR(Mixed Reality:複合現実)やVR(Virtual Reality:拡張現実)といった映像技術を有効活用するためには、ハードウェアの進化も欠かせない要素です。

キヤノンが発表した新型ヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」は、こういったテクノロジーを最大限活用するための技術が詰まっており、これよりもスマートな映像体験を実現するとして、期待されている一台です。

Canon-MREAL-S1,-現実と仮想が融合する世界

Canon-MREAL-S1,-現実と仮想が融合する世界 (Image: canon-its.co.jp)

今回はMREAL S1がどのような強みを持っているのかについて、ご紹介していきます。

MREAL S1とは

MREAL S1は、キヤノンITソリューションズが発表した新型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)です。

従来のHMDに比べて遥かに小型に作られていながら、キヤノンの光学技術を惜しみなく使用しているということで、現実空間と仮想空間を融合するMR(複合現実)の実現も容易にしています。

「いつでも、どこでも、どなたでも」というコンセプトに則り、幅広いHMDの普及を目指したエントリーモデルとして誕生しました。

MREAL S1の強み

MREAL S1はエントリーモデルとはいうものの、これまでのHMDにはないフォルムと機能性で他の製品との差別化を図ります。

小型で取り回しに優れる本体

MREAL S1の第一の特徴といえば、やはりその小さなボディにあるでしょう。手のひらで包み込めるほどの小ささであり、質量はわずか140グラムに満たないという取り回しの良さは、他のHMDにはない特徴です。

重量が軽いことによって、長時間の使用であっても頭や首に疲労が溜まりにくく、装着者の負担軽減に活躍します。

大量のHMDが必要な場面でも、管理や輸送が容易であることから、様々な場所で活躍してくれるでしょう。

MREALが目指すのは、仮想の CG と現実空間の違和感のない融合です。

MREALが目指すのは、仮想の CG と現実空間の違和感のない融合です。(Image: canon-its.co.jp)

装着しやすく、長時間の利用にも最適なフィット感

MREAL S1はただ小さいだけではなく、装着の際のつけ心地にも力を入れているプロダクトです。

効率的に熱を逃す機構を備えることで、本体が装着者に与えるダメージを最低限に抑え、人間工学に基づく装着系も備えます。

簡単操作で着脱できる操作性と、4段階の調節機能を備えたベルトとパッドにより、どんな形状や大きさの頭でもフィットするよう設計されています。長時間の装着であっても、負担を最低限に止めてくれるでしょう。

シームレスな複合現実の実現

MREAL S1は、MRの運用を前提にして開発されたプロダクトです。先端の光学技術によって、表示映像の高精細化と、sRGBを約99%カバーする色域を実現し、違和感のない複合現実を実現しました。

体験者が視覚的に経験しやすい距離的な違和感を軽減するため、光軸一致を実現したカメラと表示パネルの配置や、カメラと瞳の位置が近づくよう薄型化にも成功しました。

MRという技術を実現するだけでなく、実践的なMRの活用に向けたテクノロジーが、ふんだんに使われている製品です。

直感的な操作で誰でも利用可能

MREAL S1はエントリーモデルということもあり、初めてHMDやMR機器を触れるという人に向けたユーザビリティにも配慮しています。

MREAL S1をコントロールするプラットフォームのMREAL Platform 2021は、初めて使いうユーザーでも分かり易く、直感的に操作しやすいデザインにユーザーインターフェイスを刷新しています。

まずは触ってから考えるという体験を実現したことで、更なるMRの普及にも役立ってくれるでしょう。

MREAL S1で実現できること

MREAL S1というスマートなHMDが登場したことによって、MRやVRの運用はますます加速していくことになりそうです。

イベントでの積極的なMR・VRの活用

例えば、展示会やイベント会場におけるMRの活用の機会は、さらに増えていくでしょう。従来のHMDは大型だったこともあり、搬入できる数には制限がありましたが、MREAL S1を使えばより多くの本体を導入できます。

使用にあたっても頭に装着する従来の使い方はもちろん、手で持って簡易的に装着するという使い方もできるため、より手軽にMRを体験し、コンテンツの価値を理解してもらえます。

あるいはオンラインイベントの際、MREAL S1を参加者に配布することで、仮想空間で商品の発表やプレゼンテーションを行う、といった使い方もより身近になるはずです。

HMDを活用したビークルの操縦

長時間の装着にも適しているMREAL S1は、HMDを活用した乗り物の操縦にも活用ができそうです。

従来のHMDは大型であり、長時間にわたる装着はユーザーの負担を大きくしてしまうため、必要な時にだけ装着するという使い方が一般的でした。

一方、MREAL S1は長時間の装着にも耐えられるだけでなく、MR技術で現実空間と仮想空間を融合した視界を提供してくれます。

重機の操縦やパイロットのシミュレーションなど、専門的で複雑な操作を要する乗り物の扱いを、早期に習得する、あるいは手厚くサポートする技術としても活躍するでしょう。

おわりに

MREAL S1はこれまでのHMDとは異なり、大いに汎用性を持ったプロダクトです。普及が進めば、各社で多様な使われ方が進んでいくでしょう。

Onetech-AsiaのARVRエンジニア

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