2018年からマイナンバーカード制度が始まり徐々に普及率が高まっています。日本人であれば付与されて当たり前というイメージのあるマイナンバーですが、外国人にも付与されているのでしょうか?付与されているとしたら、外国人を雇用するときはどのような手続きが必要なのでしょうか?今回は外国人雇用時のマイナンバーについて、手続きや注意点を解説します。
行政書士:柏木 太郎(カシワギ タロウ)
- 東証一部上場企業の法務部門での勤務を経て行政書士として開業。
- 行政書士として外国人のVISA申請を手掛けるとともに、法務部員としての
- 経験を活かし契約書の作成・修正や企業のコンプライアンスを受け持つ。
そもそもマイナンバーとは
マイナンバーとは、国民1人に対し12桁の数字(マイナンバー)を付与し、行政の効率と利便性を高めるための制度です。これにより社会保障や税関係の手続きの際に提出書類が削減されるなど、手続きが簡素化されます。
外国人(短期滞在者除く)にもマイナンバーは付与されている
結論からいうと、外国人であっても日本に3か月以上在留する中長期在留者にはマイナンバーが付与されています。
マイナンバーが付与される条件は「日本に住民票を有すること」です。中長期在留者は住民票登録が義務付けられているため、中長期在留する外国人には必然的にマイナンバーが付与されることとなります。
外国人は、マイナンバー制度をよく知らずに郵送された通知カードを受け取っていない場合や紛失してしまった場合もあります。郵送直後であれば郵便局や市区町村役場で保管されていますが、保管期間を経過してしまうと再発行の申請を行わなければなりません。事業主は、雇用する外国人が在留カードを所有しているにも関わらずマイナンバーを知らない場合、マイナンバーについて説明してあげましょう。
外国人雇用時のマイナンバーに関する注意点
続いて、外国人を雇用する際のマイナンバーの扱い方や注意点について解説します。
マイナンバーが付与されていない外国人を雇用してはいけない
マイナンバーが付与されていない外国人を雇用することは法律で禁止されています。
というのも、外国人はその保有している在留資格によって雇用の可否が分かれ、雇用可能な外国人は就労可能な在留資格(いわゆる「就労ビザ」)を保有しています。就労ビザを保有している=在留カードが発行されており、在留カードが発行されていることは日本に住民票が存在することを意味します。住民票が存在する=マイナンバーが付与されていますから、マイナンバーが付与されていない場合、その外国人は適切な在留資格を保有していない可能性があります。適切な在留資格を有していなければ日本で働くことはできませんから、そのような外国人を雇用することは禁止されているというわけです。
そして、事業主は、外国人を雇用する際はその外国人の在留カードを確認する義務があります。雇用した後に“マイナンバーが交付されていないとは知らなかった”と言い訳しても通用しません。
なお、正社員として雇用する場合だけでなく留学生等をアルバイトとして雇う場合にもマイナンバーの提出は必要です。アルバイトでも、社会保険や税の手続きは必要だからです。
マイナンバーの提出を求めるときは理由を明確に伝える
マイナンバーは個人情報であるため、事業主が外国人に対しマイナンバーの提出を求めることができるのは社会保険や税に関する手続きを行うときのみです。雇用する外国人に対しマイナンバーの提出を求める場合は、提出したマイナンバーは社会保険や税の手続きを進める目的でのみ使用する旨通知しましょう。
なお、マイナンバーの提出を外国人に対し強制することはできません。社会保険や税の手続きはマイナンバーがなくとも可能ですが、その場合はマイナンバーの記載が無いことについて理由を尋ねられる可能性があります。
提出を受けたマイナンバーは適切に管理しなければならない
前述の通り、マイナンバーは個人情報です。社会保険や税の手続きのために保管する場合は紛失や漏洩を防ぎ厳重に保管しましょう。例年、マイナンバー紛失・漏洩事故は多数発生しています。個人情報方保護委員会が公表したデータによれば2017年度にはマイナンバーの漏洩事故件数は374件にものぼっています。
また、手続きの必要がなくなった場合、マイナンバーを保管する必要性もなくなります。保管の必要性がなくなったら、外国人従業員から提出を受けたマイナンバーは破棄しましょう。破棄の際も、重要な個人情報であるマイナンバーの漏洩を防ぐため適切な破棄がもとめられます。事業主はマイナンバーの取り扱いや管理について十分注意しましょう。
マイナンバーを通して公的義務の履行状況を確認される可能性がある
マイナンバーを通じて、年金や保険料等の履行状況を確認される可能性もあります。公的義務を履行していない外国人を雇用していては事業主が信用を失ったり場合によっては罰則を受けたりすることもあり得ます。外国人にとっては在留期間の更新や永住権の申請の際に公的義務を履行していないと審査が不利になってしまいます。これらの観点でも、雇用時のマイナンバー対応はしっかりと行った方が、事業主と外国人の双方にメリットがあるといえるでしょう。
まとめ
今回は、外国人雇用時のマイナンバーの扱い方や注意点について解説しました。外国人であっても中長期在留者であればマイナンバーの取り扱いは日本人と同じです。外国人を雇用する際はマイナンバーを求めるとこもプロセスの1つとして必要となることを意識しておきましょう。
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