Meta Quest Proにはどんな違いがあるのか?スペックや運用方法について解説

VR市場の活性化により、大きな注目を集めるようになったのがVRデバイスです。VR技術の進化は著しく、ハードウェアの性能が大きく向上したことで、従来とは異なる体験が得られるような進歩が見られます。

Meta Quest Proにはどんな違いがあるのか?スペックや運用方法について解説

この記事ではMetaが2022年より新たに販売を開始したハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」について、従来モデルとの違いや具体的な運用方法を解説します。

Meta Quest Proとは

Meta Quest Proは、2022年10月に旧FacebookのMetaが日本で販売を開始した、最新のVRヘッドセットです。これまでMeta Questシリーズを展開してきた同社ですが、従来のモデルと大きく異なるのは、Meta Quest Proが高価格なハイエンドモデルとして販売されている点です。

VRは数あるハイテクの中でも最新の技術として知られており、まだまだ一般への普及は進んでいない領域です。VRデバイスはMeta以外の企業からも提供されてきましたが、その多くは比較的価格は抑えめの、コストパフォーマンスに優れる製品となっていました。

これは、少しでも手に取りやすい価格に設定することで、多くの人にVRを知ってもらおうという狙いがあったからにほかなりません。Meta Questシリーズも例外ではなく、価格は5万円前後と他社の製品よりもやや高価ではあるものの、それでも手が届かないものではありませんでした。

しかし、今回販売されたMeta Quest Proは最低価格のモデルでも22万円を超えるなど、従来モデルよりも3〜5倍の価格で販売されており、一線を画すモデルであるとして注目を集めています。

Meta Quest 2 と Meta Quest Pro
Meta Quest 2 と Meta Quest Pro

ハード部分の特徴

Meta Quest Proは、まずハードウェアの外観や性能において従来のMeta Quest Seriesとは大きく異なる様子がうかがえます。

本体カラーは従来のホワイトからブラックへと変わり、シリーズ内での差別化に努めていることがわかります。ヘッドセットの正面部分は従来モデルよりも明らかに薄型になっており、VRデバイスの不便な点でもあった、頭の前面の不自然な出っ張りが解消されています。

ただスリムになっただけでなく、アンバランスな頭部への負担が解消され、長時間の使用にも耐えうるデバイスになったと言えるでしょう。

また、装着した際の疲労感軽減を実現すべく、頭頂部の支えが強化されている点も大きな変化です。顔面に直接接着しなくともデバイスを正しい位置で保持できる機構になっているので、重さが従来モデルに比べて負担になりにくいものとなっています。

バッテリーの連続駆動時間は2時間を目安に設定されており、無理なく連続で使い続けられるちょうど良い時間設定であるとも言えます。

充電に際しては専用の充電ドックが付属しているので、コントローラーと一緒に充電を行えます。従来モデルはケーブルを直に繋いで行う必要がありましたが、Meta Quest Proではよりスマートなバッテリー管理ができます。

コントローラーについてはTruTouchハプティックフィードバックと、きめ細かなピンチ操作による微調整機能を備えており、従来製品よりも細かな動きをVR上で再現しやすく改善されている点も特徴です。

従来モデルのコントローラーでは検知ができなかった、後頭部の後ろに手を持っていくような動きも、Meta Quest Proであれば正確にトラッキングし、実際の画面に反映することができます。

また、Meta Quest Proのコントローラーはコントローラー単体で購入することも可能です。従来のMeta Questシリーズとも互換性があるため、コントローラーの精度を高めたい人は単体で購入するだけでも、大幅なハードウェアのアップデートが期待できます。

ソフト部分の特徴

続いては、ソフト面でのMeta Quest Proの特徴です。同デバイスは大きく分けて2つの視覚モードを備えており、一つ目がバーチャル空間を画面上に投影するモード、二つ目が現実世界をパススルーでレンズ越しに表示し、その上にバーチャルオブジェクトやUIを表示するモードです。

一つ目のモードは、いわゆる従来のVRデバイスと同じVRモードと言えます。VRに最適化された、新型のQualcomm Snapdragon XR2+プラットフォームを搭載することで、より快適なVR体験を実現しています。

二つ目のモードは、MR(複合現実)機能を扱えるものです。ARとVRの特徴を掛け合わせたMeta Quest ProのMR機能では、現実世界での生活や業務をサポートする、さまざまなオブジェクトの表示を実現しています。

