DX推進の中で日本のIT人材不足が深刻化しています。オフショア開発の新たな選択としてベトナムが注目される中、その中からも信頼性と技術力を兼ね備えた企業の選定は重要。本記事では、高品質なサービスとAWSとの強固な連携を持つベトナムのオフショア開発パートナー5社を厳選して紹介します。
日本のDX推進とIT人材不足の現状
近年、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速しています。国内の競争力を高め、グローバル市場でのシェアを確保するために、デジタル技術の導入や業務プロセスの最適化が急募されています。しかし、このDXの推進には一つの大きな課題が立ちはだかっています。それは、”IT人材不足”です。
経済産業省の調査によれば、日本のIT人材の需給ギャップは年々拡大しており、2025年には約79万人の不足が予想されています。この数字は、日本のIT産業の成長を大きく阻害する可能性があるだけでなく、DXの推進そのものにも影響を及ぼすと考えられます。多くの企業がデジタル化を進める中でのIT人材の不足は、新しい技術の導入やイノベーションの創出を遅らせる要因となっています。
さらに、最近の円安の傾向やベトナムにおけるエンジニア単価の上昇は、かつてのオフショア開発の大きなメリットであった「コストが安い」という点が薄れてきていることを示しています。例えば、オフショア開発.comの調査によると2020年とベトナム人プログラマーのオフショア単価は29.35万円でしたが40.22万円になっており2023年にはベトナムのエンジニアの平均単価が約37%上昇しているとのデータがあります。これにより、日本の企業は単なるコスト削減の観点から、より質の高いオフショア開発パートナーを選択する動きが強まっています。
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この状況を打破するために、多くの企業がオフショア開発や外国人IT技術者の採用を積極的に進めている現状がありますが、その選定基準も変わりつつあります。日本のDX推進の未来は、国内外のIT人材を如何に上手く活用していくかが鍵となるでしょう。
クラウド技術とAWSの役割
クラウド技術は、近年のITインフラストラクチャの進化における最も革命的な要素の一つとして浮上しています。従来、企業や個人は物理的なサーバーやデータセンターに依存していましたが、クラウド技術の導入により、必要なリソースをインターネット上から迅速かつ効率的に利用することが可能となりました。この変革は、ビジネスのスピードやアジリティを大きく向上させています。
中心的なクラウドサービスプロバイダの一つが「Amazon Web Services(AWS)」です。AWSは、2006年のサービス開始以来、クラウドコンピューティングの分野でのリーダーとしての地位を確立しました。AWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、分析、機械学習など、幅広いサービスを提供しており、これにより企業は従来のコストや時間の制約から解放され、イノベーションを加速させることができます。
AWSの役割は、単にインフラストラクチャを提供するだけではありません。彼らはクラウド技術の普及と発展を推進するための教育、パートナーシップ、オープンソースの貢献など、多岐にわたる活動を展開しています。このようにして、AWSは現代のデジタル変革の中核を成すクラウド技術の発展と普及に貢献しています。
ベトナムIT産業の急成長と日本市場への影響
ベトナムのIT産業は驚異的な成長を遂げています。安価な労働力、高い教育水準、政府によるITセクターへの投資促進策が、この急成長の背景となっています。特にソフトウェア開発やアウトソーシングの分野で、ベトナムは国際的な競争力を持つようになりました。
具体的な根拠として以下の点を挙げられます:
- 外資の流入: グローバル企業の多くがベトナムに開発拠点を設立しており、例として、SamsungやIntelがベトナムに巨大な生産・研究開発施設を持っています。
- 教育の質: ベトナムは毎年、数千人のIT関連の卒業生を輩出しており、国際的なプログラミングコンテストでのベトナム代表の好成績が、高い教育水準を示しています。
- 政府の支援: ベトナム政府はIT産業を国の成長の柱と位置づけ、特区や税制の優遇策を設けるなどの促進策を実施しています。
- 国際的な評価: 例として、GartnerやTholonsのランキングで、ベトナムの都市が「トップオフショアデスティネーション」の一つとして評価されています。
これらの要因が組み合わさり、ベトナムのIT産業は急速に国際的な競争力を増しているのです。
この急成長がもたらす最大の影響の一つは、日本市場におけるIT人材不足の解消である。日本の企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める中で、高度な技術力を持つベトナムのエンジニアとの連携を強化しています。また、ベトナムのスタートアップエコシステムの発展も、日本のベンチャーキャピタルや大手企業の投資の対象となっている。
