近年、次世代の技術として続々と様々な業界で導入が進んでいる人工知能。AIとも呼ばれるこのテクノロジーは、今や身近に存在する世の中になりました。
非常に利便性の高い技術として注目されている人工知能ですが、そもそも従来のコンピューターと何が違うのでしょうか。
今回はそんなAIの概要や運用方法について、ご紹介していきます。
AIとは何か
SF映画やアニメなどではおなじみのAIですが、現実世界におけるAIも、フィクションと同じような活躍が期待されるテクノロジーです。
AIに明確な定義はない
一般的にAIは知的なコンピューターとも言われますが、コンピューターをAIたらしめる定義については様々な意見があり、これだという説明はまだ誕生していません。
AIはコンピューターを使って動かすプログラムの一種で、基本的には計算処理を行うための技術です。
これまでのプログラムよりもはるかに早く、人智を超えたスピードで情報処理ができるということから、多くの研究者や業界から注目が集まっています。
従来のプログラムとの違い
従来のプログラムと人工知能の大きな違いとして、AIは自律的に物事を判断することができるという点が挙げられます。
これまでのコンピュータープログラムの役割は、与えられた命令に則り、与えられた数字を計算するというものでした。
例えばエクセルなどの表計算はわかりやすいプログラムで、シートに計算式をプログラミングし、数値を入力することで、式に則った計算を瞬時に行い、表記してくれます。
しかし、AIの場合はこれだけにとどまりません。
与えられた情報を学習することで、より発展した複雑な結果を出力することができ、まるで人間のような判断力を有することもできます。
顔認識AIは、その具体例として挙げられます。従来のプログラムの場合、顔認識というのは事前に与えられた画像や映像と完璧に一致していなければなりません。
例えばAさんの顔写真でも、免許証の写真とパスポートの写真、そしてリアルタイムのカメラで捉えているAさん本人では情報が異なるため、判別がつかないのです。
しかし、AIは違います。AIはAさんの顔に関する情報を自律的に処理し、そのほか様々な人間の顔のデータを大量にインプットします。
そして、AIはまるで人のように「人間の顔」という概念を自ら理解し、Aさんの顔をいかなる角度や写真からでも自ら判断できるようになります。
AI搭載型の顔認証システムは、そのようなプロセスに則って機能しています。事前に大量の顔データを機械学習でインプットし、誰がどんな顔なのかを判断することができるのです。
強いAIと弱いAI
AIには強いAIと弱いAIという、二種類のタイプが存在すると言われています。一つずつ見ていきましょう。
強いAI
強いAIは、汎用性に優れ人間のような判断力を有するAIのことを指しています。あらゆる情報処理に優れ、人と会話し、人間のような判断力を有しています。
いわゆるSF映画に出てくるような、人間味のあるAIはこれにあたり、先端技術として研究が進んでいるのも、強いAIと呼ばれるタイプです。
汎用性と自律性に長けている一方、開発が非常に困難なのもこちらの特徴です。
https://youtu.be/S9Atf6BpLpw
弱いAI
弱いAIは、AIの一種でありながら、強いAIほどの汎用性と自律性を持ち合わせていないのが特徴です。
自律性がないとはいえ、通常のプログラムよりは柔軟で、一定の判断力を有しています。
弱いAIは、特定の業務に特化したインプットとアウトプットに優れているのも特徴です。
開発は強いAIよりもはるかに容易であるため、多くの企業で導入が進んでいるのは、こちらの弱いAIということができるでしょう。
チャットボットや画像認識AIなど、弱いAIは今や身近なところで見かけることも増えてきています。
人工知能は人間の力を超えるのか
人工知能と聞くと、人間の力を超え、我々では制御することができなくなるというシンギュラリティを懸念する人もいます。
果たして、SF映画にあるような自体は起こり得るのでしょうか。
人工知能が得意なこと
結論から言うと、AIが人類を遥かに凌ぐ存在となる可能性は、今のところ薄いと言う意見が一般的です。
ただ、人工知能の計算能力は人間のそれをはるかに上回っていることは事実です。そのため、分野によっては人間よりもはるかに役立つ存在となることは間違いありません。
特に弱いAIの登場からも予測できるように、表計算や画像認識、さらには自動運転など、作業を伴う業務については人間のパフォーマンスを凌駕していくでしょう。
人間とAIは共存関係にある
そうかといえば、必ずしも人間の仕事が全てAIに取って代わるかといえば、そうとは限りません。
例えば作家は人間が書くことに価値のある仕事ですし、組織の意思決定の最終判断は、人間が行わなければ責任問題が生じます。
そして、AIは自然から発生したのではなく、人間が人工的に作り上げたものです。
AIはあくまでも人間をサポートするためのテクノロジーとして、これからも発展を遂げてくれることになるでしょう。
ONETECHのAIの取り組み
今までのところ画像認識の実績が多いです。画像認識技術はAR分野とも相性が良いです。例としては作業の工程でホロレンズHoloLensを利用してある物体を画像認識させます。あらかじめその物体の数百枚の画像を教師データとして取り込み認識さえることに成功しました。そのほか、OCRのような数値の読み取りや顔の認識などを行いました。またある大学の英語の採点をAIつかって採点業務の補助をするプログラムも作りました。
今後も画像認識分野だけでなくいわゆるビッグデータを使い社会問題を解決できるようなAIを研究してまいります。
おわりに
AIはまだ登場したばかりの技術で、明確な定義も存在していません。
しかし私たちの生活において欠かせない存在となっていることは事実です。新たな技術を受け入れ、効率よく活用していくための検討も進めていきましょう。