AWS Well-Architected Toolとは?使い方や料金を徹底解説

AWS(アマゾン ウェブ サービス)の一つに、AWS Well-Architected Toolがあります。

今回は、AWS Well-Architected Toolの概要やAWS Well-Architectedとの関係、ツールの使い方、使用料金などについて解説します。

AWS Well-Architected Toolとは?
AWS Well-Architected Toolとは?

このツールを使うことで、AWS Well-Architectedのフレームワークをベースとした、安全で効率的なインフラストラクチャーの構築を実現しやすくなるでしょう。

使い方や機能面について詳しく知りたい方は、ぜひ記事を参考にしてください。

AWS Well-Architected Toolとは?

AWS Well-Architected Tool (AWS WA Tool) とは、AWSの現時点において最適な手法をもとに構造を測定するためのクラウド内サービスであり、一貫したプロセスを提供しています。

プロセスの全体のサイクルを通して支援されるのは、決定事項のドキュメント化やワークロードの改善事項の提供、ワークロードの信頼性・安全性・効率性・費用対効果の向上です。

このツールでは、AWS Well-Architectedのフレームワークを活用し、ワークロードの測定とドキュメント化ができます。AWS Well-Architectedとは、AWSの概念や設計の原則、ベストプラクティス(現時点で最も優れていると評価される手法)が記載されたホワイトペーパーのことです。

また、長年の経験をもとに開発されたベストプラクティスに加え、AWSレンズが提供するガイダンスの補足となるカスタムレンズを使用できます。これにより、独自のベストプラクティスと照らし合わせながらワークロードを測定することが可能です。

https://www.youtube.com/watch?v=yb9CH3UbMbw

AWS Well-Architectedのフレームワーク

AWS Well-Architected Toolでは、AWS Well-Architectedのフレームワークのベストプラクティスを活用できます。

このフレームワークには5つの柱があり、次の通りです。

  • 運用上の優秀性
  • セキュリティ
  • 信頼性
  • パフォーマンス効率
  • コスト最適化

これらの柱があることで、要件通りに稼働し、安定的で効率的なシステムの構築が実現します。

それぞれの内容について解説しますので、確認していきましょう。

参照:フレームワークの5本の柱

運用上の優秀性

「運用上の優秀性」の柱では、次の5つの設計原則が設定されています。

  • 運用をコードとして実行
  • 小規模かつ可逆的な変更を頻繁に行う
  • 運用手順を定期的に改善する
  • 障害を予想する
  • 運用上のすべての障害から学ぶ

また、次の4つのベストプラクティスの分野があります。

  • 組織:業務における優先順位の決定や、組織内の作業の整理・指導、業務効率化について
  • 準備:設計(運用の準備)について、テレメトリの設計・フローの改善・デプロイのリスク緩和・運用準備の理解の4つの項目
  • 運用:ワークロードや運用の状態の買い目、イベントへの応答方法について
  • 進化:学習や改善で運用を進化させていくための活用方法について

セキュリティ

「セキュリティ」の柱にあるのは、次の7つの設計原則です。

  • 強力なアイデンティティ基盤の実装
  • トレーサビリティの実現
  • 全レイヤーでセキュリティを適用する
  • セキュリティのベストプラクティスを自動化する
  • 伝送中および保管中のデータの保護
  • データに人の手を入れない
  • セキュリティイベントに備える

また、ベストプラクティスについては次の6つの分野があります。

  • セキュリティ:ワークロードを安全に運用するためのベストプラクティスについて
  • Identity and Access Management:ユーザーIDとマシンIDの管理や、人とマシンのアクセス許可の管理について
  • 検出:セキュリティイベントの検出・調査について
  • インフラストラクチャ保護:ネットワークリソースやコンピューティングリソースの保護について
  • データ保護:データの分類方法や保管時・転送時のデータの保護について
  • インシデント対応:インシデントの予測や対応、普及の手法について

信頼性

「信頼性」の柱では、次の5つの設計原則があります。

  • 障害から自動的に復旧する
  • 復旧手順をテストする
  • 水平方向にスケールしてワークロード全体の可用性を高める
  • キャパシティーを推測することをやめる
  • オートメーションで変更を管理する

また、4つのベストプラクティスの分野があり、それぞれ次のような内容について書かれています。

  • 基盤:サービスクォータと制約の管理や、ネットワークトポロジの計画について
  • ワークロードアーキテクチャ:アーキテクチャの設計方法や分散システムの操作の設計について
  • 変更管理:ワークロードリソースのモニタリングや需要の変化に適応したワークロードの設計、変更の実装について
  • 障害の管理:データのバックアップや信頼性のテスト、災害対策の計画について

