投げ銭とは?導入する仕組みや企業が利用するメリット・注意点も紹介

企業が提供する動画サービスに投げ銭機能を搭載すべきか悩んでいる人もいるはずです。また、今このタイミングで投げ銭機能を導入してよいものか迷っている方もいるでしょう。

この記事では、企業が投げ銭を導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、導入時の注意点や導入事例も紹介しているので、新たなシステム導入の参考にしてみてください。

ライブストリーミング配信で利用される「投げ銭」とは?

投げ銭とは、特定のユーザーに対しお金を投げることです。例えば路上パフォーマーの人にお金を渡すようなイメージのオンライン版というイメージが分かりやすいでしょう。

また投げ銭には「この人を評価したい」「もっと活動の幅を広げてもらいたい」といった応援の意味を込めて実施できるのが特徴です。ライブストリーマーは、運営者に支払う手数料を差し引いた金額だけ投げ銭のお金を獲得できます。

動画配信サービスを提供する企業、そして配信者や視聴者にとってWin-Winな関係を作り出せる機能が「投げ銭」なのです。

投げ銭が生まれた背景

投げ銭が生まれた背景には、国民のオンライン利用率増加があります。

例えば総務省が公開する「令和3年情報通信白書」によると、インターネットとのつながりを加速させたスマートフォンが普及した2011~2014年以降、スマートフォンといったデバイスを用いてインターネットに接続するユーザー数が爆発的に増加したことが分かっています。

特に10代、20代の増加傾向が高く、手軽にライブストリーマーとつながることができる環境が整っています。その影響もあり、次第に応援できる仕組みが生まれていったのです。

投げ銭の必要性

投げ銭の必要性を理解していただくために、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが公開する「ライブ配信サービス(投げ銭等)の動向整理」資料を一部抜粋しました。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ライブ配信サービス(投げ銭等)の動向整理」
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ライブ配信サービス(投げ銭等)の動向整理」

上記資料によると、中国にある動画配信サービスを提供するYY INC.では、インターネットの普及に伴い、ライブストリーミングの需要・売上が増加傾向にあるという調査結果が出ています。

出典:消費者庁「令和4年消費者白書」
出典:消費者庁「令和4年消費者白書」

また消費者庁が公開する「令和4年消費者白書」によると、1回の投げ銭の金額は500円以下が多いものの、中には10万円近い金額を出すユーザーもいると分かっています。膨大なユーザーが投げ銭を行っていることから、今や投げ銭は大規模市場として成長を続けているのです。

ONETECHでは、動画配信サービスの構築および投げ銭機能の追加サポートを提供しています。詳しくは以下の実績ページで解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

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投げ銭の仕組み

投げ銭は、ライブストリーミング画面のコメント欄に「投げ銭」ボタンを設置するのが一般的です。視聴ユーザーは投げ銭ボタンをクリック(タップ)して、ストリーマーに渡したい金額を任意で設定します。

投げ銭されたお金は、ストリーマーの管理画面に貯まっていき、銀行などへの出金が行われたタイミングで手数料を差し引くのが特徴です。シンプルかつ収益性の高い仕組みであることから、現在多くの動画配信サービスで投げ銭機能が採用されています。

企業が投げ銭を導入する2つのメリット

企業が運営する動画配信サービスに、投げ銭を導入すべきか迷っている方もいるはずです。

参考として、投げ銭を導入するメリットを2つ紹介します。なぜ投げ銭を導入すべきなのか参考にしてみてください。

①収益化できる

投げ銭機能を導入すれば、ストリーマーが受け取った金額の一部を、手数料として企業の収益にできるのがメリットです。参考としてサービス別の投げ銭の手数料を以下に整理しました。

サービス名企業が獲得する手数料
YouTube総計35~40%
17LIVE(イチナナ)総計70~85%

上記からも分かるように、現在は企業側に有利な手数料が設定されています。例えば、手数料が40%かかる場合に、10万円の投げ銭をもらったストリーマーが出金する際には、4万円分の収益が生まれるイメージです。

ストリーマーの人数、そして視聴者数の多いサービスであるほど収益性が高くなります。企業サービスの成長につながる便利な機能だと知っておきましょう。

②オンライン化の流れを活用できる

スマートフォンの普及によって世界中の誰でも動画配信を視聴できるようになりました。しかし、投げ銭機能を搭載しているサービスはそのうちの一部だけです。投げ銭機能を導入していないサービスも多いため、競合他社との差を生み出したいときに投げ銭機能が役立つでしょう。

またオンライン化の流れに合わせて、現在ストリーマーはより良いサービスを求めて配信元を移動しています。収益を生み出す配信者の獲得チャンスがあるほか、既存ユーザーに新たなサービスを提供できるため、現代のオンライン化の流れを活用できる取り組みとして有効活用できるのが魅力です。