ベトナムのIT産業の拡大は、日本市場に新たなビジネスチャンスとパートナーシップの機会をもたらしており、双方にとってのウィンウィンの関係が築かれつつあります。
ベトナムオフショア開発のメリットと課題
ベトナムのオフショア開発は近年、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。
メリット:
- コスト効果: ベトナムは高い技術力を持ちながら、労働コストが比較的安いことから、質の高い開発が低コストで可能です。
- 技術力: ベトナムのエンジニアは国際的な技術コンテストでの好成績など、高い技術力を持つことが知られています。
- 時差: 日本との時差が小さいため、コミュニケーションがスムーズに取れます。
課題:
- 品質のばらつき: 一部の企業では品質の確保が難しい場合があります。
- 文化や言語の障壁: 文化や言語の違いから、コミュニケーションに誤解や摩擦が生じることがある。
これらの課題に対処するため、AWSパートナーとして認定されたベトナムの企業を選択することは、品質と信頼性の確保に繋がります。AWSパートナー制度は、技術力やサービス品質を厳しく評価するものであり、これに認定された企業は高い技術力と信頼性を持つことが保証されています。従って、ベトナムのオフショア開発を検討する際、AWSパートナーの企業を選択することで、上記の課題を軽減することが可能となります。
AWSパートナーとは?その品質保証の秘密
AWSパートナーは、Amazon Web Services (AWS) の公式パートナーネットワーク (APN) に属する企業や個人を指します。このパートナーシップは、AWSとの緊密な連携を持ち、その技術やサービスを高度に利用・提供することを認定されている企業やプロフェッショナルに与えられます。
品質保証の秘密は以下の点に集約されます:
- 厳格な評価: AWSパートナーとして認定されるためには、技術的知識、実績、顧客の成功ケースなど、多岐にわたる要件を満たす必要があります。
- 継続的な教育: パートナーは常に最新のAWSサービスや技術についての研修を受けることが求められ、その知識を常に更新しています。
- 直接のサポート: AWSから直接サポートやリソースが提供されるため、パートナー企業は顧客に対して最高レベルのサービスを提供することができます。
これらの要因が組み合わさり、AWSパートナーは業界内での信頼性や品質を確保しています。そのため、AWSパートナーを選択することは、クラウドサービスの導入や利用において、高い技術力と安定性を期待できることを意味します。
https://aws.amazon.com/jp/partners/work-with-partners/
ベトナムの厳選!AWSパートナー企業5選の特色
ONETECH
2015年からWEB・XR開発に特化したベトナム拠点の企業。100社を超えるクライアントとの実績と、300件以上の成功プロジェクトを持つ。AWSを活用した高品質なソリューション、及び小から大規模のプロジェクト対応が特徴。
カオピーズ
2014年創業のベトナム・ハノイと東京に拠点を持つシステム開発会社。”Keep Innovating”をモットーに、最新IT技術と日本品質基準を両立。様々な業界のITシステム提供を実現。
Rikkeisoft Corporation
モバイル、ウェブ、AI、デジタルトランスフォーメーションなど多岐に渡る専門分野を持つ。特にAWSクラウドを活用したインフラストラクチャとサービスに重点。
GMO-Z.com RUNSYSTEM
AWSクラウドを活用したシステムの設計、展開、運用のソリューションと技術コンサルティングを提供。システムのバックアップや移行のサポートも実施。
コウェル
AWSの全面的なサービスを提供する企業。ワンストップでのインフラとアプリケーション提供が特徴。日本とベトナムに合計480名以上のエンジニアを擁し、AWSとMagentoの統合にも注力。
これらの企業は、AWSパートナーとしての資格を持ちながら、それぞれ異なる強みや特色を有しています。ベトナムのオフショア開発を検討する際の選択肢として、これらの企業は非常に魅力的です。
まとめ
ベトナムは近年、オフショア開発の先進国として頭角を現しています。特に、AWSとの連携を持つパートナー企業は、その高品質なサービスと技術力で注目を集めています。本記事で取り上げた5社、ONETECH、カオピーズ、Rikkeisoft Corporation、GMO-Z.com RUNSYSTEM、コウェルは、それぞれ異なる強みと経験を持ちながら、共通してAWSの技術を最前線で活用しています。日本企業がオフショア開発を検討する際、これらの企業は間違いなく検討する価値がある選択肢と言えるでしょう。