人工知能をはじめ、多くのソフトウェア開発の現場で活躍しているプログラミング言語のPythonですが、データ解析用ライブラリとして多用されているのがPandasです。
今回はPandasの特徴や、その使い方などについてご紹介していきます。
Pandasとは
PandasはPythonで使えるデータ解析ライブラリで、統計やデータサイエンス、そして人工知能開発においては欠かせない機能の一つと言う事ができます。
Pythonでのデータ分析に役立つライブラリ
ライブラリは、特定の目的に合わせて役立つ機能を詰め込んだツールですが、PythonにおけるPandasは、データ分析に特化したライブラリとなっています。
Pandasにはデータフレームなど、独自の機能が搭載されており、高速での処理が可能であると言うことから、データ分析には欠かせないライブラリです。
Pythonだけでは困難な分析も、Pandasを用いて進めていくことで、高速で処理する事ができるようになります。
Pandasでできること
Pandasでは様々なデータの読み込みが行えるだけでなく、データにおける欠損値の補完といった、データ前処理を行う事ができます。
また、データの結合や取り出し、グループ演算など、その役割は多彩です。中でもデータフレーム(DataFrame)と呼ばれる表作成機能は評価が高く、様々な形のデータをひとまとめに管理する機能を有しているのが特徴です。
Pandasのメリット
次に、実際にPandasを使う上で得られるメリットにも注目していきましょう。
完全なPythonPandasデータサイエンスチュートリアル! (CSV / Excelファイルの読み取り、並べ替え、フィルタリング、グループ化)
多様な形式のデータを読み込める
Pandasのデータ読み込み機能は、単に高速であるだけでなく、多様な形式のデータを読み込む事ができる点にも注目です。
対応している読み込みプロセスとしては、テキスト形式、およびバイナル形式のデータファイルから読み込み、データベースからの読み込み、ネット上からの読み込みの4種類が挙げられます。
CSVやExcel、JSON、pickleと、どんな形式のデータでも対応できるため、データを変換する手間がかかりません。
大量のデータ処理に強い
Pandasは様々な形態のデータを読み込み、それらのデータを処理する能力にも長けています。
Pandasに読み込んだデータは大量のDataFrame上で処理を行います。読み込みにかかる時間はもちろん、処理に必要な時間もかからないため、高速で作業を進めていく事が可能です。
また、データ分析においては同じ計算処理を何度も繰り返すことも日常茶飯事ですが、Pandasを使えばこれも高速で行う事ができます。
通常の表計算ソフトを使って、人間が手動で行わなければいけない処理も、Pandasではコンピューターを動作しておくだけで、自動で繰り返し作業を行なってくれるため、作業に伴う手間は圧倒的に改善されるでしょう。
他のライブラリとの連携も
また、優れたデータ処理能力を持つPandasは、他のライブラリとの連携によって、さらなる効果を発揮することもできるでしょう。
Matplotlibを使って2D・3Dのグラフを描画したり、Numpyを用いて演算処理を行ったりなど、多様な活用方法が挙げられます。
いずれにせよ、Pandasは多様なユーザーにとって有益なライブラリであることを示す特徴であるとも言えます。
Pandasの使い方
ここで、実際にPandasを使っていく上での準備方法も確認しておきましょう。
ダウンロードは無料
Pandasはオープンソースのライブラリであるため、利用にあたっては個人・法人を問わず無料です。商用利用も可能であるため、積極的に活用していくことをおすすめします。
Pandasのダウンロードには、いくつかの方法があります。最も簡単なのは、以下のコマンドを入力する方法です。
$ pip install pandas
これを打ち込んでおけば、あとは好きなタイミングでPandasを呼び出す事ができます。
もう一つの方法が、Anacondaなどの開発パッケージを使ったインストールです。こちらはPandasの他にPythonでよく使われるライブラリがいくつか含まれているため、これからPythonを活用していくと言う人には嬉しい方法と言えます。
ダウンロードは、以下のリンク先から行う事ができます。
Anaconda Installers: https://www.anaconda.com/products/individual#Downloads
ライブラリのインポートも忘れずに
Pandasを利用する際は、ライブラリをインストールするだけでなく読み込みのプロセスも踏む必要があります。
Pandasを読み込む際は、以下のコマンドを入力します。
import pandas as pd
このコマンドではPandasを「pd」と言う名前で呼び出せるように指定していますが、使いやすい名前を付けて貰えばそれで構いません。
Pandasを活用する際、必要となってくるのがデータセットです。すでに自分でデータセットを持っている場合には問題ありませんが、データがない場合には自分でサンプルデータをどこからか持ってくる必要があります。
以下のサイトでは、Pandasで活用できるサンプルデータがいくつか紹介されているため、欲しいデータが見つからない場合にはこちらを参考にしてみてください。
YOLO「scikit-learnに付いてくるデータセット7種類を全部まとめてみた」
おわりに
PandasはPythonでデータ分析を行う上で、なくてはならないライブラリの一つであると言えます。基本的な機能の使い方は、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。