IT業界において、人材不足がますます深刻化する中、ベトナムはIT人材が豊富な国として注目されています。
ベトナムはその豊富な人材のほか、他にも多くの利点を提供しています。
この記事では、IT企業や企業のIT部門に向けて、ベトナムでの現地法人設立のステップバイステップガイドを提供します。ベトナムにおける現地法人設立は、企業の成長と競争力強化に向けた重要なステップです。
私たちの15年以上にわたるベトナムでの経験を活かし、現地法人設立から設立後の様々な課題に対処する方法まで、包括的にご説明します。人材採用、給与交渉、雇用手続き、インフラ準備、駐在渡航サポート、さらには社内イベントの相談など、設立から運営までをサポートする弊社の強みについても紹介いたします。
ベトナムでのビジネス展開を検討中の皆様にとって、価値ある情報となることでしょう。
それでは、ベトナムでの現地法人設立のステップについて詳細に見ていきましょう。
ベトナム現地法人とは
ベトナム現地法人は、株式会社と有限会社の2種類があります。日本では株式会社が一般的ですが、ベトナムでは有限会社が一般的です。
ベトナムで株式上場を目指すといった目標がない限り、有限会社の設立を選択するのがベターでしょう。株式会社設立のためには株主を3人以上集めなければならないなど、手続のハードルも上がります。
なお、ベトナムにおいて外資系企業が現地法人を設立するために資本金を出資することは“投資”として扱われます。ベトナム現地法人を設立する際、資本金を“投資”する本社は外国投資家に位置づけられます。昨今、ベトナムでは外貨に関する規制緩和が進んでおり、非常に進出しやすい状況になっています。
ベトナム現地法人の特徴
●活動期間:原則最長50年
●活動範囲:営利活動が可能
●VAT控除:可能
●銀行口座開設:可能
●拠点の開設:ベトナム国内外に子会社等を設立可能
駐在員事務所と異なり営利活動を行えることが最も大きな特徴です。他にも、法人格を有するがゆえの特徴も備えています。本格的にベトナムで事業を展開する場合、現地法人の設立は有効な選択肢です。
ベトナム現地法人以外の選択肢
駐在員事務所 vs. 現地法人:
- 日本への開発目的の場合、駐在員事務所や駐在員事務所なしでの進出を検討したほうが良いでしょう。駐在員事務所を作らずにまたラボ開発や雇用代行サービスでも良いかもしれません。
- 駐在員事務所は一時的な拠点で、現地法人よりも手続きが簡単でコストが低いです。
- 現地法人は法的実体を持ち、ビジネスを拡大するために適しています。
弊社のサポート:
弊社は15年以上のベトナムでの経験を持ち、現地法人設立から運営まで幅広くサポートします。
人材採用、給与交渉、インフラ準備、駐在員サポートなど、課題に対処できる経験があります。
ベトナム現地法人設立のステップ
ベトナムでのIT部門やIT企業の現地法人設立は、成功するために慎重な計画と段階的なアプローチが必要です。以下は、そのステップバイステップガイドです。ご質問や詳細については、いつでもお気軽にご相談ください。
- STEP1: 前提条件の確認
- 目的の明確化: なぜIT部門をベトナムに設立するのか、その目的を明確にしましょう。例えば、コストメリットの追求、ベトナムのIT人材を活用した開発、市場拡大などが考えられます。
- STEP2: ビジネスプランの策定
- 収益モデル: 現地法人の設立には費用がかかります。予算と収益モデルを立て、事業の持続可能性を評価しましょう。
- 法的要件: ベトナムでの法的要件やビジネス許可について調査し、ビジネスプランに組み込みます。
- STEP3: 法的構造の選択
- 有限会社か株式会社か: 現地法人の法的構造を選択します。有限会社は投資が少なくて済み、株式会社はより大規模なプロジェクトに適しています。目的に合わせて選びましょう。
- STEP4: 税務と会計の計画
- 税務コンサルタントと連携: ベトナムの税法や会計基準を理解し、税務コンサルタントと協力して適切な計画を立てます。
- STEP5: 法的手続きの開始
- 法的文書の作成: 必要な文書や契約書を作成し、ベトナムの当局へ提出します。
- 事業許可申請: ビジネス許可を取得するための手続きを開始します。
- STEP6: インフラと設備の整備
- オフィススペースの選定: 適切なオフィススペースを見つけ、必要な設備を整えます。
- ITインフラの構築: ネットワーク、サーバー、セキュリティシステムなどのITインフラを整備します。
- STEP7: チームの構築
- キータレントの採用: 優秀なIT人材を採用し、現地チームを構築します。
- トレーニングと教育: 現地のスタッフを必要に応じてトレーニングし、会社文化や業務プロセスに馴染ませます。
- STEP8: プロジェクトの開始
