ライブ配信を支えるAdobeのライブ配信プロトコル「RTMP」2020サポート終了

ライブ配信サービスはWebサービスにおけるトレンドの1つとなっていますが、こういったサービスを支えているのがライブ配信向けプロトコルの存在です。

Adobeが提供するRTMPはライブ配信に強い通信プロトコルの一種で、遅延が少ないことから幅広い人気を誇ります。

今回はそんなRTMPについての特徴や、対応しているストリーミングサーバーをご紹介していきます。

Adobeのライブ配信プロトコル「RTMP」の特徴とは

Adobeのライブ配信プロトコル「RTMP」の特徴とは

RTMP(Real Time Messaging Protocol)の概要

RTMPはReal Time Messaging Protocolの略称で、リアルタイムでの通信をサポートしてくれる役割を果たします。

Adobeが開発した通信プロトコル

RTMPを開発したのはPhotoshopやillustratorでおなじみのAdobe Systems(アドビシステムズ)です。

そのこともあり、RTMPはAdobe Flash Playerを前提とした運用が想定され、映像や音声といった容量の大きなデータであってもリアルタイムの配信が可能です。

Adobeが開発した通信プロトコル

Adobeが開発した通信プロトコル

RTMP Specification 1.0 (PDF 65.3 KB)

RTMPにはいくつかのタイプが存在しています。

通常のRTMPに加え、SSLで暗号化されたRTMPSや、コンテンツ保護を目的とするPrimetime DRMがかけられたpRTMPなど、その種類は豊富です。

目的に応じた使い分けで、幅広いサービスを提供することができるのは、RTMPの特徴の1つです。

HTTPとの違い

ライブ配信を可能にするプロトコルには、RTMP以外にもHLSやMPEG-DASHなど、いくつかの種類が存在します。

いずれもポピュラーなプロトコルではありますが、RTMPが後者の2つと異なる点として、HTTPベースではないという点が挙げられます。

そのため、Webサーバー上でそのまま映像の配信が行うことができず、新たに専用のサーバーを設ける必要があります。

しかしながら、RTMPにはHTTPに対してアドバンテージもあります。それは遅延に関する優位性です。

HTTPの場合、コンテンツの配信にはクライアント側のリクエストを継続的に行うことでストリーミングを行います。

この方法の場合、サーバーはクライアントのリクエストに応えながら動画データを送信しなければならず、遅延の原因となります。

一方、RTMPは常にクライアントと持続的に接続した状態を維持しているため、サーバー側の都合を優先してデータの配信を行うことができます。

その結果、RTMPを利用する際には遅延の発生を回避することができるのです。

RTMPはライブ配信に強い通信プロトコルの一種で、遅延が少ないことから幅広い人気を誇ります。

RTMPはライブ配信に強い通信プロトコルの一種で、遅延が少ないことから幅広い人気を誇ります。

RTMP対応のストリーミングサーバー

RTMPの利用には専用のサーバーが必要となります。代表的なストリーミングサーバーとしては、以下の2つが挙げられます。

Adobe Media Server

1つ目は、Adobeが独自に開発したAdobe Media Serverです。

RTMP対応のサーバーとしては最もポピュラーで、なおかつ機能性にも優れているのが特徴です。

Adobe Media Serever公式https://www.adobe.com/jp/products/adobe-media-server-family.html

Wowza Media Server

Adobeのメディアサーバーをベースにして開発されたWowzaは、やはりRTMPとの互換性も有しており、汎用性の高さで知名度のあるサービスです。

利用料金も比較的リーズナブルであることから、こちらも多くの企業で導入されている実績を持っています。

Wowza Media Server work-flow

Wowza Media Server work-flow

Wowza Media Server公式https://www.wowza.com/

RTMPの強みと課題

RTMPの低遅延がもたらしてくれる恩恵、そしてRTMPが抱える課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

低遅延のライブ配信で顧客満足度向上を目指す

RTMPの低遅延という強みは、ライブ配信サービスにおいては非常に大きなメリットとなっています。

通常のストリーミングサービスの場合、一方的にサーバーがコンテンツを配信するだけであれば、配信にタイムラグがあっても大きな問題とはなりません。

しかし、これがビデオ通話などのWebサービスとなると、話は大きく異なります。

リアルタイムのコミュニケーションを補助するはずのライブ配信サービスが、遅延によってワンテンポ遅れた会話しかできないとなると、顧客体験に悪影響を及ぼします。

RTMPでは、こういった遅延による顧客満足度の低下リスクが非常に小さいのが魅力で、競合のサービスとの差別化へ大いに貢献してくれます。

2020年でサポートは終了

遅延の小ささが魅力のRTMPですが、利用にあたっては注意しておかなければならない点もあります。

それは、2020年末でAdobeはRTMPのサポートを終了してしまうという点です。

Adobeは以前からFlashのサポートを2020年で終了する旨をアナウンスしてきました。

RTMPはFlashを前提とするプロトコルであるため、必然的にこちらもサポートの対象外となる、というわけです。

サポートの対象外となってしまうと、セキュリティや運用面においてリスクが大きくなってしまいます。

HTTPベースのプロトコルへの移行が求められているため、新規にRTMPを利用するのはあまり得策とは言えないのです。

おわりに

RTMPは低遅延を実現するためのリーズナブルな手段として、Flashをベースに多くの企業で導入されてきたプロトコルです。

しかしながら、Flashのサポート終了とともに、RTMPの運用については見直しが求められる時期にさしかかっています。

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