自社で求人ポータルサイトを構築したいと考えていないでしょうか。しかし、構築方法や費用感がわからずに動き出せない人も多いはずです。
このコラムでは、求人ポータルサイトをCMS・オープンソースで開発したい人向けに、開発できるサイトの種類や作り方、費用感をまとめました。目的や予算に合う構築が可能かぜひ確認してみてください。
求人ポータルサイトとは?
求人ポータルサイトとは、求人を獲得するための入口となるWebサイトのことです。求職者が必要とする情報を掲載するのが一般的であり、サイトを運営する企業にアクセスユーザーが興味を持つような情報を発信します。
また、デザインや運営方法が複数あることに気を付けなければなりません。参考として、よく利用されている5種類の求人ポータルサイトを紹介します。
専門型ポータルサイト
専門型は、特定の情報発信・情報掲載に特化したサイトのことです。カテゴリをひとつ(またはふたつ)程度に絞り込み、ユーザーに関連性の高い情報だけを届けます。
また、カテゴリを絞り込んで運営するため、ニッチなユーザーに刺さりやすい情報を届けられるのが魅力です。例えば、求人向けなら「DODA」、不動産向けなら「アットホーム」などが該当します。
地域型ポータルサイト
地域型は、特定の地域情報だけに特化して情報発信をおこなうサイトのことです。例えば、東京都にある求人情報の発信や、グルメ情報の発信を行うサイトなどが該当します。
地域ごとの自治体が運営しているケースもありますが、グルメ・観光・求人といった分野は企業運営によるポータルサイトも見つかります。
口コミ型ポータルサイト
口コミ型は、文字通り口コミ投稿・閲覧を目的としたサイトのことです。企業情報に対する口コミを投稿するページが設けられているほか、評価された数値などを表示してランキングをまとめてあるサイトをよく見ます。
求職者にとって、企業の口コミ情報は必見しておきたい情報です。ユーザーと一緒に作り上げていくサイトですので、口コミ数が増えるほど信憑性が増していきます。
社内ポータルサイト
社内型は、企業情報を整理して、従業員向けに公開する閲覧制限がかけられたサイトのことです。従業員は自身のID・パスワードを利用してログインしなければサイトを利用できません。
仕事や会社全体のルール共有やイベント情報の掲載、役立つ情報のピックアップなど、社内交流ができるサイトとして利用されているのが特徴です。
総合型ポータルサイト
総合型は、複数のポータルサイトがもつ特徴を組み合わせた大規模なサイトのことです。求人関係のポータルサイトの場合には、地域ごとの求人情報が掲載されていたり、口コミが投稿できたり、就職・転職のノウハウがまとめられていたりと、ひとつのサイト内で複数のユーザーを取り込めるように設計されています。
規模が大きいため、その分だけ開発コストはかかりますが、個別のポータルサイトを運営するよりもユーザーを獲得しやすいのが魅力です。
求人ポータルサイトの作り方・構築方法
求人ポータルサイトを作る際に検討しなければならないのが、どういった構築方法を選ぶのかというポイントです。
参考として、基本的な構築方法である「スクラッチ開発」「パッケージ」「オープンソースのCMS」という3つの手段の違いや特徴をまとめました。
スクラッチ開発で構築する【難易度高】
完全オリジナルの求人ポータルサイトを作るときに使うのが、スクラッチ開発です。ゼロベースから構築をスタートするため、自社の要望や目的、機能をすべて反映できます。
一方で、すべて構築する手間と労力がかかるため、費用と時間が高くなりやすいことに注意しなければなりません。難易度が最も高く、構築の知識・技術を持つ人材がいなければ対応するのが難しいと言えます。
ちなみに多くの企業では、開発会社などに外部委託してポータルサイトをスクラッチ開発するのが一般的です。
パッケージを使って構築する【難易度中】
構築費用やサイトデザインの構築にかかる手間を減らしたい際に役立つのが、パッケージ開発です。すでに枠が設計されているパッケージの機能を使って、効率的にサイトを構築できます。
ただし、すでに枠組みが決められているため、独自要素を組み込むのが難しいことに注意しなければなりません。機能やデザインに制限があるため、スクラッチ開発とどちらがニーズを満たしやすいのか検討する必要があります。
オープンソースのCMSを利用する【難易度低】
自社で手軽に求人ポータルサイトを構築したいと考えているのなら、オープンソースのCMSを活用しましょう。
CMSとは、サイトのデザインやテキスト、画像などを手軽に構築できる無料システムのことです。有名なCMSとしては「WordPress」「baserCMS」などがあり、基礎的な知識があれば、社内従業員でもすぐにサイトを構築できます。