企業が投げ銭を導入する2つのデメリット

投げ銭は現代に合った便利な機能です。しかし、デメリットも存在します。

良い点・悪い点を正しく理解したうえで投げ銭の導入を検討するために、ぜひデメリットの情報もチェックしておきましょう。

①投げ銭自体に悪いイメージを持つ視聴者がいる

投げ銭は、視聴ユーザーのお金を動かす機能ですので、収益化目的という部分に悪いイメージを持ってしまうユーザーがいます。

これは動画配信サービスを利用するユーザーの傾向によって異なりますが、一部のユーザーから批判される恐れもあるでしょう。サービスを離脱するユーザーも出てくるため、投げ銭導入は将来を見越した入念な検討が必要不可欠です。

②企業のブランディングに影響する場合がある

投げ銭機能の「手数料」「使いやすさ」が、ストリーマー・視聴ユーザーのニーズに合っていないと、批判を呼び企業のブランディングに影響を及ぼす恐れがあります。

例えば、高額すぎる手数料、投げ銭の下限額が高額すぎるというように抵抗感を与える機能はNGです。どのような数値にすべきなのか他サービスと比較しつつ、ストリーマー・視聴ユーザーが納得する金額を検討してみてください。

企業は投げ銭を導入する際の注意点

自社提供の動画配信サービスに投げ銭機能を搭載したいのなら、こちらで紹介する3つの注意点を理解して導入をスタートしましょう。

①払い戻し対応の設定を用意する

投げ銭機能を導入する際には、必ず「払い戻し」の設定を用意してください。なぜなら、視聴ユーザーが誤って投げ銭してしまうケースがあるからです。

動画を視聴していると、その場の雰囲気に流されて投げ銭してしまうユーザーもいます。ただし後から投げ銭したことを後悔してしまう人も大勢いるため、期限を設けて払い戻しできるように設定しておきましょう。

②投げ銭に対する還元サービスを用意する

投げ銭機能を設けるのなら「投げ銭への還元サービス」を用意しておくと便利です。例えば次のような還元サービスを用意しておけば、視聴ユーザーの離脱率を防止しやすくなります。

  • ポイント付与サービス
  • 限定機能・アイテムの付与

クラウドファンディングのようなシステムにしておけば、視聴ユーザーはただお金を渡すだけでなく、それに対する還元を楽しめます。ユーザー維持に重要なポイントですので、準備してみてはいかがでしょうか。

③手数料を考慮する

投げ銭の手数料を高く設定しすぎると、ストリーマーがサービスから離れてしまう恐れがあります。高額な手数料は、ストリーマー・視聴ユーザーにとって大きな負担となってしまうため、ユーザーに還元できる割合に設定しましょう。

投げ銭機能の導入事例

最後に、投げ銭機能が搭載された有名サービスを3つ紹介します。機能の特徴を整理しているので、ぜひ参考にしてみてください。

①YouTubeのスーパーチャット

Googleが提供するYouTubeでは、スーパーチャットと呼ばれる投げ銭機能が搭載されています。

スーパーチャットでは、1日に最大5万円まで投げ銭できるのが特徴です。最低金額も100円からと低額なので、視聴ユーザーは無理なく投げ銭を続けられます。

②Instagramのバッジ

Instagramのライブで利用できるバッジも投げ銭機能のひとつです。バッジの金額は以下の3種類が用意されています。

  • 120円
  • 250円
  • 610円

またInstagramでは、現時点で出金時の手数料を徴収していません。バッジとして送られた金額がすべてストリーマーに還元される仕組みが採用されています。

③17LIVEのギフト

若年層のユーザーに人気のある17LIVEでは、ギフトという名前で投げ銭機能が搭載されています。ギフトを贈る際には、ベビーコインという仮想コインに換金して投げ銭を行うのが特徴です。

また換金したベビーコインを使っておしゃれなアイコン付きのギフトをプレゼントできるのが魅力です。デザイン豊富なギフトが何十種類も用意されているので、視聴ユーザーも楽しみながら投げ銭できます。

「投げ銭」機能のあるONETECH開発事例

ONETECHは投げ銭機能のあるライブ配信サイトの構築運用実績がございます。AWSクラウドで構築しています。

音楽やオーケストラのライブ配信やオンライン教育を始めとして、エンターテインメント業界ではD2C(Direct to Consumer)の流れが加速しています。音楽系アーティストのライブ動画配信プラットフォームの事例や教育分野でのコンテンツ配信プラットフォームの事例、YOUTUBEやニコニコ動画に代わる自社配信サイトの開発した事例です。

会員限定ライブ動画配信のプラットフォームシステムのサイトリニューアル開発の紹介です。 音楽系のライブ配信とアーカイブ配信を会員限定に配信可能 配信プラットフォームとして配信者は簡単に配信が行えます。

おわりに

動画配信サービスのライブに搭載されている「投げ銭」は、視聴ユーザーとストリーマーをつなげる重要な機能です。また、運営するサービスの収益化としても効果を発揮します。このとき「サービスの構築方法が分からない」「既存サービスに追加したい」と考える方もいるはずです。

もし、投げ銭機能を構築・追加したいのなら、ぜひONETECHにご相談ください。ONETECHでは、AWSを活用したシステム・サービス構築を提供しています。気になること、不安なことをお気軽にご相談ください。

ベトナムオフショア開発会社 ONETECHはAWSセレクトティアパートナー

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