日本で働きベトナムでエンジニアを採用してわかった「優秀なエンジニア」の特徴とは

ベトナム人エンジニア特徴は」

「ベトナムで外国人エンジニアを採用するには」

「ベトナム人エンジニアと一緒に働くには」

日本でベトナム人を採用することを検討している企業、ベトナムでオフショア開発を検討している企業、急にベトナム人と一緒に働くことになった方、ベトナムに進出して開発拠点を作ろうとしている企業の採用担当者にむけてベトナム人エンジニアの特徴をお伝えします。日本で働き、ベトナムで起業してシステム開発会社を経営している社長がエンジニアを採用してわかった評価の高いエンジニアつまり「優秀なエンジニア」とはどのような特徴があるか、ベトナム人エンジニアの課題は何か、を知ることにより外国人エンジニアとの接し方のについて言及します。

優れたエンジニアは毎月Onetech Asiaで表彰されます

優れたエンジニアは毎月ONETECH ASIAで表彰されます

 

ベトナムで「優秀なエンジニア」を定義したい動機

2015年にオフショア開発の会社をスタートし毎年200人以上を面接

ONETECH ASIAの社長であるNGUYEN LAM THAO(グエン・ラム・タオ)は2015年に日本での経験を生かしベトナムのホーチミンでオフショア開発のONETECH ASIAを創業しました。ONETECH ASIAを創業すると1年目で20名、5年後には60名の社員を抱え、150名のパートナーのエンジニアと日々接しています。面接過程も含めると1000人以上のエンジニアを見てきました。

2015年にオフショア開発の会社をスタートし毎年200人以上を面接

2015年にオフショア開発の会社をスタートし毎年200人以上を面接

 

エンジニア採用支援「GROWUP JV」をスタート

さらに彼は2018年にベトナム人エンジニア採用支援GROWUP JVを立ち上げました。昨年度は20名のエンジニアが日本とベトナムに就職を決めました。採用支援により年間300人以上のエンジニアと面接をしてきました。

 

日本とベトナムでのエンジニアとして経験

タオ社長はホーチミン自然科学大学を卒業してすぐに日本企業向けにオフショア開発している現地のベトナムシステム開発企業にシステムエンジニアとして就職しました。それから2年後、日本にいるベトナム人エンジニアの知り合いから誘いがあり来日しました。その時はまだ日本語は全く話せませんでした。来日後、7年間モバイルインターネットサービスをしているIT企業でシステムエンジニアとして過ごしました。モバイルのWEBシステム開発アプリ開発などを経験し、技術部門のマネージャーとして日本側の技術者や営業や事業開発者と一緒に様々なサービスを開発運用してきました。また日本での生活も経験しました。2012年、ベトナムに戻り当時200名いるエンジニア組織の中でマネージメントを経験し多くのプロジェクト開発を管理しました。

日本において優秀なエンジニアとは

日本において優秀なエンジニアとは

 

優秀なエンジニアを定義してベトナムにフィードバックしたい

 

日本で優秀といわれるエンジニアとベトナム人のエンジニアの両者を見てきました。その経験をもとに優秀なエンジニアとは何かを定義します。そして彼の母国であるベトナム人にエンジニアとしてどのようなスキルが必要なのかを伝えたい。日本やグローバルで生き抜くための優秀なエンジニアとは何かを整理します。

 

日本において優秀なエンジニアとは

 

日本で7年間エンジニアとして過ごす過程と長年日本のエンジニアとも仕事をして日本で評価されているエンジニアには次のような特徴があることに気づきました。

 

  1. 学習意欲が高い

ITの技術は毎日が進化されますので最新の情報のアップデートが必要です。
優秀なエンジニアは常にアンテナを張っていて技術の習得も早いという特徴がありました。
技術だけでなく新しいツールやソフトウェアへ触れ慣れるのも早いです。

 

