CloudCompareはGPLライセンスで使えるオープンソースの点群処理ソフトです。
本記事執筆2024年1月時点で公式が提供している最新のバージョンは、2.12.4 (2022/7/14)になります。また2.12.4バージョンは、日本語への変更も可能です。
この記事ではCloudCompareでどのようなことができるのか、また簡単な操作方法をまとめました。参考にしてください。
Cloud Compareとは?
<引用画像:YouTube 防災テクノロジー研究所>
Cloud Compareはフランスの開発者Daniel Girardeau-Montautが開発したPointCloudデータ編集可能ソフトです。
無料でPointCloudデータ(点群データ)の編集をすることができます。
CloudCompareは公式サイトよりインストーラーを提供しています。
▼公式サイト Cloud Compare
http://www.danielgm.net/cc/
Cloud Compareでどんなことができるのか?
CloudCompareでは、次のようなことができます。
- レジストレーション(バウンディングボックスマッチング、マニュアル、2点指示、ICP)
- 比較(点群-点群 / 点群-CAD)
- 点群を構成するポイントの座標表示
- 点群の間引き(Sub Sampling)
- 曲率(Curvature)の検出
- 曲率を加味した点群の間引き
- メッシュ作成(ドロネー計算)
- メッシュのスムージング
- メッシュの細密化
- メッシュの計測
- メッシュから体積の計算
(引用:BricsCAD建設部)
Cloud Compareの使い方 基本操作
<引用画像:PointCloudConsortium>
ここからCloudCompareの基本的な使い方について解説します。
●ファイルの読み込み・書き出し
CloudCompareのファイル形式をまとめました。
ファイル形式
- 点群データ
- ASC/PTS、LAS/LAZ、E57、PTX、PCD、 Faro、DP、Riegl
- 三角メッシュ
- PLY, OBJ, STL, OFF, FBX * 専用フォーマット: BIN
- 作業状況の保存(プロジェクト)
- その他のフォーマット
- SfM (Bundler .OUT、Photoscan .psx(future))
- CAO (Autocad DXF、 Aveva PDMS)
- GIS (Shapefile SHP)
- Polylines (SALOME hydro、SinusX、 etc.)
インポート(読み込み)手順
手順①「File」をクリック
手順②「Open」をクリック
手順③読み込むファイルを選択
エクスポート(書き出し)手順
手順①「File」をクリック
手順②「Save」をクリック
手順③保存先を指定
(表)インポート・エクスポート可能な3Dデータ
インポート可能な3Dデータ | エクスポート可能な3Dデータ |
*.bin(CloudCompare) *.txt.asc.neu.xyz.pts.csv(ASCII) *.lass.laz *.e57 *.ptx *.ply *.obj *.vtk *.stl *.off *.fbx *.dxf *.shp *.pdms.pdmsmac.mac *.out 各imageファイル *.pn *.pv *.dxf *.soi *.pov *.icm *.georef *.sx *.csv *.dp *.pcd | *.bin(CloudCompare) *.txt.asc.neu.xyz.pts.csv(ASCII) *.lass.laz *.e57 *.ply *.vtk *.shp *.pn *.pv *.pov *.pcd |
表から分かる通り、エクスポート機能ではCAD系のデータ形式(*.obj、*.dxf、*.stl)の書き出しができないので、使用する際には注意しましょう。
●表示の調整方法
左マウスドラッグ … モデルの回転
右マウスドラッグ … 平面移動
マウスホイール(Shift + マウスドラッグ) … ズーム
Ctrl + 右マウスドラッグ … 光源のみ平行移動
●ビュー設定
カメラ設定
全体表示
回転センター位置を指定
オブジェクトの点群3点を選択して回転
ビューのパース設定(平行投影、透視投影)
回転軸の表示設定(常に表示、動作時のみ表示、常に非表示)
オブジェクトを画面中心に表示
ビューの向き設定(正面、背面、上面、底面、左右面、正面斜視、背面斜視)
●点群データ編集時によく使用する機能
ツール画面上部のアイコンで点群データの編集ができます。
サンプルデータ([LAS] 都庁前駅 地下3階(ホーム階) 3D点群データ)
Clone
オブジェクトの複製を作る機能
Merge multiple clouds
複数のオブジェクトを統合する機能
Sub Sample a point cloud
点群データの間引き(ダウンサンプリング)を行う機能
Segment
不要の点群データの切り取り、削除を行う機能
Translate/rotate
オブジェクトの回転・移動を行う機能
Cloud Compareによる点群メッシュ化
この章では、CloudCompareを使って点群データをメッシュ化していきます。
メッシュ化前の準備
手順①編集をクリックする。
手順②法線を選択する。
手順③演算を選択する。
設定値はデフォルトのまま。
計算されると点群に陰影がついたようになります。
メッシュ化
手順①プラグイン(Plugins)をクリックする。
手順②PoissonReconをクリックする。
手順③OKをクリックする。
設定値をデフォルトのまま。
計算が完了すると点群にメッシュが貼られます。
まとめ
いかがでしたか?この記事ではCloudCompareでどのようなことができるのかをまとめました。
CloudCompareは無料で多くの機能を備えており、点群データを編集するうえでとても便利なツールです。
点群データを編集できるツールはCloudCompare以外にもありますが、無料でここまでの機能を備えているツールは少ないでしょう。
しかしCloudCompareのみで作業が完結するのは難しいと思うので、MeshLabなどのツールと併用してデータを制作していくといいでしょう。
またツールを複数用意するのが難しい、データの制作に自信がない場合もあると思います。
ONETECHでは3Dデータの制作に対応しています。過去の実績を下記URLページにまとめました。
▼点群データを使った実績
Point cloud(点群データ)をUnityに取り込む方法 ONETECH
▼3Dデータ制作実績
メタバースでのショッピングのための自動車CG制作 | ONETECH開発実績
住宅、マンション3Dシミュレーション「HOUSE DECOR」追加改修 (onetech.jp)
3Dデータの制作・取り扱いでお困りのことがありましたら、ぜひONETECH にご相談ください。 ほかにもONETECHはベトナムオフショア開発で受託開発も請け負っております。幅広い分野で開発してきた実績がありますので、ソフトウェア開発のご相談はぜひOne Technology Japanへお気軽にお問い合わせください。
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