今日ではさまざまな企業が、事業でクラウドサービスを活用するようになっています。
たとえば自動車メーカーのフォルクスワーゲンは、2022年から生産を開始する予定の次世代電気自動車の組み立てラインにおいて、社内チームが開発したAR技術を生産工程の最適化に利用するということです。
AR技術を生産工程に活用する流れは進んでいきそうですが、こうしたAR技術を支えているのもクラウドサービスです。
参考:ARTIMES「フォルクスワーゲン、新生産ラインの設計検証にAR技術を活用」
URL:https://pretiaar.com/artimes/article/11021/
企業でクラウドサービスを活用するには、専門知識を有するインフラエンジニアが必要ですが、現状インフラエンジニアは人材不足が続いています。
そのためクラウドサービスを運用できれば、就職や転職の際に大変有利になります。
そこで今回は、代表的なクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)の資格について解説します。
AWS認定資格とは
AWS認定資格とは、Amazonが提供しているAWSを運用するための専門知識を認定する資格です。現在、IT業界を目指す学生からスキルアップを図るエンジニアまで、幅広く注目されています。
実際、雑誌「日経コンピュータ」が2020年11月に掲載したランキングでも、これから取得したいIT系資格ランキングで「AWS認定各種」が堂々の第1位に輝きました。
参考:pwd-it:IT資格の勉強ブログ「IT系資格ランキング2020(保有効果、取得したい)トップ20」
URL:https://pwd-it.hatenablog.jp/entry/2021/01/24/211025
AWS認定資格を取るメリット
体系的に学べる
まずは何と言っても、試験勉強を通してAWSについて体系的かつ効率的に学べることです。
有用な知識やスキルを数多く学べるので、すぐに実務に役立つのはもちろん、試験勉強なので独学ではカバーできない範囲も学習することができます。
公式の資格である
AWS認定資格はAmazon公式の資格なので、取得した場合はAWSを含めたクラウドサービスについての専門知識を持っていることの証明になります。
つまり資格を持っていれば、就職や転職の際に専門知識を持っていることをアピールでき、入社後もクラウドサービスを活用した事業に参加しやすくなります。
デジタルバッジを取得できる
AWS認定資格では証明書としてデジタルバッジが採用されています。
それをソーシャルメディアで共有したり、電子メールの署名に使用したりすることで、資格を取得したことをアピールできます。
最新の情報を学べる
AWSは日々アップデートを繰り返しているため既存の情報は古くなっていきます。しかし認定資格には有効期限があるため、学び続けることで常に最新の情報を取り入れることが可能です。
AWS認定資格の種類と難易度について
まずAWS認定資格は、以下のように大きく二つに分けられます。
・AWS上で動作するサービスについての知識を証明する「役割別の資格」
・より高度で専門的な知識を証明する「専門知識別の資格」
役割別の資格
役割別の資格には3つのレベルがあります。難易度が低い順に「基礎」「アソシエイト」「プロフェッショナル」です。アソシエイト・プロフェッショナルではさらに「アーキテクト・運用・開発者」という3つの役割ごとに知識を証明します。
基礎レベル
公式サイトでは、半年ほどの基礎的なAWS経験とクラウド業界の知識を持つ人とされています。最も易しいレベルなので、AWSをこれから学び始める人はまずこのレベルに挑戦しましょう。
なお基礎レベルの資格は1つです。
・AWS認定クラウドプラクティショナー
アソシエイトレベル
公式サイトでは、1年ほどのAWS経験と問題解決などの業務経験がある人とされています。
業務経験がなくてもAWSの主要サービスの概要やクラウドの一般的知識があればこのレベルになりますが、クラウドプラクティショナーの資格かそれに準ずる知識を持った状態で受験するのが望ましいです。
なおアソシエイトレベルの資格は3つです。
・ソリューションアーキテクト(設計者向け)
・SysOpsアドミニストレーター(運用担当者向け)
・デベロッパー(開発者向け)
プロフェッショナルレベル
公式サイトでは、2年ほどのAWSを使用した問題解決や、運用中に起きた障害の原因排除などの包括的な経験と知識がある人とされています。
最も難しいレベルで試験問題の量も多いので、膨大な問題を処理する力のある人やAWSを使用した開発や管理の経験がある人におすすめです。
なプロフェッショナルレベルの資格は、以下の2つです。
・ソリューションアーキテクト(設計者向け)
・DevOpsエンジニア(運用&開発者向け)
専門知識別の資格
専門知識別の資格には、以下の6種類があります。いずれも高度な専門知識を要する資格です。
ネットワーキング
AWSのネットワーク、ネットワークソリューションのアーキテクチャの設計と実装などに関する高度な知識が必要とされます。
データアナリティクス
AWSデータレイク関連サービスの選定や設計など、複雑なビッグデータ分析の知識が必要です。
セキュリティ
安全なセキュリティの構築における、知識や実務経験が必要です。
機械学習
AWSクラウドでの開発・設計・実装・維持の知識と実務経験が必要とされます。
Alexaスキルビルダー
Alexaスキルキットを使用したAlexaの開発・構築・テストの知識と経験が必要とされます。
データベース
AWSデータベースサービスの主要機能の詳しい理解やそれらの提案・設計に関する分析能力が必要とされます。
AWS認定資格への勉強法
AWS資格に挑戦する人には、Amazonの公式トレーニングから通信講座や参考書まで、豊富な選択肢があります。
AWS資格の公式サイトではトレーニング動画やサンプル問題公開されているので、まずはそれらを活用して学習するのがおすすめです。
また実際にAWSに触れた方が知識やスキルが身につきやすくなるため、通信講座や参考書などを頼りにAWSを操作してみるのも良いでしょう。
試験を受けるには
AWS認定では、いずれの資格においても受験資格の制限はありません。さらに新型コロナウイルスの影響で、AWS認定試験をオンラインでも受けられるようになりました。
AWSアカウントを取得して、オンラインで予約することで受験できます。
まとめ
今回はAWS認定資格について解説しました。この資格はIT業界における注目度も高く、今最も人気のある資格の一つです。
資格取得に向けて勉強すれば、AWSを含めたクラウドサービスについての基本知識を体系的かつ効率的に習得できるのはもちろん、段階的に学べばより高度で専門的な知識まで身につけることができます。
自分のスキルを公式に証明するのにも役立つため、実践での活躍も期待できます。ぜひ挑戦して、さらなるキャリアアップを目指しましょう。