  1. 新しい技術習得に意欲的

もちろん一つの技術の知識や経験を深掘りすることも必要ですが、一つプロジェクトを完成するためには色々な技術の組み合わせが必要です。例えば、フロエンド、バックエンド、サーバ構築など優秀なエンジニアは率先してどの分野でも積極的に対応します。

新たな技術は数年で変わります。最新の技術へのチャレンジも必要です。
例えば、iOSは、Object-C からSwiftへ、Android はJavaからkotlinへ、NativeアプリからHybrid アプリへ変化しています。つまり、技術に対して情熱を持って興味を持ち続けているのが優秀なエンジニア特徴の一つです。

AR/VRエンジニアに必要なスキルは?

AR/VRエンジニアに必要なスキルは?

 

  1. 問題解決能力が高い

・難しい問題や難しい技術にチャレンジしたい
・問題の整理能力が高い(Logical thinkingのスキルもある)
・研究・調査能力が高い

 

  1. コミュニケーション能力が高い

私の経験からエンジニアはコミュニケーション能力が低いと言われることが多いです。うまくコミュニケーションができれば以下のよくある問題も解決できます。

・仕様理解不足
・問題発見が遅い
・問題発生時に解決方法がわからずテクニカルブラックボックスになってしまう
・同僚との人間関係の問題

また結果的に、プロダクトの品質意識や納期意識も高まります。

 

  1. コミットメント

特に納期に対するコミットメントをするために自分の時間管理やタスクの見積もりが重要です。想定外のバッファも含めて見積もり、小さいタスクから時間通りに正確に仕上げるという意識を持っているかが重要です。
また残念ながら問題発生してしまった場合には、責任をもって完成するまで対応するというコミットメントを持つと将来的には本人のマネジメント能力や問題処理能力が上がり、結果的に徹夜をするなどの無理をした仕事の機会が減ってきます。

 

  1. ビジネスに興味がある

私の経験ではエンジニアは技術の課題にしか関心を示さない人が多かったです。優秀なエンジニアはエンドユーザーの観点、ビジネスオーナー観点を考えているという特徴があります。品質やコスト面に対して自分で考えて技術ソリューションを提案することができます。

 

  1. 完璧主義

良いプロダクトを開発する際に、エンジニアとして二つの観点があります。
・技術の観点:ソースコード、アーキテクチャ,パーフォマンス、拡張しやすい、保守しやすい
・ビジネスの観点:UI/UX、利便性、コストなど

要求者(クライアント)からドキュメントだけでは伝わらないもしくは言語化できていない要件が発生してしまうことも度々あります。もちろんコミュニケーションも重要ですが、技術の観点とビジネスの観点を納得するまで突き詰め、完全に解決するまで、完璧に粘り強く対応できるエンジニアが優秀なエンジニア特徴です。

 

  1. オーナーシップがある

オーナーシップがあり、自分の製造物に責任と情熱と誇りを持っています。プロセスで決まっているからテストをするのではなく、良いものを作り上げたいという純粋な気持ちから自然と責任を持って自分の書いたコードを確認します。プログラムを動作させる端末でも必ず確認します。ある意味、正常に動作するか心配で自分の作ったものがリリースするまでしっかりと見届けます。リリース後も何か問題があれば速やかに対応してくれます。

 

  1. 柔軟である

最近ではアジャイル開発やリーンスタートアップで提唱されたMVP概念での開発手法があります。これらの手法は開発着手後に仕様変更、優先度が変わります。問題や課題が発生するケースが多いです。今まで作ってきたものが無駄になるケースもあります。腐らず不満を漏らさず、目標へ向けて積極的な態度で向かっていくのが優秀なエンジニア特徴です。

 

  1. ポジティブな楽観主義者

仕事をする中で問題はかならずでてきます。クライアントからのクレームはエンジニアにとってもストレスになります。その時の困難へ反応的にならずに、冷静に前向きに対応することが重要です。苦情、非難、言い訳もしません。解決策に集中して解決方法を提案し行動します。

 