- プロジェクト計画: プロジェクトのスコープ、目標、スケジュール、リソースなどを計画し、チームに共有します。
- 開発作業: プロジェクトに従事するチームが開発作業を始め、システムの構築を進めます。
- STEP9: 運営と成果評価
- 運営管理: IT部門の日常運営を管理し、問題が発生した場合には迅速に対処します。
- 成果評価: プロジェクトの成果を評価し、目標達成度や品質を確認します。必要に応じて調整を行います。
これらのステップを遵守することで、ベトナムでのIT部門の設立とプロジェクト運営を成功させることができます。しっかりと計画を立て、必要なステップを踏むことが重要です。ベトナムの豊富なIT人材とコストメリットを活かし、IT部門を成功させましょう。
投資登録証明書の取得
投資登録証明書とは、ベトナム国外の外資系企業がベトナムで事業を行うための許可証です。投資登録証明書の取得方法には2パターンあります。
①投資登録
以下の場合、必要書類の提出のみで、審査を受けることなく投資証明書を取得できます。書類に不備が無ければ提出から3週間程度で投資証明書が取得できます。
- 投資額が3,000億ドンを超えない
- 条件付きでない分野への進出
- ベトナム首相の承認が必要ない分野への進出
②投資審査
以下の場合、書類を提出し審査を受けなければなりません。書類に不備が無く、かつ審査を通過した場合のみ投資証明書を取得できます。
- 投資額が3,000億ドンを超える
- 条件付分野への進出
- ベトナム首相の承認が必要な分野への進出
企業登録証明書の取得
投資証明書を取得後、企業登録証明書を取得します。申請後は約1週間で発行されます。企業登録証明書の発行をもってベトナム現地法人の設立が完了となります、
なお、企業登録証明書は税コード証明書も兼ねています。
ベトナム現地法人設立のための必要書類
続いて、ベトナム現地法人設立のための必要書類を、投資登録証明書と企業登録証明書に分けて解説します。弊社が提供するサービスと日本側に分けてお伝えします。
投資登録証明書取得のための日本側での書類準備と公証のステップ
No | 必要書類名 | 説明・注意点 | 提出先 |
---|---|---|---|
① | 投資プロジェクト実施申請書 | ベトナムでの投資プロジェクトの実施を申請する書類。 | 経済省(MOIT)へ提出 |
↓ここから日本側で準備 | |||
② | 本社の履歴事項全部証明書 | 本社の法的な履歴を証明する書類で、日本での公証認証または、外務省での公印が必要。 | 公証役場→大使館
(外務省) |
③ | 本社の定款の写し | 本社の定款のコピーで、日本での公証認証が必要。 | 公証役場→大使館 |
④ | 直近2年分の本社の決算報告書の写し | 本社の過去2年間の決算報告書直近2年分の財務諸表(損益計算書、貸借対照表、監査報告書)をプリントアウトして、ホッチキスで綴じて、割り印をしましょう。 ※監査を受けていない場合は監査報告書は不要です。 ※CF計算書は不要です。 ※連結と単体の両方ある場合は連結の方をご利用下さい。(実務上はどちらでも可です。) ※会社に十分な預金残高がないケースや債務超過のケース、もしくは新設会社や個人出資のように財務諸表がない場合は代わりに銀行残高証明書を準備してください。こちらの残高証明書については出資金額を十分に上回る必要があります。日本での公証認証が必要。 |
公証役場→大使館 |
⑤ | 財務諸表を認証するための宣言書 | 決算報告書を公証する際に必要な宣言書。詳細な点については各公証役場に確認ください。 | 公証役場→大使館 |
⑥ | 印鑑証明 | 公証役場にて押印されたハンコと印鑑証明の証明のため | 公証役場 |
↑ここまで日本側で準備 | |||
⑦ | 本社代表者のパスポートの写し | 本社の代表者のパスポートコピー。 | 現地の法務アドバイザーに相談 |
⑧ | ベトナム現地法人代表者のパスポートの写し | ベトナム現地法人の代表者のパスポートコピー。 | 現地の法務アドバイザーに相談 |
⑨ | 投資プロジェクト提案書 | 投資プロジェクトに関する提案書。 | 経済省(MOIT)へ提出 |
⑩ | 現地法人のオフィス用の賃貸借契約書の写し | 現地法人のオフィススペースに関する賃貸借契約書のコピー。 | 現地の法務アドバイザーに相談 |
投資登録証明書取得のための日本側での書類準備と公証のステップ
STEP1:社内や法務局。②③④⑤⑥の書類を準備する。
STEP2:事前にメール電話等で事前確認と予約を行う。東京都や神奈川県、大阪府などの公証役場では法務局や外務省へ行かなくても良い。
STEP3:公証役場へ②③④⑤の書類を提出する。公証してもらう。東京都や神奈川県、大阪府などの公証役場では法務局や外務省へ行かなくても良い。その場合はSTEP5へ
