オフショア開発における文化の違いを解消する手立てと考え方

ソフトウェア・システム開発やアプリ開発におけるオフショア開発は「海外の企業」へ仕事を発注するため「リモートワーク(情報通信技術を通じた勤務体系)」が前提になります。そして、開発スキルと意欲・能力があり、労働コストが格段に低い外国人エンジニアへ業務委託するメリットがある反面、コミュニケーションコストが高くなる傾向もあります。

その為、オフショア開発企業はコミュニケーター(IT通訳者、ブリッジSEのように意思疎通を図る職種)を中心に、また発注先企業は発注担当者を中心にお互いに相手国企業の「文化の違い」を理解した上でプロジェクトの成功へと尽力する必要性があります。そこで、この記事では日本人から見て相手国のオフショア開発で生じやすい文化の違いについて触れながら、具体的な解決策についてお伝えします。今回はベトナム中心ですが他の国でも当てはまるケースもあると思います。

オフショア開発における文化の違いを解消する手立てと考え方

オフショア開発における文化の違いを解消する手立てと考え方

オフショア開発の文化の違いが生じる理由

オフショア開発で「文化の違い」が生じるのは「他国にいる優秀なIT人材へ仕事を頼む」からです。そのため「言語の壁・風習の違い・労働観の差異」など自国以外の考え方・生き方に触れてながら共に働く感覚は、海外労働者と関わる担当者でなければ理解しづらい側面です。

つまり、メール・チャット・電話会議など様々な意思疎通を継続しながら「解決したい課題」を対話しながら開発し続ける技術者とコミュニケーターがいれば、文化の違いを発注元企業(貴社)が知らなくても問題はありません。大切な点は日本語話者で日本の商習慣を知っている担当者が納期や品質をコントロールする体制です。お互いを尊敬し相手のことに思いを馳せながら継続的にコミュニケーションをすると自然と相手国の文化の違いなどが見えてくるかと思います。

「言語の壁・風習の違い・労働観の差異」

「言語の壁・風習の違い・労働観の差異」

次の項目からはベトナムを起点にしたオフショア開発を例に挙げます。

性格

ベトナム人は日本と同じアジア圏なので、勤勉で真面目で向上心の高い性格です。また誇り高いという性質もあります。なので、欧米圏の人たちへの一貫した「ストレートな言動」というよりは、お互いを尊重しあい敬意を持って意思疎通を図ると良い関係性を築けます。特にITエンジニアはその土台となる理数系の学力は世界でも高い水準を誇っています。先端テクノロジーには常にアンテナを張りめぐらせ常に新しいことに興味を持っている印象はあります。
ベトナム人の人々は日本に親近感を持ち非常に友好的な態度で接してくれるケースが多いです。特に若いベトナム人は日本のアニメなどをよく知っているので共通の話題になりやすいです。またシャイで謙虚な側面も日本人と共通する性格の傾向のようです。

 

生活習慣の違い

ベトナム人の生活習慣は日本と比較するとゆったりとしています。そのため、日本人からすれば製品・サービスへの品質管理のゆるさを感じる場合も多くなるので、コミュニケーターを通じてPMとともに明確なゴールの設定をする必要があります。納期や報告、連絡、相談なども初期の段階でルールとして明確にしておいた方が良いです。特に問題が発生した時、悪いことでも迅速に報告をしてもらい一緒に解決しようというスタンスを明示したほうがベターです。

元来真面目な性格の人たちが多い国なので、設計書・仕様書を中心に「合意形成」を図る必要があります。また、教育体制を強化することで意思統一をすることを基本姿勢とするオフショア企業も多く、頼る時のポイントにしやすいと言えます。

 

労働観の違い

日本人の働き方とベトナム人の働き方は違います。ベトナム人は家族や友人、恋人をとても大切にします。同様に一緒に働く仲間も大切にしています。会社を選ぶ際には、会社の雰囲気や仲間で選ぶ傾向があります。ベトナムで会社を経営する際には、良い労働環境を作ると口コミで社員の友人が面接に来るケースが多いです。社員旅行やテト(旧正月休み)前の忘年会などは家族を連れて一緒に祝うのが通例です。日本でも働き方改革というテーマが盛んに議論されていますが、ベトナムでもワークライフバランスを重視する傾向がありますのでマネジメントや発注もそれを踏まえた上で丁寧に的確に発注する必要があります。またベトナム人はジョブホッピング(賃金が良いとすぐに転職してしまう)という傾向が多いと言われています。こちらもしっかりとキャリアプランとしてのスキルアッププランとライフプランを、オンでもオフでもわかりやすく明示して継続的にコミュニケーションを取ることで防ぐことができます。どうしても言語の壁でコミュニケーションが疎くなると何も言わずに転職してしまったということは日本でもよくあることです。

 

生活環境の違い

日本では電車が時間通りに走り、コンビニやネットショッピングででは24時間欲しいものがいつでも手に入り、スイカなどの電子マネー、PAYAPAY、クレジットカードが普及しています。

生活面ではインターネットはほぼ全国どこでも貼り廻らされ、より通信性能が向上する5Gといった次世代通信網も整備されています。蛇口をひねれば飲料水があたりまえのようにでるように上水道、下水道も電気もガスももちろん整備されています。職場でも一人一台のPCで業務管理ソフトにより、勤怠管理から営業管理、在庫管理、流通管理など多くの場面で電子化が行われています。

