博物館、美術館でのXR(VR、AR)の活用事例

XRとは「X Reality(クロスリアリティ)」の略称です。VR、AR、MRなどの総称を指します。近年博物館や美術館でのデジタル活用が進んでいます。この記事では、博物館や美術館でどのようにXR活用されているのかまとめました。ぜひ参考にしてください。

VR-AR-MR-XR-Technology

博物館、美術館でのXR(VR、AR)の活用事例

博物館・美術館のデジタル活用の流れ

まず博物館や美術館でのXR活用を紹介する前に、簡単にXR技術の特徴を解説いたします。

名称 意味 特徴
VR 仮想現実 コンピューター上で生成されたデジタル世界に没入する技術
AR 拡張現実 現実世界の視野に対して、デジタル情報を重ねる技術
MR 複合現実 現実世界の視野に対してデジタル情報を重ねる。オブジェクトを操作することで、現実・デジタル世界どちらにも作用する特徴を持つ
SR 代替現実 現実世界に過去映像を融合して投映する。過去に起きた事象が現実の時空間にあるように見せる技術

これらの技術の総称を「X Reality」と総称します。Xは未知数を表わします。

近年博物館や美術館展示でのXR(AR/VR/MR)活用を後押しする流れができつつあります。
過去の事例では、2019年にマイクロソフトが公募に採択された博物館に資金と自社製品の提供を行いました。
博物館のスタッフは、展示でのXR活用トレーニングを受講し、展示物をただ眺めるだけでなく、自分で動かしたりしながら鑑賞できる体験を制作しています。
このように博物館や美術館でのXR活用が普及しはじめています。

博物館・美術館のXR活用事例

博物館・美術館のXR活用事例

博物館・美術館のXR活用事例<画像引用:Pixabay>

ここから日本国内で近年実施された博物館や美術館でのXR活用展示例について、3事例ご紹介いたします。

活用事例1 5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』

活用事例1 5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』

活用事例1 5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』<画像引用:東京国立博物館>

1例目に紹介するXR活用例は、2020年9月29日から10月25日まで東京国立博物館で開催された【5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』】です。
今回紹介する鑑賞方法は、次の2つです。

「魔法のグラス」をかけて会場の原寸大複製画パネルを見ると、アニメーションや説明文が表示され、視覚的に分かりやすく作品が解説されます。
「魔法のルーペ」は、5Gスマートフォンを複製画パネルにかざすと、超高精細画像が表示され、エピソードを選択して流れる解説とナレーションで音声と映像の解説が楽しめます。

●ポイント
特設サイトに紹介されている「魔法のグラス」はKDDIが販売している「Nreal Light」というARグラスです。特徴として、3点が挙げられます。

  • メガネのように折りたたむことが可能で、コンパクトでかけやすいデザイン
  • スマートフォン接続型なので、持ち運びが容易で場所を選ばずに使用可能
  • 今までスマートフォンを通して見ていたAR・VRなどのXR表現をより自然に体験可能
目の前に100インチのスクリーンが広がるなど5Gスマホ連携でリッチな映像体験を提案

目の前に100インチのスクリーンが広がるなど5Gスマホ連携でリッチな映像体験を提案 (引用:KDDI

詳細は、過去に「Nreal Light」について紹介した記事を参考にしてください。
参考記事:ARグラス「Nreal Light」とは?2020年第1期「NREAL LIGHT」最新情報まとめ

https://onetech.jp/blog/latest-information-about-nreal-light-2020-7701

5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』予告編

活用事例2 VR作品『鳥獣戯画 超入門!』

2例目に紹介するXR活用例は、2021年4月13日(火)から東京国立博物館東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアターで開催されているVR作品『鳥獣戯画 超入門!』です。

TNM & TOPPAN ミュージアムシアターは、2018年1月にリニューアルオープンした最新VR技術で鑑賞体験が出来るシアターです。
こちらのVR作品の上演は2021年7月11日(日)まで行われています。
参考:https://www.toppan-vr.jp/mt/

ポイント
東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化されました。
収蔵品は展示の関係上、鑑賞できる機会が限られます。デジタルコンテンツ化すれば、劣化や期間制限を超えいつでも鑑賞を体験できる点がポイントです。

VR作品『鳥獣戯画 超入門!』告知映像

活用事例3 ドコモ×国立科学博物館 XRで楽しむ未来の展示

3例目に紹介するXR活用例は、「ドコモ×国立科学博物館 XRで楽しむ未来の展示」です。2020年11月12日から11月25日まで国立科学博物館で開催されました。

こちらの展示では、展示されている剥製について、本物の剥製を見ながら、表示される動物の情報や、頭骨などの3Dモデルを見て操作する体験を提供されました。

ジャイアントパンダや、シカ・ウシなどの剥製の上に頭骨などの3Dモデルを鑑賞することが出来ます。
使用されている空間コンピューティングデバイスは「Magic Leap 1」です。

ドコモ×国立科学博物館 XRで楽しむ未来の展示

ドコモ×国立科学博物館 XRで楽しむ未来の展示 <画像引用:docomo XR>

ポイント

これまでにない視点から観察するなど、新しい博物館展示の体験が提供されました。

  • Magic Leap1は50°という広い視野角に高解像度で表示できる特徴があります。
  • 表示色は1680万色に対応しているため、きれいに映像が表示されます。
  • デバイスは軽く316 g程度。ヘッドホン並みに軽いため、ストレスフリーでコンテンツを楽しむことができます。

Magic Leap 1の参考記事はこちらから

Magic Leap 1 は空間コンピューター。

Magic Leap 1 は空間コンピューター。

https://www.nttdocomo.co.jp/product/magicleap1/

オフショア開発を活用したXR開発事例

弊社ONETECHは、ベトナムホーチミンで日本企業向けのオフショア開発をしています。特にXR開発には力を注いでいます。
2015年から数多くのXR開発事例がございますが、今回はその中でも美術館や博物館や遺跡や文化財などに活用した事例をご紹介します。

観光地を活性化。AR技術で遺跡に建造物を再現、VRでも体験できる観光地向けAR・VRアプリ開発

観光地や地域活性化のためのAR/VRの活用例です。AR×遺跡×建造物復元したiPhone/Androidアプリの制作実績です。UNITYで開発。主な機能として遺跡に建造物を復元、VRで過去の建造物内をウォークスルー、クイズラリーやAIチャットボットでの観光案内機能が搭載されています。

博物館のAR活用。iBeaconを利用した多言語対応のインバウンド向けUNITYアプリ開発

インバウンド需要の急拡大で観光施設向けの多言語対応のスマホアプリの開発実績です。iBeaconにより近接通信で展示物を鑑賞するためのガイダンスをAR表示します。

まとめ

いかがでしたか?この記事では博物館や美術館でのXR活用事例について解説いたしました。
新型コロナウイルスの影響によって、従来のような鑑賞体験が難しくなりました。博物館や美術館では、現在新しい鑑賞体験を提供できるよう試行錯誤されています。

「デジタルを活用した新しい鑑賞体験を制作したい、でもAR/VRに対する知見がなくて困っている」などお悩みがありましたら、ぜひONETECH にご相談ください。

すでにONETECH ASIAでは、AR/VR関連の開発実績があり、3Dモデルについてもご相談にのれます。

AR、VR、XR開発、UNITY開発3DCG制作でお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。

ONETECHはベトナムオフショア開発でAR/MR/VRソフトウェアの開発に力を入れています。AR/MR/VRソフトウェアの開発のご相談はぜひOne Technology Japanへお気軽にお問い合わせください。

https://onetech.jp

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