STEP4:外務省へ行きに②本社の履歴事項全部証明書ついて公印確認をする。ここも委任状が必要。東京都、神奈川、大阪府の公証役場の場合は不要。
STEP5:ベトナム大使館もしくは領事館へ行って②③④⑤の公証済みの書類を領事認証を取得
ベトナム大使館:
住所;東京郡渋谷区元代々木町50-11
営業時間;9時半~12時、14時~17時
http://www.vnembassy-jp.org/ja
STEP6:①から⑩までの書類を現地の法人アドバイザーへ相談。ONETECHに送っていただければこちらで全て揃えることが可能です。
このほかに、規模が大きい場合にはプロジェクトの社会的・経済的影響調査書や環境保護施策を説明する書類などを提出する必要がある場合もあります。その場合はご相談ください。
企業登録証明書取得のための必要書類
以下は一般的に現地法人アドバイザーに依頼すると思いますが、ONETECHに送っていただければこちらで全て手続きをいたします。
- 企業登録申請書
- 投資登録証明書(公証必要)
- ベトナム現地法人の定款の写し
- ベトナム現地法人社員名簿
- 発起人(株主)
- 外国人投資家の(株主)の名簿(株式会社の場合)
- 株主、投資家の定款、法的代表者、個人投資家のパスポートの写し
設立後の手続
無事に企業登録証明書の発行を受けて現地法人を設立したら、設立後30日以内に設立公示を行う必要があります。また、銀行口座の開設も行いましょう。この時点で現地法人の社印を作成していない場合はこれも作成します。現地法人設立の苦労が水の泡とならないよう、設立後もしっかりと準備を進めましょう。こちらもONETECHにご相談いただければ対応可能です。
銀行口座の作り方
現地の銀行口座を開設するためのステップを以下に示します。
これに従って手続きを進めることで、ベトナムの現地銀行口座を作成できます。
STEP1: 銀行の選定 ベトナムには多くの銀行が存在します。ビジネスの性質やニーズに合った銀行を選びましょう。主要な銀行にはVietcombank、BIDV、Techcombank、ACBなどがあります。口座の種類や手数料、サービスを比較し、適切な銀行を選択します。
STEP2: 必要書類の準備 銀行口座を開設するためには、通常、以下の書類が必要です。
- 法人登記証明書
- 現地法人の定款
- 現地法人の事業登録証明書
- 法人印鑑証明書
- 現地法人の代表者の身分証明書(パスポートなど)
- 現地法人の代表者の住所証明書(例: 電気料金の領収書)
必要書類のコピーを作成し、公証役場や大使館で認証を受ける必要がある場合もあります。
STEP3: 銀行への申し込み 選んだ銀行の支店に訪れ、銀行口座開設の申し込み手続きを始めます。銀行のスタッフが必要書類を確認し、申し込みを受け付けます。ここで口座の種類(通常預金口座、外貨預金口座など)を選択します。
STEP4: 銀行口座の承認と設定 銀行は提出された書類を審査し、口座の承認を行います。承認後、口座番号や取引明細の利用方法などについて説明があります。銀行カードやチェックブックも提供される場合があります。
STEP5: 口座の管理 口座が開設されたら、銀行口座の資金管理を開始します。給与の振込み、取引の記録保持、必要な場合の送金などを効率的に行います。
各銀行の要件や手続きは異なる場合があるため、具体的なステップと必要書類は選んだ銀行によって異なることがあります。開設手続きの前に、選んだ銀行のウェブサイトや担当者と十分なコミュニケーションをとり、正確な情報を取得することが大切です。また、現地の法律や規制に従うことも重要です。
法人以外の事業展開方法
事業を展開し営利活動を行うためには、法人以外にも支店やGEOといった方法もあります。特にGEOは、欧米企業を中心に注目を集めています。
まとめ
ベトナム現地法人設立の成功への道のりについて詳しく説明しました。
ベトナムでのビジネス展開を検討している企業やIT部門にとって、このガイドは価値ある情報となることでしょう。
現地法人設立は大きな一歩ですが、成功への準備を整え、地道なステップを踏むことで、ベトナム市場での成功が実現できるでしょう。
お問い合わせやサポートが必要な場合は、私たちの専門家がお手伝いします。ベトナムでのビジネス展開を成功に導くために、ぜひお気軽にご相談ください。
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(参照文献)
・JETRO(2023年7月7日)「外国企業の会社設立手続き・必要書類」
・DIGIMA「ベトナム会社設立の流れ・費用・事業形態 & 雇用代行という新しい進出形態とは?」
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