現場作業が発生する製造業や建設業において、正確な指示を作業員へ本部から送信したり、迅速な情報共有を推進するシステムは重要な役割を果たします。そして、そんなリモート作業の支援を促進するのが、スマートグラスなどを活用したMRやARのシステムです。今回はMR・ARで遠隔作業を支援するリモートシステムを、5つほどご紹介します。
IDEye
IDEye(アイディアイ)はスマートグラスを活用し、現場から離れた場所から作業員へ指示を提供し、円滑なプロジェクトの遂行を促進する遠隔作業支援システムです。
現場をマネジメントする監督が複数のプロジェクトを担当している場合、遠隔地の現場へ直接赴くことは大きな負担となりかねません。
そこでIDEyeを活用することで、リモートから正確な指示を送れる環境を実現してくれます。
IDEyeの利用は、QRコードの読み取りだけでシステムを起動できる点が魅力的です。通常のシステムはIDとパスワードの入力が求められますが、安全グローブなどを使用しながらこれらの入力を行うのは難しく、時間も要するのでストレスの原因となります。
QR読み取りだけでIDEyeはシステムを利用できるため、スムーズな作業の開始を推進してくれます。
また、これまでスマートグラスや遠隔作業支援システムを使ったことがない人も想定した設計になっている点も特徴です。シンプルなインターフェースで簡潔な利用を促進し、現場で混乱が生まれるリスクを最小化してくれます。
公式サイト:https://ideye.jp/
Optimal Second Sight
Optimal Second Sightは、スマートグラスでの運用はもちろんのこと、タブレットやスマホからのアクセスにも対応し、様々な環境で利用することを想定したシステムです。
現場のスマートグラス装着者からの映像に対して、管理者は直接映像に手書き入力や音声指示をリアルタイムで送ることにより、まるで隣でアドバイスを送るかのような具体性をもたらせます。
移動アドバイスもナビゲーションで送信できるため、視覚的な作業員への情報共有も実現しています。
もちろん、オペレーターもマルチデバイス運用が可能なため、オフィスでの業務遂行はもちろん、リモートワーク環境においても最適のシステムとなっています。
公式サイト:https://www.optim.co.jp/remote/secondsight/
VistaFinder Mx
KDDIが提供するVistaFinder Mxは、ARを活用したリアルタイム映像伝送システム
によって、現場作業の業務効率化を推進してくれるサービスです。
KDDI総合研究所が開発した高速処理が可能なストリーム暗号方式の「Kcipher-2」を採用し、セキュリティ対策と利便性の両立に成功しているのが特徴です。
ハンズフリーでの運用はもちろんのこと、ARを活用した奥行きのある、直感的な指示を実現したことで、あらゆるケースに対応可能なシステムを提供しています。
建設現場作業や、設備の保守点検、災害時の遠隔サポートなど、様々なシーンでの活躍ができるため、日常的に備えておきたいシステムとして活躍するでしょう。
また、クラウド型遠隔作業支援システム「VistaFinder Mx Cloud」の活用によって、コストパフォーマンスと利便性の向上にも期待できます。
公式サイト:https://kddi-tech.com/vistafinder.html
アイちゃん
遠隔作業支援と録画システムを提供するアイちゃんは、話す、見る、録画するの3機能に特化し、スムーズなリモート支援を実現してくれます。
現場作業者と遠隔地のオペレーターは、Wi-Fiまたは4G回線での接続となります。インターネット環境がない場合でも、4G回線を使って情報共有が可能となるため、僻地であっても機能するサービスと言えます。
ライブ映像を通じた本部への情報送信とアドバイスの提供はもちろんのこと、現場の映像を録画しておくのにも使えるのが魅力です。
現場作業のエビデンスを保存するのに役立ちますし、熟練技術者のスキルを映像に収め、ノウハウを共有する際の教材として活用するのにも使えるでしょう。
また、録画映像から現場のパフォーマンス評価を会議などで行い、適切なフィードバックを提供するのにも役立ちます。
公式サイト:https://www.oita-apc.co.jp/introduction/products/apc-aichan/
NTTデータが開発したInfoMesh Visual Navigator®は、スマートグラスによる完全ハンズフリー環境を実現した遠隔作業支援システムです。
現場作業員、オペレーター、そして監督者の3者がリアルタイムで繋がりあえるネットワークを構築できるため、合理的なコミュニケーション環境が実現できるでしょう。
スマートグラスによるジャイロコントロールや、ジェスチャーによる操作も可能なため、両手が塞がっていても、ちょっとした体の挙動でグラスを動かせるようになっています。
一人でいくつもの業務を遂行できるようになるため、現場の省人化にも役立ってくれます。
タスク管理のためのToDoリストなどもグラスやスマートフォンに表示して作業を進められるため、何度も事務所に戻ったり、うっかりタスクを忘れてしまうリスクもないのが嬉しいポイントです。
公式サイト:https://www.newson.co.jp/service/dx/ivn/
I弊社がベトナムで開発したホロレンズ遠隔支援アプリ
バージョンアップ、デジタルツインの活用:Microsoft HoloLens2(ホロレンズ2) 遠隔支援MRアプリデモ
デジタルツインの活用として、本アプリは作業者と遠隔地にいるエキスパートとリアルタイムで作業の状況を共有することができます。今回のアップデートでARマニュアル機能と、セブンセグメントのデジタル数値を認識する機能をアップデートしました。ONETECHがベトナムオフショアで開発しました。
おわりに
遠隔作業支援システムは様々な企業から販売されており、異なる特徴や用途を備えています。自社の現場にあったシステムを選び、有効に活用しましょう。