ただし、競合他社が利用するケースも多いため、似たり寄ったりなデザインになる場合があるかもしれません。独自要素を追加したい場合には、開発会社などを通じてデザインのカスタマイズなどを依頼するのが便利です。
求人ポータルサイトの費用相場
これから求人ポータルサイトを作成したいと考えている人向けに、費用相場を整理しました。規模に分けて費用相場を紹介しているので、構築予算や制作期間を検討する参考にしてみてください。
小規模サイトの場合
小規模サイトの場合、求人ポータルサイトに約5〜10ページで構成されます。この際の構築にかかる費用相場は50~150万円程度であり、約1~2ヶ月で制作期間が必要です。
小規模な開発の場合、CMSといった手軽なツールを使って構築しやすいと言えます。大規模な構築を伴わないことから、低額のレンタルサーバーなどを使って運営できるのが特徴です。
中規模サイトの場合
中規模サイトの場合、10〜30ページほどで構成されるサイトがよくあります。構築にかかる費用相場は150〜500万円程度であり、2〜6ヶ月ほどの制作期間が必要です。
ページ数が多くなる分、追加する機能が増えていきます。運営するポータルサイト内でユーザーの囲い込みを実施したいという場合に中規模サイトの構築をおすすめします。
大規模サイトの場合
大規模サイトの場合、複数のポータルサイトの特徴を取り込んだ作りであるため、30ページ以上必要になるケースが多々あります。費用相場は500万円以上かかることはもちろん、希望・要望によっては1,000〜2,000万円ほどかかるのが特徴です。
また制作規模が大きいので、その分だけ制作期間が増えていきます。1年近く構築に時間を要するケースがあることに注意してください。また、アクセス数が莫大な数になることから、レンタルサーバーでの対応が難しくなります。構築するのに合わせて専用のハイスペックサーバーを用意するのが良いでしょう。
求人ポータルサイトに必要な機能・項目一覧
求人ポータルサイトの構築で必要な機能・項目を整理しました。規模ごとに求められる機能をまとめているので、ページ数を考える参考にしてみてください。
規模 | 必要な機能・項目 |
小規模 | ・情報掲載ページ ・検索機能 ・会員登録、ログイン機能 ・問い合わせフォーム |
中規模 | ※小規模サイトの機能を含む ・顧客管理機能 ・カート機能 ・記事コンテンツ配信 ・メルマガ配信 ・クーポン配信 |
大規模 | ※中規模サイトの機能を含む ・口コミ投稿 ・予約管理 ・その他莫大なページ数(求人情報ページ数分だけ) |
上記の項目はあくまで参考です。運営する企業の目的によっては、不要な機能もあるので、まずは自社に必要な項目をピックアップしたうえで開発会社に相談することをおすすめします。
求人ポータルサイト開発を外部委託する際の注意点
求人ポータルサイト開発を外部委託する予定なら、委託先の会社選びの際に2つのポイントに注意してください。
制作実績のある会社に依頼する
複数の開発会社を比較する際には、必ず過去の制作実績をチェックしましょう。実績が多い開発会社であるほど、豊富な知識とノウハウを蓄えているため、高品質なポータルサイトを効率よく作成してくれます。
また制作実績は、開発会社が運営しているWebサイトの実績ページをチェックするだけです。もし実績が詳しく掲載されていないのなら、一度問い合わせをしてみて、詳しい資料がないか確認してみても良いでしょう。
費用相場に合う制作会社を見つける
開発会社に依頼する際、場合によっては費用相場を超えた金額を提案してくる業者がいます。もちろん、その金額が根拠付きの妥当なものであれば良いのですが、中には依頼者の開発知識がないのをよいことに、高額な見積もりを出してくる悪徳業者も混じっているのです。
もし自社で構築する求人ポータルサイトの費用相場を知りたいのなら、まずは、複数の開発会社から見積もりを取得して比較検討を実施するのがおすすめです。金額の違いはもちろん、項目ごとの単価の違いをチェックするだけで、費用相場と優良業者を判別できます。
確かに、複数の見積もりを取得するのは面倒ですが、ポータルサイトの構築には高額な費用がかかります。後から損をしたと後悔しないためにも、時間をかけて比較検討を実施してください。
おわりに
求人ポータルサイトの費用相場はおおよそ50~500万円程度であり、規模が大きくなるほど高額になっていきます。また、構築方法も複数の選択肢があり、中には、費用を抑えられるオープンソースのCMSを使った構築も可能です。
もし自社で構築する求人ポータルサイトの作り方や予算にお悩みなら、ONETECHにご相談ください。見積もりの作成はもちろん、構築方法のご提案をいたします。