AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった視覚技術を目にする機会は増えてきています。そして、これらの技術に関連する市場も成長を続けており、近い将来に一大マーケットを形成するとも言われています。
2020年以降、ARやVRの市場はどのように成長していくのかについて、ご紹介していきます。
現在のAR/VR関連市場について
AR/VRのマーケットは国内外を問わず成長し、特にここ数年の伸長は眼を見張るものがあります。
2019年にAR/VR関連市場は急伸
IDC Japanが発表した調査結果によると、AR/VR関連市場は2018年から2019年にかけて、89億ドルから168.5億ドルという、およそ2倍近い成長を果たしました。
参考:IDC JAPAN「2023年までの世界AR/VR関連市場予測を発表」
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45301519
なんの分野であれ、一年で二倍の規模に膨れ上がったマーケットは稀なケースで、AR/VR関連市場が世界的な注目を一挙に集めるトピックであることは間違い無いと考えてよいでしょう。
今後も200%の成長率を維持していくかどうかはわかりませんが、少なくともまだまだ伸び代は大きいと考えられます。
日本市場においても順調な成長を見せる
AR/VR関連市場は世界だけでなく、日本規模で見ても順調な成長を遂げています。
上記と同じ調査によれば、2018年から2019年にかけては13億ドルから18億ドルへと成長しており、世界平均よりはやや鈍い数字とはなっていますが、それでも大きな成長です。
これからの成長はもちろんですが、今後法整備や技術の普及が進むことで、さらなる成長率を達成することも十分に考えられるでしょう。
AR/VR市場が成長している理由
ここまでAR/VR関連市場が世界的に盛り上がっている理由としては、いくつかの要因が考えられます。
スマートフォンの普及
一つは、スマートフォンの普及です。スマートフォンはその性能の高さもさることながら、中国系ブランドを中心に、低価格化が進んでいます。
そのため、先進国における普及はもちろんのこと、途上国においても普及が進み、あらゆる所得層に広がっていったことで、誰もがハイテク技術に触れる環境が整いました。
そして、今やARはスマホで気軽に体験できるテクノロジーへと進化しています。
特殊な機材やゴーグルなどを必要としないため、ARはスマホで気軽に体験し、活用することができます。
気づかぬうちに、ARは日常的なテクノロジーとなり、AR/VR関連市場も成長を遂げているのです。
5G通信など通信インフラの改善
ARやVRは魅力的なコンテンツである一方、非常にデータ容量が大きいため、これまでの通信環境では満足なパフォーマンスを発揮できないというケースも見られました。
しかし、スマホの普及に合わせて、通信が行き届かなかった地域にも、4G回線のような高速通信インフラが行き渡り、誰もが快適にARを体験できるようになっています。
そして、次は5Gと呼ばれる新しい通信インフラも、試験的な導入が進められています。
さらに高速な回線が普及すれば、スムーズなAR/VR配信も可能になり、コンテンツの汎用性も高まっていくことになりそうです。
将来のAR/VR関連市場は?
将来的に、AR/VR関連市場はどれほどの規模まで成長するのでしょうか。
2030年には17兆円規模へ
前述のIDCの調査によると、AR/VR関連市場は今後も成長を続け、2023年には1600億ドルを超えるとされています。
この数字は日本円にして17兆円にものぼりますが、注目なのはその伸び率です。
2019年に168億ドルだったマーケットが、4年で10倍近くまで大きくなるという事例は、かつて無い成長率であると同時に、潜在的な市場ニーズを汲み取れる数字でもあります。
仮に17兆円に達しなかったとしても、この試算からはそれだけの経済的価値が眠っていることを示唆するメッセージが潜んでいると言えるでしょう。
MRやスマートグラスの登場にも期待
また、AR/VR関連市場はソフトウェアの進化ももちろんですが、ハード面での進化も見逃せません。
ARやVRはスマホでの利用ももちろんですが、やはり専用のスマートグラスの登場によって、さらなる没入感と利便性の向上にも期待したいところです。
実際、スマートグラスの開発は今も各メーカーで着々と進められています。
特にAppleの開発するスマートグラスは、2022年までに販売されるとも噂されており、多くのファンや投資家たちの注目を集めています。
そして、MR(複合現実)と呼ばれる、AR/VRからまた一歩踏み込んだ技術についても注目が集まるところです。
現実空間をベースとするARの技術に、VRのように仮想的なオブジェクトを表示させるMRの台頭は、建設や医療までと、幅広い業種において導入が検討されています。
この技術が定着すれば、今後もAR/VR関連市場は右肩上がりの成長を続けていくでしょう。
ONETECHはベトナムでAR/VRアプリ開発
ONETECHは、ベトナムオフショア開発でAR/VR/MRのアプリケーションの開発をしています。2015年からVR開発をスタートしました。
当時は360°パノラマ画像を表示するというのが主流でした。AR/VR/MRはここ数年ソフト、ハード両面が進歩しも業務向けの活用が進み、さらにコロナ禍の中で非接触コミュニケーションツールとして注目されております。
ONETECHは、2015年より業務向けのAR/VR/MRの開発を目指してきました。今後も企業のDXとしてのXR(AR/VR/MR)の開発に注力していきます。
おわりに
ARやVRといった技術への市場関係者の関心度は、私たちの想像を超えるものがあります。
彼らの期待とともに、これらの技術はますますの成長を遂げていくでしょう。