近年日本の医療分野ではVR技術の活用に注目されており、すでに医療現場で手術シミュレーターとして導入された事例があります。海外における直近の事例として、アメリカでバーチャルクリニックが開業されました。
XR Hearlth社は2020年3月1日に米国でVRを使ったリハビリ治療を提供するバーチャルクリニックを開業しました。この開業によってアメリカの医療業界は大きく変わると言われています。
この記事ではXR Health社によるバーチャルクリニックはどのようなプログラムを提供しているのか、またアメリカのVR実用事例について紹介いたします。
バーチャルクリニックとは
バーチャルクリニックは、患者が自宅でVRを使ったリハビリを受けられるシステムです。VR内のリハビリで測定したデータはレポートにまとめられ、患者と医師にリアルタイムで提供されます。医師は測定データから、ライブビデオで患者の相談が可能になりました。
バーチャルクリニックによって、何が変わるのかまとめました。
1. 患者は自宅から快適にリハビリを受けられる
2. ライブビデオ相談と遠隔患者モニタリングで時間を節約できる
3. リハビリの進行と状況に合わせてリハビリプログラムをカスタマイズできる
4. リアルタイムの結果とデータ分析を実現によるエンゲージメントの向上
5. 患者は年齢に関係なく楽しく簡単にプレイできる
バーチャルクリニックによって、首、肩、脊髄の損傷、神経疾患などのリハビリが可能になります。
XR Hearth社におけるVR/ARアプリケーション
XR Hearth社は2020年3月6日時点で、9種類のVR/ARアプリケーションを提供しております。
Balloon BlastはOculus Questのみ対応、それ以外のプログラムはOculus QuestとOculus Goに対応しています。
【提供プログラム一覧】
・Balloon Blast
・Re-Act
・Rotate
・Relax8
・Luna
・Memorize
・The C.A.R.E. Channel
・VZ fit
・Healium XR
この中で2つのプログラムを紹介したいと思います。
●Rotate
首の動きをトレーニングするアプリケーションです。首の可動域、可動域の滑らかさ、改善率を測定し、結果を図にして表示してくれます。
改善トレーニングは、動いているドラゴンを視線で追いかけるというゲーム感覚で楽しみながらリハビリができます。
●Memorize
認知訓練のトレーニングをするアプリケーションです。実行機能および記憶域の認知トレーニングができ、精密測定により個人の健康データを提供します。
最初に記憶するアイテムを選択し、トレーニングに移ります。ライン上に様々なアイテムが流れてくるので、選択したアイテムを取るというトレーニングをしていきます。
医療とVRの進化の可能性
今後医療分野でのVR活用はますます盛んになるでしょう。しかし医療×VRを推進するには、さらなる技術進化が必要です。
例えば、遠隔支援における高解像度での通信技術がニーズとして挙がるでしょう。このニーズは5Gと呼ばれる通信技術によって解決できます。5Gは2020年3月から日本で段階的にサービスが開始されるので、医療×VRの技術はさらに進化します。
他にも診断で重要とされる触診の為の触覚技術が必要とされます。こちらは現在研究が進められており、電極や振動でVRのフィードバックが得られるグローブ型デバイスなど開発が進められています。
▼【参考】VR内で物に触れる? スイス連邦工科大学が触覚フィードバックする人工皮膚を開発
https://news.livedoor.com/article/detail/17194476/
▼【参考】遠隔通信システムとAIを活用した VR映像解析のビジネス展開について
https://mavic.ne.jp/vr-telecommunication-ai/
これらの技術によって、医療×VRのさらなる技術進化が期待されます。
まとめ
いかがでしたか?今後アメリカはバーチャルクリニックによって、今後医療の仕組みが大きく変わるでしょう。もし日本の地方でもバーチャルクリニックが普及すれば、地方の住民は遠隔でリハビリを受けられるようになります。VRの使い方を工夫すれば、私たちの生活はより向上できるでしょう。便利なサービスを提供するために最新技術によるアプリ開発を検討してみてはいかがでしょうか。
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