Meta Quest Proは、他のVRヘッドセットとは異なりデバイスを装着した際、目の左右や下部が閉じられておらず、光が差し込んだり肉眼で周囲の様子が見える仕組みになっています。

これは軽量化や蒸れを軽減する役割を果たすと同時に、MR機能をより有効に、臨場感を持って活用するための仕組みであると言えます。

仮想空間ではなく、現実世界にARオブジェクトが表示されるので、遠近感などに違和感を覚えることなく高い実用性を持って利用ができるための工夫と言えるでしょう。

また、パススルー機能で表示される映像はカラーであるため、従来モデルのようにモノクロで使いづらい思いをすることもありません。

ただ、難点としては肝心の解像度では満足なレベルに達していない場合があることです。実際の運用レビューを参考にすると、パススルー機能を使った際の解像度は他のメーカーのVRデバイスの方が優れているという意見もあります。

参考:https://www.moguravr.com/meta-quest-pro-review/

この機能を使った景色が「肉眼と変わらない」といった体験を得られるわけではない点に注意しましょう。

とはいえ、その立体感については最新のVRデバイスということもあり、従来製品では到達できなかったレベルに達していることも事実です。肉体的に得られる経験としては違和感のないクオリティに達していることは安心できるポイントです。

Meta Quest Proの運用方法

Meta Quest Proは決して安い買い物ではありませんが、その導入効果は優れたものになることが期待できます。Meta Quest Proの主な運用方法は、以下の二つが挙げられます。

エンターテイメント

VRデバイスの現在の主な運用方法は、エンターテイメント目的です。Meta Quest Proも従来のVRデバイスと同様に運用することができ、ユーザーのVR体験価値を高められるポテンシャルを秘めています。

エンタメとしてのVRは、ハードよりもソフトのクオリティの高さが体験価値を大きく左右するので、Meta Quest Proによって「VRがとても面白いものになる」という大幅な変化が得られるわけではありません。

ただ、装着した際のストレスが大幅に軽減されているので、不快感を覚えることなく長時間コンテンツに触れて入れられるのは、大きなアップデートと言えます。また、Meta Quest Proはコントローラーの性能が大きく向上しているので、従来では難しかった仮想空間内でのパフォーマンスが得られ、体験価値の向上に貢献します。

ビジネス

Meta Quest Proが最も注目されているのは、ビジネス領域での活躍です。特にパススルー機能を使ったMR体験は、従来のVRやARよりもより優れた実用性が期待でき、ハイテクを必要とする現場での積極的な導入が求められます。

建設現場では仕様書や点検箇所をデバイス上に表示し、紙やスマホを見ながらでなくとも直接作業しながら確認ができます。

また、デバイスを装着しながら周囲の様子を確認できるなど、現実世界と完全に切り離されたデバイスではないため、対面コミュニケーションを犠牲にする心配もありません。業務の都合から、何度もデバイスを装着したり外したりする必要もなくなるので、ストレスフリーの働き方にも貢献できる製品です。

こういった実用面での特徴を考えると、パススルー機能の画質の粗さなどはそこまで問題にならないとも言えるでしょう。

Meta Quest Proの購入を検討する際のポイント

Meta Quest Proの購入を検討するにあたって、ポイントとなるのがやはりその価格です。Meta Quest Proは初期のVRヘッドセットよりも安くなったとはいえ、近年の5万円台の製品よりははるかに高額であることには変わりません。

そのため、Meta Quest Proを業務用に導入したい場合、業務で運用するに足る数を揃えるのに予算が必要になる問題をクリアする必要があります。

また、Meta Quest ProはVR特化デバイスというよりも、VRとMRの両方を運用でき、後者の使用感向上に力を入れているデバイスと言えます。

業務でVRを主に使用したいと考えている場合は、従来モデルのMeta Quest 2や他のメーカーのモデルを購入した方が現状ではコストや性能面でより成果が期待できることもあるでしょう。

まとめ

Meta Quest Proは、優れたパフォーマンスを発揮するVR・MRデバイスとしての成果が期待されています。価格こそ従来モデルより高額ですが、その分本体のスマート化や機能強化が進み、価格にふさわしい働きが得られます。 またビジネス目的での導入を考えている場合、従来モデルのデバイスを購入した方が目的に適っている可能性もあります。用途に応じて最適なデバイスを導入すると良いでしょう。

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