オフショア開発 の課題点・問題点はなにか?お互いの認識の食い違い(認識違い)を改善し続ける行動が重要
オフショア開発はエンジニア不足の解決ができる、低い開発コストである点が注目されています。 一方オフショア開発の課題は海外開発者へ仕事を任せた時に生じる「よく起こる認識違い」が主な原因になります。そこで、この記事ではオフショア開発で起きる「認識の食い違い:お互いの勘違い」に関する問題点に触れながら解決策についてお伝えします。オフショア開発で言及されやすい「コミュニケーションの課題」に関する具体的な事例・解決策(勘所)を知りたいご担当者様はご覧ください。
オフショア開発で「認識の食い違い:勘違い」はなぜ生じるのか?
結論から言えば、主に3点から考えられます。
- 環境面:国内から海外開発者へ指示をする労働環境
- 言語面:日本語と海外言語(英語など)の言語の違い
- 国民性:日本人的労働観と外国人的労働観の違い
これらの多様な違いは、オフショア開発を発注する国ごとに相違点 があり「日本人が勤勉で真面目な労働観」を持つ一方で、オフショア開発は初期段階から海外の開発者と国内のコミュニケーター との間で「リモートワーク(テレワーク)」を行う前提が主要因となります。お互いに顔を合わせて話し合うのではなく、テキスト・チャットベースで意思疎通を図り合うことによって「お互いの勘違い」が生じるのです。
加えて「言葉の表現の仕方」や「言葉の定義の違い」から認識を一意にすることが出来ずにオフショア先となる企業の従業員の開発者と食い違い(認識違い)が起きる可能性があります。よって海外の労働者へ指示をする「コミュニケーターの質」 がプロジェクトの成否に繋がるとお考えになって良いでしょう。
オフショア開発は言葉が伝わらないことが課題点ではない
日本人だけのプロジェクトチームで開発をした場合は、言語仕様の理解・プロジェクト分析・基本設計・詳細設計・プログラミング・単体テストなどの成功への道筋が「日本語」で文書化、ノウハウ化されています。
しかし、オフショア開発では相手国のオフショア開発委託先企業の言語面が課題になり、母国語では伝わっていた事柄が相手国の母国語になると「こちら側の意図した事柄」が伝わらないケースがよくあります。言葉が伝わらないというよりかは「こちら側の意図を相手母国語に即して的確に伝える技術・姿勢」が必要だと言えます。
オフショア開発の認識の食い違いを正す勘所は?
オフショア開発時に認識の食い違いが生じる点は回避しづらい点です。よって、オフショア開発を続ける企業担当者の「勘所」に頼りながら、プロジェクトの成功を目指す必要があります。
例えば、オフショア開発でよくある現場の「認識違い」 として、、、
1 曖昧な時間表現
時間帯を指定せずに「朝一でください」「午後一で」など期限を明確に定義せずにいると、双方で認識違いが生じます。
日本人は日本時間で考え、ベトナム側ではベトナム時間(時差2時間)で考えてしまう事例もあり、曖昧な事柄が無いように常にコミュニケーションコストを支払う点が、1つの勘所と言えます。
2 日本語能力の問題
わかりづらい表現例を相手開発者に投げると、上手に伝わりづらくなると言えます。
- 「できないことはない→できる」
- 「通れないことはない → 通ることができます 」
など「一意に伝わる文章」で「明確に相手が理解できるレベル」で表現をする必要があります。
二重否定などは外国人にとって難解だと認識で表現を工夫する一例です。最近では日本国内でも外国人が増えた関係で「やさしい日本語」 という平易な表現の日本語の利用が外国人とのコミュニケーションで推奨されています。
日本語は「建前と本音」の言語体系を持ち合わせているため、相手側に「明示的に物事を伝えるスキル」を土台にプロジェクトを推進する現場レベルを考えた勘所を求められます。
3 曖昧な表現・説明
UI・UXデザイン・CG制作でよくある事例として、テキストでは情緒的な表現にならざるを得なく要件が伝わらないことがあります。そのような時は手書きでも良いのでさっと紙に書いて写真で送ったり、ネットで検索して画像や動画を利用して相手と目線を合わせてお互いに情緒的な表現ではなく具体的な要件を確認する必要があります。動画などでは絵コンテや紙芝居のようなものをよく使います。相手に理解してもらうためにどうしたら良いかを言語に頼らず様々なツールを駆使して工夫する必要があります。物事をお互いに正しく認識するための準備と姿勢を絶やさない点が、勘所と言えます。
4 タスク・要件の漏れ
コミュニケーション手法で「相手と話しながら指示をする」と、どうしてもタスク・要件の明確な認識ができないケースが多いです。口頭での発注や依頼が最も楽な方法なのですが、発注や依頼は多数あることもありますし、五月雨式になってしまうこともあります。特にオフショア開発においてのラボ型開発 やアジャイル開発の開発手法だとドキュメントを書かなくても良いというような勘違いがありこのような課題が勃発するケースがよくあります。タスク・要件漏れを防ぐためには面倒臭がらずに「規則・取り決めなどを文章にし、相手に伝える行動」が、最終的にコントロールしやすいプロジェクトへ繋がるため、曖昧を排除し何事も明文化する習慣が勘所です。
まとめ
オフショア開発の課題として現場レベルでは最初から「海外にいる違う言語を話す国の人たち」への意思疎通の改善案を常に意識しながら働く必要があり、コミュニケーターの優秀さがそのままプロジェクトの成否に繋がりやすいと言えます。コミュニケーターの優秀さとは言語能力はもちろんですがコミュニケーション能力の高さです。コミュニケーションには必ず相手があり相手の立場や、環境、状況によって前提条件が違うということを理解しないといけません。まず前提条件の違いを知りそれを埋めるための情報の整理をして、その上でようやく伝えたいことが伝わるということを知っているコミュニケーターがいるとプロジェクトの成功確率はグンと上がります。
プロジェクトで想定通りのプロダクト・サービスを納品してもらいたいと期待する場合は、事前に「海外で働く労働者との意思疎通が難しく、食い違いが発生しやすい傾向」がある点を踏まえながら、明確に現場で奮闘を続けるコミュニケーターのいる会社へ仕事を頼むと良いでしょう。
ONETECHはベトナムオフショア開発でAR/MR/VRソフトウェアの開発、AI、Iotの開発に力を入れています。AR/MR/VRソフトウェアの開発、AI、Iotの開発のご相談はOne Technology Japanへお気軽にお問い合わせください。