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AR/VR/MRアプリ開発

ARKit6でどんなことができるようになった のか?

Nguyen Duong

15/03/2024

ARKit 6は、Appleが提供するiOS/iPadOS向けの高度なAR(拡張現実)開発フレームワークです。4K HDR動画のキャプチャ、EXIFデータの取得、動作認識・平面検出の精度向上、日本の主要都市に対応したLocation Anchors、そして部屋の3Dモデルを自動生成する「RoomPlan」機能などが新たに追加されました。

最新バージョン「ARKit 6」の概要とARKitの進化

ARKit 6は、iOS 16に対応したAppleの最新ARフレームワークであり、カメラやセンサーを活用した高精度な空間認識を実現します。従来のARKit 3やARKit 4で導入された機能がさらに洗練されています。

最新バージョンARKit6とは?

ARKitは、iPhoneやiPadの各種センサー(LiDARスキャナ、TrueDepthカメラ、慣性計測装置など)を組み合わせて、現実空間におけるデバイスの位置や周囲の環境を認識する技術です。ARKit 3で登場した「People Occlusion(人物によるARオブジェクトの遮蔽)」や「People Motion Capture(人物の動作検出)」、「フロント・バックカメラの同時利用」などの機能は、ARKit 6において処理精度と追従の安定性が大きく向上しました。

特に、iPad ProやiPhoneのLiDARスキャナによる3D認識との連携により、現実空間の奥行きや形状を高精度に把握できるようになっています。なお、ARKitはiOS/iPadOS専用のテクノロジーであり、Android端末向けにはARCore Geospatial APIの機能などを備えたARCoreが提供されています。

ARKit 6で追加・強化された主な新機能

ARKit 6では、4K HDR動画撮影やEXIFタグの取得、マニュアルカメラ制御、位置情報アンカーの対応地域拡大など、開発の幅を広げる機能が強化されました。

ARKit6でどんなことができるようになった のか?

4K HDRビデオとカメラ制御機能(EXIFタグ・ホワイトバランス)

AR体験中に最大4Kの動画撮影が可能となり、コンテンツ制作やSNS共有時の映像品質が向上しました。また、HDRビデオ撮影に対応したほか、露出やホワイトバランスといったEXIFタグ情報をフレームごとに取得可能になり、撮影後のレタッチや画像処理の自由度が上がっています。

<引用画像:Apple>
<引用画像:Web AR Lab.>

Depth APIとインスタントAR(LiDAR活用)

LiDARスキャナ搭載端末では、ピクセル単位の深度情報を取得できるDepth APIと、平面を瞬時に検出してオブジェクトを配置する「インスタントAR」が利用できます。複雑な処理コードを大きく書き換えることなく、空間上の任意の壁や床に素早くコンテンツを定着させることが可能です。

<引用画像:動画Discover ARKit 6 より抜粋>

シーンジオメトリとPeople Occlusion(ピープルオクルージョン)

周囲の部屋の壁・床・窓・天井などを識別して3Dメッシュを構築するシーンジオメトリ機能に加え、AR表示時の人物の前後関係を自然に描画するPeople Occlusionの精度も高まりました。現実の人間がバーチャルオブジェクトの前を横切る際も、自然な遮蔽効果が得られます。

モーションキャプチャの向上と両面カメラの同時利用

単一カメラでのリアルタイムな人体の動き検出において、左右の耳のトラッキングが追加されるなどボーンの検出精度が向上しました。さらに、インカメラ(TrueDepth)とアウトカメラの同時起動がサポートされ、表情追跡と空間トラッキングを同時に行う演出が可能になりました。

<引用画像:動画Discover ARKit 6 より抜粋>
<引用画像:Web AR Lab.>

日本都市に対応したLocation Anchors(ロケーション・アンカー)

特定の緯度・経度・高度にARコンテンツを固定するLocation Anchorsの対象エリアに、日本の主要都市(東京、大阪、名古屋、京都、福岡、広島、横浜)が追加されました。GPSやマップデータを組み合わせることで、街中の実在する建物や広場に一致したAR体験を提供できます。

<引用画像:動画Discover ARKit 6 より抜粋>

室内スキャンを自動化する注目API「RoomPlan」

RoomPlanは、ARKit 6で導入されたLiDARおよびカメラを活用して部屋の3D平面図(フロアプラン)を自動生成するSwift APIです。

<引用画像:Web AR Lab.>
<引用画像:Web AR Lab.(新しいタブで開きます)>

iPhoneやiPadをかざして部屋を見回すだけで、壁・窓・ドアの配置や、机・椅子・ソファ・ベッドといった家具の種別・寸法を認識し、3Dモデルとしてデジタル化します。スキャンされたデータはUSDやUSDZ形式で出力可能なため、CADソフトウェアへの取り込みや、iPhoneで手軽に3Dスキャンを行うフォトグラメトリ・LiDAR技術と組み合わせた空間デザインに役立ちます。

