ERPは各システムを一元的に管理し、システム間の情報共有を円滑にしてくれる、優れたソリューションです。これまではオンプレミスでの運用が一般的でしたが、最近ではクラウドERPの利用も増えてきています。クラウドERPを選ぶ際、どのようなポイントに注目すれば良いのかについて、ご紹介します。
クラウドERP導入のメリット
まずはクラウドERP導入のメリットについて、確認しておきましょう。
導入コストが低い
クラウドERPは、オンプレミスに比べて遥かに低いコストで導入できるのが何よりの特徴です。
オンプレミスの場合は初期費用が高額になる傾向が強いのですが、クラウドERPはオンプレミスに比べて遥かに低い初期費用で済ませられます。
また、導入から運用までにかかる期間もクラウドの方が短く、迅速な導入を実現できます。
働き方改革を推進できる
クラウドERPは、インターネットを通じて利用するソリューションであるため、場所に囚われることもないのが特徴です。
オンプレミスの場合は、環境が整備されたオフィスに足を運ぶ必要がありました。しかしクラウドERPであれば、インターネットさえあればどこからでも業務を遂行できるため、リモートワークの実施も容易に行えます。
クラウドERPを選ぶポイント
クラウドERPにはいくつもの種類があるため、どれか一つを選ぶのは意外と難しいものです。ここでは、クラウドERPを選ぶ上でのポイントをご紹介します。
既存の業務との適合性を検証する
新しいERPを導入する上で最も重要なのは、既存の環境とのマッチング度合いを具体的に検証しておくことです。
どれだけ高い成果を上げているソリューションを導入しても、現場環境との相性に問題があれば、十分に効果を発揮することができません。
そのため、クラウドERPを実際に選ぶ前には、まず既存の環境について正しく把握することが求められます。
もちろん、全く新しいシステムを完璧に今の現場にそのままフィットさせるということは、非常に困難であるため、100%の適合性を求める必要はありません。
ただ、少しでも現在の環境との親和性が高いクラウドERPを選ぶことで、その後のすり合わせの業務が小さくなるだけでなく、導入される現場で活躍する社員にとっても、移行の負担を最小限に止めることができます。
変更に伴う負担を小さくし、迅速な業務改善を実現できるよう努めましょう。
クラウドERPの拡張性に注目する
クラウドERPは、製品によってカスタマイズの幅も異なるソリューションです。業種によっては現在使っているシステムがオンプレミスで、尚且つ特殊な用途に使用しているために、基本機能だけでは対処できないというケースもあるものです。
このような事態を避けるためにも、クラウドERPの拡張性にはしっかりと注目しておくことが求められます。拡張性の低いクラウドERPを選んでしまうと、会社の業務に適したシステムを導入することができず、かえって業務を妨げる原因にもなりまねません。
また、特殊な業務が発生している会社ほど、その業務に対応できるのが会社の強みである、という場合もあるものです。システムの導入で会社の強みが失われてしまうようでは、本末転倒です。
そのため、クラウドERPを選ぶ際には自社の業務に最適化させられるほどの拡張性があるかどうかにも、注意しておくのが良いでしょう。
おすすめのクラウドERP3選
最後に、多くの企業で導入されているおすすめのクラウドERPについてもご紹介しておきます。
SAP Business One
世界最大級のERP企業であるSAPは、SAP Business Oneという中小企業向けのサービスを展開しています。
少人数での活用に最適化されたマネジメントシステムを備えており、SAPならではの洗練されたインターフェースやプラットフォームを利用できます。
通常は大企業向けに提供されているSAPのERPですが、こちらはクラウド形式で、中小企業でも導入しやすいよう設計されているのが魅力です。
公式サイト:https://www.sap.com/japan/products/business-one.html?btp=011cc41b-1761-4796-9635-628e4d174b23
Oracle NetSuite クラウドERP
オラクルが提供するNetSuiteは、クラウド上でERPを効率よく提供することで、迅速なイノベーションを促し、効率的な行動を社員や企業に促せるソリューションです。
機能拡張が非常に簡単に行えるため、自社に最適化したシステムを迅速に導入したい場合にはありがたいサービスです。
公式サイト:https://www.netsuite.co.jp/products/erp.shtml
ZAC
組織丸ごとではなく、プロジェクト単位でのマネジメント業務の効率化に力を入れているのが、オロのZACというクラウドERPです。
ベンチャー企業から上場企業まで、750を超える導入実績を持っており、数々のプロジェクトに適用されてきました。
経営管理や商慣行、機能要件に最適化したソリューションを提供し、業種特化で自社機能の強化に努めることができます。
公式サイト:https://www.oro.com/zac/
おわりに
クラウドERPには様々な製品があり、どれか一つを選ぶためにはある程度の知識が必要です。
選び方のポイントを確認しながら、自社の課題を確認し、機能とすり合わせるようにして製品を選ぶのが良いでしょう。