ITが多くの企業で日常的に運用されてから、多くの月日が経ちましたが、ITシステムもまた時代に合わせた変化を必要としています。
特に自社で運用している独自の基幹システム(レガシーシステム)などにおいては、多くの企業で課題はあるがアップデートが進んでおらず、最新の技術を有効活用できていないと課題があると言われています。
そこで注目されるようになっているのが、レガシーシステムのマイグレーションと呼ばれるシステムのアップデートです。
今回はそんなマイグレーションが持つ魅力と、その際に考慮しておくべき課題についてご紹介していきます。
マイグレーションとは
マイグレーションは、既存のデータやシステムを丸ごと新しいデータベースへと移したり、新しいシステム環境へと移行させたりすることをさしています。
レガシーシステムの移行作業
企業で長らく使われているITシステムはレガシーシステムと呼ばれ、多くの弊害を招くということで注目されているキーワードです。
レガシーシステムの運用によってもたらされるデメリットを、新しいシステム環境の提供によって解決するのがマイグレーションです。
移行のためのアプローチとしては、全く新しいプラットフォームを一から組み直す方法や、クラウドベースの環境へと移行する方法など、様々です。
その会社のレガシーシステムが抱える課題と、レガシーシステムが与える会社への恩恵に考慮しながら、システムを刷新していくことが求められます。
レガシーシステムの限界
レガシーシステムが悩ましいのは、まだそのシステムは問題なく使用できるという点にあります。
システムが停止してしまい、動かなくなったのであれば新しいシステムの導入は必然ですが、動いているものをわざわざ買い換えるというのには抵抗のある人も多いでしょう。
しかし、レガシーシステムはコスト面とセキュリティの面で、大きな負担とリスクを備えています。
レガシーシステムの運用管理には最新のシステム環境とは異なる技術を要するため、維持費用は大きくなってしまいます。
また、最新のOSへとアップデートすることができず、サイバー犯罪の増加とは裏腹にセキュリティも脆弱なまま使用し続けることになります。
高額な維持費をかけなければ適切なサポートが受けられないリスクと、セキュリティリスク、そして最新技術にキャッチアップできない不便を抱えた状態での運用が続くのです。
こういった問題をまとめて解決する方法として、マイグレーションは脚光をあびるようになりました。
マイグレーションに伴う課題とその解決方法
現行システムの課題を丸ごと解決してくれるマイグレーションですが、実施に際しては事前に考えておくべき課題も残ります。
移行後のシステム運用に伴うトラブル
マイグレーションに伴うトラブルとしてよくあげられるのが、移行後のシステムにおいて、適切な業務フローを遂行できないという問題です。
既存システムの刷新を行う際、従来の業務環境を維持することができれば良いのですが、設計上、それが難しい場合もあります。
そのため、事前にそのようなトラブルを想定せず、思いのままにシステム移行を進めてしまうと、移行後の環境ではかえってパフォーマンスが低下してしまうことも考えられます。
システムを移行してから業務フローを再構築するのでは、大きな機会損失を産んでしまうリスクも発生します。
そのため、あらかじめ現在の業務フローを見直しておく必要があるのです。
移行後のシナリオをきちんと作成
マイグレーションに伴う業務の見直しを進めていく上では、移行後のシステム運用をどのように進めていくかのシナリオを検討することも大切です。
そもそも、従来のシステム運用に際しては業務フローを適切に管理していないケースも散見されるため、業務の見える化を一から行っていく必要もあります。
マイグレーションはこういった業務の見直しを行う機会も提供してくれるため、ITの刷新のみならず、業務そのものの刷新も進めていくと良いでしょう。
マイグレーションで得られるメリット
業務の刷新以外にも、マイグレーションによって得られるメリットは魅力的なものがあります。
コストパフォーマンスの向上
1つ目は、コストパフォーマンスの改善です。
システムを最新の状態にアップデートし、クラウド化にも着手すれば、維持管理のコストは大きく削減することができます。
IT資産の有効活用
マイグレーションはゼロからシステムを作り直す訳ではなく、あくまでシステムの刷新です。
そのため、現在運用しているアプリやオペレーションはそのまま維持しての運用が可能となり、システムの有効活用につながります。
最新技術の導入が容易に
また、クラウドサービスやAIなど、これまでのシステムでは対応できなかった最新テクノロジーの運用も容易になります。
流動性の高い市場においても、しっかりと適応力を発揮することが可能になるでしょう。
ONETECHのシステムマイグレーション
ONETECHではシステムのマイグレーションにも対応しております。オフショア開発のメリットは、マイグレーションを進める上で壁となる、エンジニア不足やコストを克服できることです。
とくに機能開発ではなく新言語への書き換えなどは理解コストを抑えることができ効率よく低コストで対応可能です。
コロナ禍で浮かび上がるテレワークと予算の見直し
日本では働き方改革や新型コロナウィルスの影響で在宅勤務、テレワークが注目されています。オフショア開発もテレワークの一種とも捉えることができます。また先の見えない未曾有のウィズコロナの中で、マイグレーションにかかる予算の見直しを迫られる企業もあります。エンジニア不足の解決策やコストダウンとして海外でエンジニアリソースを調達するオフショア開発の動きは加速しています。
おわりに
マイグレーションには費用と時間がかかる上、移行後の課題にも適切に対処しなければなりません。
しかし、それらの負担を上回る恩恵をしっかりと受けることもできるため、レガシーシステムの刷新にはしっかりと取り組んでいきたいところです。