AWS Elemental MediaConvertとは? ハイクオリティなVODコンテンツの変換処理サービスの概要

新型コロナウイルス感染拡大の長期化および外出自粛によって、動画の視聴が人気を集めています。余暇を楽しむエンターテイメントはもちろん、テレワークが浸透して在宅勤務が増えたことから、企業の研修や営業活動にオンデマンドの動画セミナーが活用されるようになりました。動画の利用は多様な側面から注目を集めています。

動画の配信方法にはリアルタイム配信とオンデマンド配信がありますが、いずれも高品質のコンテンツを配信が重要です。また、視聴するデバイスにしたがって最適なファイルに変換しなければなりません。

AWS Elemental MediaConvertとは?
AWS Elemental MediaConvertとは?

AWS Elemental MediaConvertは、AWSのファイルベースによる動画変換サービスです。シンプルな操作によってオンデマンド配信に役立ちます。概要を解説します。

1. AWS Elemental MediaConvertの概要

参照: https://aws.amazon.com/jp/mediaconvert/

動画配信の需要が高まるにつれて、コンテンツオーナーのデジタルライブラリは多様かつ大容量になり、変換処理や管理の効率化が求められています。コンテンツデストリビューターにとっては、ストレスのない高品質の動画配信が重要です。

オンデマンドによる大規模の動画配信では、PCやスマートフォンなど多様なデバイスによる視聴を前提になり、配信に適したファイルやサイズに変換(エンコード)が必要です。動画ファイルとともに、アクセスや再生を記述したMPDファイル、プレイリストを記録したM3U8ファイルなどを配信のために管理しなければなりません。

AWS Elemental MediaConvertは、オンデマンドの動画コンテンツ配信に必要なファイルをシンプルかつ信頼性の高い方法によって変換処理するサービスです。

VOD(ビデオオンデマンド)形式の配信にあたって、ファイルベースならびにライブ配信の動画に複数形式のパッケージングを行い、それぞれデジタル著作権管理(DRM)を使用してコンテンツを保護、マルチデバイスによる視聴を可能にします。

仕組み (Source: AWS)
仕組み (Source: AWS)

動画配信やアーカイブのために複雑なインフラストラクチャーを用意しなくても、動画変換処理ができる環境を提供します。AWSのさまざまなサービスと連携させるだけでなく、スタンドアロンでも使えます。

2. AWS Elemental MediaConvertのメリット

メリットとしては、高品質の動画ファイル形式を包括的にサポートしているツールを備えていること、高い信頼性とシンプルな管理機能を備えていること、プロアクティブな料金体系の3つが挙げられます。それぞれ解説していきましょう。

AWS Media Services
AWS Media Services

2-1. 高品質の動画ファイル形式を包括的にサポート

サポートしているブロードキャスト用の圧縮規格として以下があります。

  • AV1
  • AVC
  • HEVC
  • Apple ProRes
  • MPEG-2

カラーサンプリング方式は10 ビットの4:2:2をサポートしています。輝度のほか青系統と赤系統のデータを半分間引いた、業務用カメラなどにおいて標準的なフォーマットです。さらに、高解像度(4Kおよび8K)のソース、ハイダイナミックレンジ (HDR) の動画コンテンツの処理および変換もサポートします。

ハイダイナミックレンジの動画処理に関してはDolby Visionを含みます。Dolby Visionは、従来のTVに対して40倍以上の輝度を表現し、最大で1,000倍以上のコントラスト、滑らかな色調などによって、ハイダイナミックレンジとともに豊かな視聴体験を提供する技術です。HDR10+とともにゲームや映画のコンテンツで注目されるようになりました。

マルチデバイスの視聴では、配信側がプレーヤーの再生状態を監視して最適なビットレートに切り替えるアダプティブ・ビットレート(ABR)も重要な技術です。Microsoft Smooth Streaming、Apple HLS、DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP) ISOのほか、Microsoft社とApple社によるCMAF(Common Media Application Format)などをサポートし、最適な視聴環境を実現します。

その他、動画の上に静止画のロゴなどを重ねてフェードイン/フェードアウトの処理をするグラフィック・オーバーレイ、外国映画などでは欠かせないクローズドキャプション(CC)と多言語音声、コンテンツ保護などの機能を提供します。

2-2. 高い信頼性とシンプルな管理

AWSの管理コンソールやAPIを使ってすぐに使い始めることができるとともに、以下の作業を自動化し、動画処理のインフラストラクチャーの管理負荷を軽減します。

  • リソースのプロビジョニングと最適化
  • サービスのオーケストレーション
  • スケーリング
  • フェイルオーバー
  • 監視とレポート

リソースのプロビジョニングと最適化に焦点を当てると、作成された各ジョブは物理的に隔離されたAWSのアベイラビリティーゾーンに配置されます。したがって、インフラストラクチャーの高度な冗長性が確保されます。リソースをモニタリングし、機能が低下したコンポーネントはジョブを継続したまま自動的に交換することが可能です。

動画の視聴においては、応答時間に遅れがないことはもちろん、快適なパフォーマンスが求められます。AWS Elemental MediaConvertは、視聴の状態をモニタリングして最適なプロビジョニングを行います。ワークロードのピークに合わせて柔軟かつ自動的にスケーリングし、聴者に対する信頼性を高められます。

