Visual Basic 6.0(VB6.0)は、マイクロソフトが1990年代に開発したプログラミングで、長い間アップデートを繰り返しながら、多くの企業で愛されてきました。
ただ、20年以上使用されてきたこともあり、VB6.0を使い続けることによるリスクについても懸念されるようになっています。今回は、VB6.0を使い続けることで発生するリスクや、それを解消するためのマイグレーションのメリットについてご紹介します。
VB6.0の役割
VB6.0はオブジェクト指向のプログラミング言語で、無料でダウンロードができます。有料版も多くのエンジニアから愛用されており、初心者からプロまで利用されています。
フレームワークをインストールすることで多彩なソフトを扱えるだけでなく、便利なツールやゲームまで、様々なアプリケーションを開発するのにも活躍する言語です。
Windows向けの言語として幅広く普及しているため、慣習として活用している企業も多いでしょう。
VB6.0を継続するリスク
このように人気のあるVB6.0ですが、最近ではVB.NETへのマイグレーション(移行)も進んでいます。VB6.0を使い続けることのリスクには、どのようなものが挙げられるでしょうか。
セキュリティリスク
一つ目は、セキュリティリスクの問題です。古いシステムしか利用できないとなると、OSやソフトが提供する最新のセキュリティアップデートを受けることができません。
その結果、システムのセキュリティホールは拡大し、サイバー犯罪の標的となったり、情報漏洩のリスクが大きくなってしまいます。
サードパーティ製品との互換性リスク
サードパーティのソフトウェアなどを利用する際も、既存システムが古いままだと互換性の面で問題が出てきます。
利便性の高いソフトやツールを見つけても、まずは自社システムとの互換性を検討しなければなりません。また、VB6.0に対応している最新のソフトは減少傾向にあるため、満足のいくシステム活用はできなくなってきています。
古いサードパーティのソフトを使い続けるのも、利便性だけでなくセキュリティリスクをさらに増大させることにもなります。
社員の業務効率も低い状態から抜け出せないため、悪循環を作ってしまうデメリットがあります。
維持管理コストの増大リスク
古いシステムを何年も維持し続けることは、維持管理のコストを増大させる原因にもなります。VB6.0はすでに公式サービスを終了している言語であるため、今後この言語のノウハウを持つエンジニアの数は減っていくことになります。
そのため、保守運用を任せたくてもVB6.0を扱える人材は希少になり、雇い入れるコストも高くなっていきます。
結果的に早期にVB6.0からマイグレーションを行い、新しい環境へと移行した方が維持管理にかかる負担は小さく抑えられるでしょう。
マイグレーションのメリット
VB6.0からマイグレーションを実行することで、上述のリスクを大幅に解消できるようになるだけでなく、様々なメリットを享受できます。
現状のシステムを維持したまま活用可能
マイグレーションはシステムの移行を行うというものですが、新しい環境においても、既存システムの機能をほぼそのまま維持して活用することも可能です。
新システムに移行する場合、使い勝手もこれまでのシステムとは異なるということで、環境の変化による業務効率の低下を懸念する声もあります。
しかし、マイグレーションを正しく実行することで、既存環境を変える事なくアップグレードを実現可能です。
新しいシステム導入が容易に
これまでは古いシステムとの互換性を考えながら、サードパーティのツールを導入する必要がありました。
マイグレーションによって最新の環境に移行する事で、新しいツールを導入可能になれば、これまで検討してこなかったソフトやツールの導入も可能となります。
業務の可能性がマイグレーションによって広まり、さらなる効率化や、新しいビジネスチャンスの創出にも期待ができます。
コスト削減効果
新システムへのマイグレーションを行う事で、結果的にはコスト削減につながることも期待できます。
古いシステムを使い続けることによる維持管理コストの問題は解消され、システムに対応できる人材の獲得は容易になります。
また、既存のツールよりもリーズナブルで、高機能な製品を見つけることも容易になり、運用コストはさらに抑えられるようにもなるでしょう。
新システムで効率化した分人手を必要としなくなり、人材コストを抑えるのにも役立ちます。
ベトナムオフショアでのシステムマイグレーションのメリット
コスト削減
ベトナムでオフショア開発をする上で日本での人月単価が100万円だとすると一人当たりのコストを70%近くコストダウンすることが可能です。また長く続く保守運用コストを削減できるところに大きな魅力があります
開発リソース
ベトナムの平均年齢は28歳です。日本と比べ非常に若者が多く、またITエンジニアの育成にも国として力を入れています。
理解コストが不要
一般的にオフショア開発ではシステムを理解するための、コミュニケーションが課題になります。マイグレーションは現行システムの機能をそのまま引き継ぎます。エンジニアはソースコードベースでシステムを理解することができます。つまり通常のオフショアでのシステム開発と比較するとコミュニケーションが少なくてすみます。
ベトナムオフショアでのシステムマイグレーションの実績
最後に弊社ONETECHのベトナムオフショアでマイグレーションの事例をご紹介します。
VB6.0継続リスクを解消、製造・在庫・販売管理システムを.NETへ変換、VBマイグレーション(migration)
Windows7のサポートが2020年1月14日に終了しました。 クライアントは 現行の製造・在庫・販売管理システムについてVB6から.Netへの移行を行いWindows10での 動作を可能としました。VB6.0での継続には様々なリスクをマイグレーションすることで解消しました。
運送業の基幹システムのマイグレーション、Windows7からWindowis10へ移行
Windows7およびServer2008R2のサポートが2020年1月14日に終了しました。 運送業の基幹システムは、VB.Net・.net Framework 4.0、ActiveReport for .Net 7.0J、VisualStudio2010、Oracle 11gで動作していました。今回のマイグレーションではツール類も動作保証されているWindows10に対応しているバージョンに変更し、システム動作保証をしました。
おわりに
VB6.0を使い続ける事で、様々なリスクが生まれるだけでなく、リスクは大きくなり続ける問題を抱えることになります。
早めのマイグレーションによって、リスクを最小限に留めるための取り組みが大切です。