建築・不動産業界におけるリノベーションの施工前採寸、家具ECにおける部屋への配置シミュレーション、さらには施設管理や施工点検など、多様なビジネスシーンでの業務効率化に直結します。

ARKitとRealityKitの役割の違いと使い分け

iOSにおけるAR開発では、空間認識と位置トラッキングを担うARKitと、3Dモデルの描画や物理シミュレーションを担うRealityKitを組み合わせて構築します。

ARKitは、カメラや各種センサーから取得した情報をもとにデバイスの自己位置推定(World Tracking)や平面・環境の検出を行う「目」の役割を果たします。一方のRealityKitは、Entity Component System(ECS)構造に基づき、USDZモデルのレンダリング、光の表現、物理シミュレーション、アニメーション生成を担う「描画エンジン」の役割です。

これらを適切に組み合わせることで、高精度な環境追従とリアルで没入感の高い3D表現を両立できます。

ONETECHにおけるARKit開発実績(展示会場向けiPad顔認識ARアプリ)

ONETECHでは、ARKitの機能を活用したiOSアプリ開発およびクラウドAPIサーバーの構築において豊富な実績を有しています。

具体的な事例として、展示会場向けにiPad上で動作する顔認識ARカメラアプリの開発を行いました。本プロジェクトでは、インカメラ(TrueDepth)を用いたフェイストラッキング機能により、来場者の顔にリアルタイムでオリジナルのARエフェクトや装飾を合成する体験を提供しました。

さらに、単なる端末内のAR処理にとどまらず、クラウド(AWS)上にAPIサーバーを構築してアプリとリアルタイム連携させました。これにより、イベント参加者の写真データ管理や体験ログの分析、各種プロモーション施策との連動をスムーズに実現し、イベント全体の集客および販促価値の向上に貢献しました。

建設・建築分野においても、BIM/CADデータとARKitを連携させ、現場での原寸大3D表示や施工点検、完成イメージの可視化を支援しています。現場での実用的な活用方法については、iPhoneのLiDARを用いた現場でのAR活用に関する解説記事もご参照ください。

ARKitに関するよくある質問(FAQ)

Q1. ARKit 6はどの端末・OSで利用できますか?

ARKit 6は、iOS 16以降を搭載したiPhone 11以降のiPhone、およびiPad Pro(第5世代以降)などで利用できます。ただし、Depth APIやRoomPlanなどLiDARスキャナを活用する機能には、LiDAR搭載デバイス(iPhone 12 Pro以降のProシリーズおよびiPad Pro)が必要です。

Q2. ARKitとRealityKitのどちらを使えばよいですか?

実用的なiOS ARアプリ開発では、両方を併用するのが一般的です。ARKitで空間の位置合わせやカメラ追跡、平面認識を行い、その位置情報を基にRealityKitを使って3Dモデルの描画やアニメーション処理を行います。

Q3. ARKitアプリ開発でサーバー(API)連携が必要になるのはどのような場合ですか?

大容量の3Dモデルデータの動的配信、ユーザー認証、AR体験時のキャプチャ画像の共有・蓄積、またはデータ分析を行う場合にはクラウドやAPIサーバーとの連携が必要となります。

Q4. ARKitは建設DXや現場点検でどのように活用されていますか?

国土交通省によるBIM/CIM原則適用に伴い、建設現場においてBIM/CADで作成した3DモデルをiPad等の画面を通じて現場空間に重畳表示し、配管や構造物の干渉チェックや施工後のイメージ確認に活用されています。

Q5. ARKitで作ったアプリをAndroid端末でも動かせますか?

ARKitはiOS/iPadOS専用のフレームワークであるため、直接Androidで動かすことはできません。Android端末に対応させる場合は、GoogleのARCoreを利用するか、Unityなどのクロスプラットフォーム開発環境を用いてマルチデバイス対応のアプリを構築する必要があります。

まとめ:ARKit 6を活用した高度なARソリューション開発に向けて

ARKit 6の登場により、高精細な映像撮影から高度な空間認識、さらにはRoomPlanによる自動3Dモデル生成まで、ビジネスにおけるAR活用の可能性が大きく広がりました。特に実務で利用するARアプリでは、デバイス側のトラッキング技術とクラウド/APIサーバー連携の組み込みが成功の鍵となります。

ONETECHは、建設DXをAIで加速するテクノロジーカンパニーとして、BIM/CADデータの活用からLiDAR・ARKitを用いたiOS/iPadOSアプリ開発、APIサーバーの構築まで一貫してサポートします。AR技術を活用した業務効率化や新規サービスの開発をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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