2-3 プロアクティブな料金体系

設備投資やインフラストラクチャーへの先行投資を必要とせずに、需要に合わせて柔軟に予算を設定できます。料金体系は、オンデマンド料金、リザーブド料金、そしてオンデマンド料金とリザーブド料金の組み合わせから選べます。

オンデマンド料金は、最低料金のない従量課金制で、変換処理を行った動画の分単位の再生時間にしたがって計算されます。長期間の契約や前払いは必要ありません。機能を制限した低コストのベーシック、すべての機能を利用可能なプロフェッショナルがあります。

オンデマンド料金が最適なユースケースは、速度とスケールが重要かつ予測不能なワークロードで動画配信を行う場合、プロモーション用など短期間で利用する場合、新しいアプリケーションやワークフローを活用する場合です。

リザーブド料金は、月額の定額料金制で最低12か月の契約が必要です。トランスコードスロットを1つ以上購入する必要があり、Dolby AudioとAudio Normalizationは使用に合わせて追加料金が請求されます。

リザーブド料金に向いているユースケースとしては、あらかじめ動画の視聴状況が予測できている場合です。コンソールから必要なスロットの見積りを計算できます。典型的なジョブをオンデマンドキーから実行し、所要時間から希望する応答時間を設定することにより、最適なスロット数を予測して割り出します。

3. AWS Elemental MediaConvertの機能

コンポーネントには、ジョブ、キュー、プリセットがあります。

3-1.ジョブ

動画ファイルのコンバート処理を実行し、入力したファイルを1つ以上のファイルに出力します。動画、オーディオ、キャプションなど複数の入力ファイルを1つにまとめるか別々のファイルに分けるか、もとのファイル名や変換後のファイル名などの設定が可能です。

ジョブテンプレートでは、ジョブ全体の設定を指定できます。ただし、入力ファイルの場所と名前や、タグ付けするユーザーのメタデータなど、ジョブごとに変化する設定がある場合を除きます。また、AWSのサービスや他のアカウントに対して操作権限を付与するIAMロールに関しても除外の対象です。

3-2.キュー

ジョブを並行処理するリソースをアカウントで管理できます。設定できるキューは、オンデマンドキューとリザーブドキューの2種類です。オンデマンドキューでは、送信したジョブの0.01分単位で課金されます。リザーブドキューは、使用量に関わらずトランスコード容量全体の料金が課金対象であり、月額の定額料金で、最低12か月の契約が必要です。

3-3.プリセット

出力別に保存済みのエンコードのグループを設定できます。システムプリセットを選択すすると、一般的なファイル出力を簡単に設定可能です。既存のプリセットを複製、最初から作成するとこにより、カスタムプリセットで処理することもできます。

AWS Elemental MediaConvert Explained (47 秒) をご覧ください

4. コロナ禍の行動変容で高まる動画ニーズ

ONETECHはベトナムでオフショア開発を行なっています。新型コロナウィルスの影響で動画を使ったWEBサービスのお問い合わせが非常に増えています。またAWSをはじめとしたクラウドを利用したDX需要は年々上がり続けています。

コロナ禍の中、人々は行動変容を迫られました。動画を使ったオンライン中継、オンデマンド視聴、エンターテインメントのライブ、オンラインライブ講座、テレワークや業務中のライブ動画でのサポートなど利用シーンはますます広がっています。

弊社の直近の開発実績を紹介します。

ファンクラブ会員サイト(サブスクリプション)を管理できるプラットフォームの追加開発。動画プラットフォーム「vimeo」を使いファンクラブ限定の動画配信システムを実現しました。

リモート営業支援システム(WEB会議)を研究開発しました。 お店に来客したお客さはスタッフを呼び出してオンラインで通話できるシステムです。Amazon Chime SDK、Lambda、Web会議アプリをAWS上にサーバーレス構成で作成しました。

WebRTCを活用し、PCやスマホでライブストリーミング(生中継)できる配信システムの開発。同時に1000名が利用しても、低遅延で配信できるようにAWSで効率的なサーバ設計をしました。投げ銭システムも導入。

業務遠隔支援システム開発

スマホアプリでシャオミ社製のアクションカメラをコントロール。低遅延リアルタイム中継で遠隔の業務を支援するシステムを構築。生産現場の生産性を改善。

全てベトナムの優秀なエンジニアが開発を行いました。ベトナムで開発するためもちろん開発費用のコストダウンも実現しています。

5. おわりに

動画視聴の需要が高まり、ストレスのない快適な環境できれいな映像を楽しみたい視聴者が増えました。視聴に利用するデバイスは、テレビ、PC、タブレット、スマートフォンのように多様化しています。高画質の大容量のファイルを多様な端末に配信するニーズに応えるとともに、煩雑な処理負荷を軽減しなければなりません。

AWS Elemental MediaConvertを使うと、AWSの機能と連携させて動画配信サイトを構築し、ビジネスに活用できます。エンターテイメント、セールス、教育など、さまざまな分野で動画の活用を考えている場合には、利用を考えてはいかがでしょうか。

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