一方でベトナムでは都市部に限っては急速に上記のような特にICTインフラが整備されてはじめられている状態ですが、現在のベトナム人30代の人に聞くと、幼少期はどの家庭もガスではなく石炭や薪で料理をしていたそうです。このように私たち日本人と様々なギャップがありますので相手の環境を理解しつつわからない前提で丁寧な共通認識の確認が必要です。特にシステム構築は業務がわからないとうまくいかないケースが多いです。

例えばECシステムを制作する際に、私たち日本人はカートから決済ページのフローは日常にそのサービスに接しているので理解しやすいですが、ベトナム人の場合、ネットショッピング(最近は急速に発展していますが)に接している機会が少なかったり無かったり、決済手段が違うのでフローが違ったりしているのでしっかりとした説明(ユーザーフローや仕様定義とその背景の説明)が必要です。日本人同士だと共通認識があるので「曖昧な状態」でも共通認識をもとに推測しながら文脈を読んでいけますが、外国の人たちは背景が違うので、日本人が暗黙に期待している文脈を読むことは出来ません。こちら側の「意図」をわかりやすく明確に伝えずに、彼らが私たちの言い分を理解してくれないと思わない方が賢明です。

 

地理的、政治的、歴史的背景が生み出した違い

労働感の違いや、生活環境の違いは地理的、歴史的、政治的な背景に関係しています。

ベトナムは亜熱帯から熱帯に位置し、水が豊かな土地です。ハノイには四季がありますが、それでも一番寒い季節の一月の平均気温が14℃と日本と比べると温暖な気候です。一方で南部のホーチミンは雨季と乾季がありほぼ一年中30℃を越す熱帯気候となります。

ベトナムオフショア開発 - 地理的、政治的、歴史的背景が生み出した違い

ベトナムオフショア開発 – 地理的、政治的、歴史的背景が生み出した違い

宗教は70%以上が無宗教とされていますが、その次に多いのが仏教徒、続いてカトリック教徒が多いです。最近は、日本語学習者が増えていますが、ベトナム語はアルファベット表記なので漢字には馴染みがありません。政治体制はベトナム共産党の一党体制の社会主義国家です。民主主義とは政策や法律など国家の運営方針が大きく違う面もあるので注意が必要な部分もあります。

2000年代初頭から大きな経済成長を遂げますが、現在も産業の中心は農業や漁業などの一次産業が中心となっています。しかしながら最近の急成長でホーチミンではコンビニや世界のチェーンストアが立ち並びファッショナブルな若者がスマホ片手にYOUTUBEを見ている姿は日本と何ら変わりがないように感じる側面もあります。例えば数年前はiPhone(日本と同価格)は高嶺の花でした。一般ビジネスマン(ホワイトカラー)がマイカー(車両価格に+100%の税金がかかる)を持つことも想像できない状態でした。彼らの獲得する給与と、それらの価格は大きな開きがありました。ところが最近はホーチミンの金融や、IT系の社員たちはiPhoneをもちマネージャクラスはマイカーを持てるようになりました。ただ先にも書いたように地方の1次産業従事者の月収はまだ100$を超えたところだそうです。

 

オフショア開発の文化の違いは一意の意思疎通が鍵

では、オフショア開発で発生する「文化の違い」は絶えず意思疎通を海外開発者と続ける姿勢と行動が最も近道になります。飛び道具や秘密の手段などは存在せず当たり前に対話を続けて、要件定義と仕様に基づく開発をたゆまず続けていきます。

例えば、設計書自体はどのくらいの粒度で書くかは現場で課題になります。そもそも日本語は海外の技術者にとっては「外国語」になります。

オフショア開発で「文化の違い」が生じるのは「他国にいる優秀なIT人材へ仕事を頼む」からです

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行間はあまり読まれず、出来るだけ整理してわかりやすく伝える。簡単な図解を書くことや、動画で伝えるなど簡単にできる工夫をすることで手戻りが少なくなり修正項目の減少へとつながります。チャットや通話などの難解な専門用語や業界用語をつかった会話や日本人同士での「あうんの呼吸」も含まれるチャットの文章ではいくら優秀な日本語話者でもわからないことが多いです。(日本人同士でも、ある特定の業界や特定の会社の内輪の会話はわからないことが多い経験をされている方も多いと思います)

そのため、「文章を簡潔に端的に整理して伝える文章力」も発注者側、コミュニケーター側双方に求められる資質の一つでしょう。

 

文化の違いを知るために

もし外国人と仕事をしたい、あるいはすることになった場合に、相手国の文化を知ることは非常に重要です。ベストはその国に訪問して滞在して肌で感じることです。なかなかそれができない場合は、インターネットでのその国の文化や歴史を調べてみると相手国の置かれている状況や、国民の習慣や性格が培われた背景などを学ぶことができます。

また例えばベトナム語だと「シンチャオ」(こんにちは)、「カムオン」(ありがとう)などの簡単な挨拶くらいは身につけると相手も親近感が俄然と湧いてくると思います。商談をする前のアイスブレークにお互いの文化のことなども会話ができるとコミュニケーションの質は必ず上がっていきます。相手の立場を知り、相手のことを想像して敬意を持って接することが重要です。

 

まとめ

オフショア開発ではお互いに空気を読みながら仕様書を定めずに開発を進めるのではなく、初期段階から「具体的でわかりやすい指示の徹底」を続ける必要があります。文化の違いは目の前に存在し続けるため、その違いを理解した上で業務遂行ができる企業を選ぶ姿勢とお互いを知る努力が必要になります。

ONETECHのベトナムオフショア開発の体制

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