  1. チームワーク

チームの目標達成に向けて課題があれば自分のタスクだけではなく、周り人をサポートします。逆に自分の問題があれば、相談しチームメンバーに情報共有することで問題を早期に解決します。仕事以外でもチームメンバーと良い関係を築いているエンジニアはチームからも信頼されているという特徴があります。

 

それぞれが相互に関連する特徴もあります。概して日本での優秀なエンジニアとは上記の11の特徴がありました。

 

 

ベトナム人エンジニアの特徴とは

一方でベトナム人エンジアはどうでしょう。あくまでもタオ社長の見解なので一般論に置き換えるのは慎重にしないといけないですが、数多くのベトナム人エンジニアと接してきた経験から参考にしていただければと思います。

 

ベトナム人エンジニアの良い特徴

「学習意欲が高い」、「新技術に習得に対して意欲的」、「柔軟性がある」いうことについてはベトナム人の優秀なエンジニアにも同じことが言えます。積極的に新しい技術にアンテナを張り常に興味を持っている技術者が多いです。ONETECH社が得意としているHoloLensのアプリケーション開発には、MR(ミックスドレアリティ)やAI(人工知能)、画像認識エンジンなどさまざまな最新技術を集約しています。このような最新技術を求めて入社してくれる技術者には優秀なエンジニアが多いです。

ベトナム人エンジニアの課題とは

ベトナム人エンジニアの課題とは

 

優秀なエンジニアはフルスタック

「柔軟性がある」点については言い換えると、優秀なエンジニアはフルスタックエンジニアであるという点です。フルスタックとは、ビジネスの需要に対してバックエンドからフロントエンドの開発を一人のエンジニアが行うことができるエンジニアについて表現します。一般的にベトナム人エンジニアはフロントエンド、バックエンド、もっというとある言語のみが得意、言葉を変えると「これしかできない」というスキルセットのエンジニアが多い状況です。

優秀なフルスタックエンジニアは目的に対して柔軟性があります。しかも時には、スペシャリストよりもある言語においても優れたアウトプットをします。優秀なエンジニアは開発しているシステムのビジネスやユーザーの課題に興味があります。それをどのように解決するかということが彼らの目的です。目的のために最善を尽くしわからないことは調べて解決していくという姿勢がフルスタックエンジニアを生み出します。またシステムに対する「コミットメント」も強いという特徴もあります。

 

ネットで英語の技術文書を調べることが得意

「問題解決能力が高い」特性については、技術的の解決方法の探索は一般的に日本のエンジニアより優れています。理由はベトナム人エンジニアが英語の文書に抵抗がないという点です。ネット上にある技術的サイトの数は、英語>日本語>ベトナム語となっています。ベトナム人は原則英語でネット上の技術サイトを見るのに慣れています。

 

 

ベトナム人エンジニアの課題とは

ビジネスに関しての情報が乏しい

 一般的にベトナム人エンジニアは「ビジネスに興味がある」というところに課題があります。これは二つの要因だと思います。一つは日本と比べるとベトナムの経済は遅れています。いろいろな分野でのICT化についても経済活動、企業活動があって成り立っています。ベトナムではまだ生活やビジネスシーンで日本にあるようなアプリやシステム、ソフトウェアがないケースが多いです。人件費はそれほど高くないので人海戦術で乗り切れるので必要としていないのです。だからエンジニアはそのようなソリューションを知らないケースが多いです。
もう一つは日本のように教育課程でビジネス関連の教育について学ぶ機会が少ないというのもあります。教育も経済主導の側面があります。ビジネスでの課題が健在してからその実用的な教育が育っていくと思います。まだ教育はそこまで行っていません。「完璧主義」、「オーナーシップ」に関しても「ビジネスに興味がある」ということに関連しています。消費者やクライアント、ユーザーからの厳しい要求に接した経験があるか。それを自分ごととして落とし込めるかという態度は経験や教育から派生していると感じます。