パフォーマンス効率

「パフォーマンス効率」の柱では、次の5つの設計原則があります。

  • 最新テクノロジーの標準化
  • わずか数分でグローバル展開する
  • サーバーレスアーキテクチャを使用する
  • より頻繁に実験する
  • システムに対する精通の程度を考慮する

また、ベストプラクティスでは、次の4つの分野でそれぞれの領域について記載されています。

  • 選択:最良なパフォーマンスのアーキテクチャの選択方法について
  • レビュー:パフォーマンス向上に関わるサービスの活用方法について
  • モニタリング:AWSサービスを活用した監視について
  • トレードオフ:トレードオフを使用した場合のパフォーマンス向上について

コスト最適化

「コスト最適化」の柱では、次の5つの設計原則があります。

  • クラウド財務管理の実装
  • 消費モデルを導入
  • 全体的な効率を測定する
  • 差別化につながらない高負荷の作業に費用をかけるのをやめる
  • 費用を分析および属性化する

また、次の5つのベストプラクティスの分野があり、それぞれの内容について説明されています。

  • クラウド財務管理を実践する:AWSでコストの使用状況を最適化する方法について
  • 経費支出と使用量の認識:使用状況の管理やコストのモニタリング、不要なリソースの削除について
  • 費用対効果の高いリソース:費用対効果の高いリソースを作成するための方法や、コスト削減のための料金モデルなどについて
  • 需要を管理し、リソースを供給する:AWSにおける需要の管理とリソースの供給方法について
  • 経時的な最適化:AWSの新機能を活用してワークロードを最適化する方法について

AWS Well-Architected Toolの使い方

AWS Well-Architected Toolの使い方として、ここでは次の機能を紹介します。

  • ワークロードを作成
  • レビューの実行
  • リスクの表示
  • マイルストーンの保存

それぞれの手順を確認していきましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=hAHEXmMG1VQ
参照:AWS Well-Architected の活用方法とレビューの進め方をお伝えしていきたい (Amazon Web Services Japan 公式)

ワークロードを作成

ワークロードを作成する手順は、次の通りです。

  1. AWS Well-Architected Toolにアクセスし、リージョンを選択
  2. トップ画面「Define workload」よりワークロードの作成を開始
  3. 自分のワークロードに合わせて記入していく

もし別アカウントにまたがって登録する場合は、オプションから追加のアカウントIDを登録できます。

レビューの実行

レビューを実行する方法は、次の手順を参考にしてください。

  1. 設問と選択肢の横にある「info」をクリック
  2. 全ての設問に回答するとワークロードのページに飛ぶ
  3. 「Continue review」で再回答、「Generate report」から回答内容のPDFをダウンロード

レポートの内容については、回答済みかどうか、回答済みの場合は回答内容が記載されます。また、「Save milestone」をクリックすることで、結果がAWS Well-Architected Toolに保存されます。

リスクの表示

「Improvement Plan(改善計画)」メニューでは、中程度のリスクと高いリスクの数が表示されます。

また、設問毎に改善すべきポイントが表示されます。

マイルストーンの保存

「Milestones」メニューでは、過去に保存したレビューと改善計画の内容を確認できます。

チェックは1回で終了するのではなく、定期的に行い、更新していくことが大切です。そのため、このような機能を活かして前回と今回の結果を比較して振り返ったり、改善に繋げていったりできるでしょう。

AWS Well-Architected Toolの料金

AWS Well-Architected Toolを導入する場合、利用に料金はかかりません。ただし、AWSリソースには料金が発生するため、注意しましょう。

AWS Well-Architected Toolの料金
AWS Well-Architected Toolの料金

AWSは使った分だけ料金の支払いが発生する従量課金制となっており、月ごとに請求額が変動する仕組みです。

料金は契約するサービスによって異なり、200種類以上のサービスから選択できます。いずれのサービスも、基本的には「コンピューティング」「ストレージ」「データ転送」の3つの要素によって料金が決まります。

なかには、使った時間に対して1秒単位で加算されるツールもあるため、使わない時間帯や休日はサービスを止めるなどの工夫でコストを削減できるでしょう。

また、事前に1年分もしくは3年分の金額を支払うことで大幅に割引される「リザーブドインスタンス」を利用したり、ツールを使っていく中で不要になったものを停止したりすることで費用を最低限に抑えられます。

AWS Pricing Calculator」という公式の計算ツールで見積もりを算出できるため、利用してみてください。

まとめ

今回は、AWS Well-Architected Toolの概要やAWS Well-Architectedで構成されているフレームワーク、主な機能の使い方、料金などを解説しました。

AWS Well-Architected Toolを使うことで、AWSのベストプラクティスと照らし合わせたアーキテクチャを測定し、安全で効率的なインフラストラクチャーを構築しやすくなるでしょう。

記事の内容を参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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