スマホの多様性が生まれるとともに、アプリの開発現場においても多様性が求められることも増えてきました。
どんなスマホにも対応できるアプリを効率よく開発するため、クロスプラットフォームを開発環境に導入するケースも増えてきています。
クロスプラットフォームのアプリ開発が注目されるようになった背景や、そのメリットについてご紹介していきます。
クロスプラットフォームとは
クロスプラットフォームは、1つのOSに依存しないプログラムのことを指しており、様々
なスマホから同じアプリの利用が可能になる環境を言います。
OSにとらわれないアプリの開発
従来のアプリ開発というものは、特定のOSに依存するケースが一般的でした。
AppleやGoogleが推奨する開発言語(ネイティブ言語)は、彼らが提供するOSとの親和性が高く、様々な恩恵が受けられるために好んで開発者から採用されてきたのです。
しかし、現在は特定のOSに依存するアプリでは多様化するスマホ事情にキャッチアップできず、アプリ開発者にクロスプラットフォームの波が押し寄せているというわけです。
アプリ開発におけるクロスプラットフォームの種類
クロスプラットフォームの開発環境は主に3つに分けることができ、それぞれネイティブ型、独自レンダラ型、ハイブリッド型が存在します。
ネイティブ型はOS上でソフトウェアを管理するタイプで、高速処理と多機能性に優れます。
MicrosoftのXamarinが代表例に挙げられます。
独自レンダラ型は、その名の通り独自のレンダリングエンジンを備え、高い描画力を有しているのが特徴です。
世界で最も有名なゲームエンジン、Unityはこれに当てはまります。
ハイブリッド型は、HTML5などを活用するWebベースのツールで、まるでWebブラウザを扱っているかのような操作性が特徴です。
使用言語もHTML、CSS、JavascriptとWeb言語が並び、Cordovaは代表的なツールの1つです。
クロスプラットフォームアプリの開発が普及した背景
クロスプラットフォームアプリの開発が普及した背景としては、スマホのシェアの多様化と、ネイティブ言語による開発のコストの問題が挙げられます。
多様化するOSのシェア
日本では未だiPhoneシリーズがスマホ業界においては過半数のシェアを誇っていますが、国外に目を向けてみると必ずしもそうとは言い切れなくなってきています。
すでにアジアやアフリカにおいては、Androidのシェアが伸長しており、安価で高性能なスマホのニーズは新興国において増大しています。
一方、依然として高価ながらも絶対的なブランドの地位を確立しているiPhoneも欧米圏を中心に人気が高く、こちらのシェアも捨てがたいものがあります。
このようなシェアの均衡は、クロスプラットフォームの普及に大きく拍車をかけました。
ネイティブ言語によるアプリ開発のコスト問題
また、ネイティブ言語による開発は、コストが増大する傾向にあるという問題も注目されています。
ネイティブ言語で特定のOSに特化したアプリは、確かに機能性に優れてはいるものの、別のOSに対応させようとする際、様々な弊害をもたらします。
OSが変わると、そのOSに合わせてアプリを作り直さなければならず、動作テストなども含めて開発には時間も費用もかかります。
これを避けるため、クロスプラットフォームを前提とした開発が進められてきたのです。
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クロスプラットフォームのアプリ開発がコストダウンにつながる理由
クロスプラットフォームアプリの開発がコストダウンにつながる理由としては、以下の2つが挙げられます。
柔軟な開発言語の採用
まずは、開発言語がOSに依存しなくなったため、自社のエンジニアにあった言語を採用できる点にあります。
もちろん、クロスプラットフォーム開発ツールにあった言語を選ぶ必要はあるものの、OSのネイティブ言語に依存する必要がなくなるのは選択肢の増加に繋がります。
エンジニアの採用に多様性が生まれれば、コストパフォーマンスを重視した人員の採用が可能になるでしょう。
アプリ運用の一元化
もう1つは、やはりアプリ運用に伴うコストダウンです。
前述のように、クロスプラットフォームを前提としたアプリ開発を進めていけば、新たに別のOSに対応させるための開発作業を挟む必要はありません。
アプリの運営保守に人員を割き、なおかつ一元管理が実現するので、運用コストは大きく削減できるでしょう。
おわりに
アプリのクロスプラットフォーム化は、現在主流になりつつある開発環境のアップデートと言えます。
ネイティブ言語による開発のメリットと、クロスプラットフォーム化のメリットをしっかりと比較検討し、運用を進めていく必要があるでしょう。
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