AIやIOT分野で活用される「PYTHON」と「R言語」とは-Onetech-Asia

AIやIOT分野で活用される「PYTHON」と「R言語」とは-ONETECH

 

プロジェクトマネジメントについても課題

例えば日本のシステムインテグレーターの会社には情報処理技術やPMIのPMPの資格保有者を多く見かけます。プロジェクトマネジメントやシステム開発について体系化した研修や情報が溢れているように感じます。ベトナムではこのような情報が少ないですし資格を取得している人もまだ少ない状況です。

 

一番の課題はコミュニケーション

「コミュニケーション能力が高い」というベトナム人エンジニアはかなり少ない傾向があります。最近の若いベトナム人は英語や日本語などの外国語が話せる人が増えています。しかしながら本質的なコミュニケーションは言語能力だけではありません。コミュニケーションという潤滑油で「チームワーク」「コミットメント 」ときには「ポジティブな楽観主義者」という特徴を活かしながら難局を切り抜けないといけません。ゴールに向かうためのプロセスをクライアントやチームメンバーと合理的に推進する能力にはまだまだ課題があります。日本の企業が行う研修などでは「報告・連絡・相談」、「チームワーク」や「マネジメント」について教育しています。また日本では通勤電車でそのようなビジネスについての実用書を読んでいる人をよく見かけます。ベトナムではまだまだそのような意識が低いです。コミュニケーションについて体系化できていないのもその一部なのかなと思います。

 

ベトナムの経済発展によりエンジニアの課題は解決する

ご存知のようにベトナムの経済は順調に発展しています。ONETECHのあるホーチミンでは世界のフランチャイズチェーンが軒並み進出し、自動車もかなり増えてきました。中心部は東京をはじめとした世界の経済都市に近づいています。外資系企業も次々に進出しています。それによりICT化は進んでいます。
人々は豊かになり、教育でも実用や応用分野が発展の兆しを見せ始めました。ビジネスの教育、プロジェクトマネジメントの教育も盛んです。
いままではプログラマーとしてのスペシャリスト志向のキャリアパスを描くエンジニアが多かったのですが、最近ではマネジメント志向のキャリアパスを持つエンジニアが増えています。
これは経済発展に伴い会社も組織化し、マネージャーの需要が増え、高給化し、みな勉強する、結果マネジメントのスキルも上がるという正のスパイラルに入っています。

 

 

まとめ:ベトナム人(外国人)エンジニアを共存するために

 

ここまで、「日本における優秀なエンジニアとは」を定義しました。対してベトナムエンジニアの特徴と比較してきました。結果、ベトナム人エンジニアの課題は、環境における課題から起因すると思います。
この課題はベトナムの経済発展とともに必ず解決されます。

しかし目の前の現実では、オフショア開発や、外国人エンジニアと一緒に働く際に今回書いたような課題が表面化してストレスに感じていることもあるかと思います。

これを解決するには彼らの置かれている環境を知っておくことが大切です。日本人の常識は世界の常識ではありません。違いを知ることで、違いを活かす対処法がうまれます。

今後の日本を見ても少子高齢化により80万人のエンジニアが不足されると言われています。ベトナム人の若さは人口動態を見ても数年後の強みです。今後5年、10年とかならずベトナム人の優秀なエンジニアが増えてきます。

ベトナム人(外国人)エンジニアを共存するためにこの記事が参考になりましたら幸いです。

 

 

ベトナムエンジニアの採用やオフショア開発について

ベトナム人エンジニア採用支援のGROWUP JV」では現地面接会を実施しております。直近ではコロナウィルスの影響もありオンライン面接会での対応も可能です。昨年は日本、ベトナムへの20名の優秀なエンジニアの採用支援をいたしました。またオフショア開発のONETECH」ではラボ型開発で企業様向けに優秀なエンジニアのチームを提供しています。もちろん受託開発での対応も可能です。システム開発、アプリ開発、AR/VR/MR/UNITY開発、ホロレンズ開発、AI開発など実績が豊富です。

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