3Dモデリングを多くの人が扱うようになったことで、メッシュモデルという言葉もよく使われるようになってきました。網目状に表現されたメッシュモデルは、人の目から見れば3Dモデルと大きな違いはないように思われますが、その性質は3Dモデルと微妙に異なります。今回はメッシュモデルの性質について確認し、3DのCADデータとして運用する方法について、ご紹介していきます。
メッシュモデルとは
メッシュモデルは厳密に平面のメッシュのことを指していますが、CADデータをあつかっていると、ソリッドなメッシュを見かける機会も増えてきます。
平面のメッシュ
そもそもメッシュには厚みの概念が存在せず、二次元の平面である三角形や四角形が集まって構成されています。
平面を組み合わせて立体的な形状が成立しているデータを「ポリゴン」と呼び、滑らかさこそ問題があるものの、「これはネコだ」「これはりんごだ」と判断することができます。
ポリゴンデータは外見こそ身の詰まっていそうな立体を構築していますが、中身は空っぽです。表現されているのは表面だけであるため、体積などはゼロのデータであるのが通常の3Dモデルとの大きな違いです。
ただ、CGを扱う上では表面のデータだけで事足りることも多く、3Dモデリングの世界でメッシュデータをよく見かけるのは、その軽量さから、何かと都合が良いことが多いからと言うこともできるでしょう。
立体(ソリッド)メッシュとは
一方、既存の3Dモデルをメッシュ化する場合、表面上はメッシュ化が施されていても、中身は詰まっているという点が特徴です。
こちらも平面のメッシュモデル同様、三角形や四角形で構成されていますが、中身が詰まっているため、厳密に言えば三角柱や立方体で構成されています。
平面メッシュとソリッドメッシュでは見た目は変わりませんが、性質は大きく異なります。この点を覚えておくと、メッシュモデルの運用方法に関する検討についても、非常に役立ちます。
また、立体のメッシュモデルは構造解析の現場で活用することになるタイプのモデルです。この点については、以下でご紹介していきます。
なぜ3Dモデルをメッシュ化するのか
3Dの立体モデルをメッシュ化する理由としては、構造解析によって3Dモデルの実用性を検証しなければならないと言う事情があるためです。
構造解析の必要性
構造解析は、3Dモデルをメッシュ化したものを使って行います。構造解析で検証するのは、3Dで製作した工業部品などが、実用段階での運用の中で十分な耐久性などを発揮してくれるかといった項目です。
通常のメッシュモデルでは体積がゼロであるため、このような耐久性の検証などを行うことができません。そのため、ソリッドモデルをメッシュ化することによって、構造解析を行うのが当たり前になっています。
有限要素法に不可欠なメッシュ化
構造解析においてソリッドモデルのメッシュ化が必要なのは、解析作業を有限要素法というアプローチを用いて行うためです。
有限要素法は、機械製品が変形して機能が損なわれることがないよう、各部位の変形をあらかじめ検証するというものです。
どれだけ複雑な形状をしている3Dモデルでも、有限要素法を実施する際にはある程度形状を単純化する必要があります。そこで、3Dモデルのメッシュ化が必要になってきます。
3Dモデルを単純な形状の集合体にまで分割し、三角形や四角形の集合体として扱う必要が出てくるため、メッシュ化が有効になるというわけです。
メッシュデータをCADで活用する方法
一方、平面のメッシュデータを立体として活用するための方法も存在します。
ベトナム3DCG制作のONETECH
メッシュデータの活用に欠かせない自動面生成
メッシュデータを立体として活用するためには、まず面をデータに貼り付ける必要があります。
前述のように、メッシュデータは見た目こそ立体的なデータではあるものの、厳密には3Dモデルではないため、3D化を施さなければいけません。
特に3D CADとしてデータを扱いたい場合には必須の処理と言えますが、「Geomagic」などのソフトウェアを使用することで、自動的にメッシュデータへ面を貼り付けることができます。
自動面の特徴
自動面生成は、ポリゴンメッシュに応じて自動的に生成してくれるありがたい機能ですが、通常の3Dデータに比べて軽量で扱いやすいと言うメリットを備えています。
また、CADでは再現が難しい複雑な形状もCAD化することができ、その再現性も高いため、非常に有用性は高いと言えます。
通常のCADでは形成しづらい分、CADでの編集が難しいと言うデメリットもありますが、その汎用性の高さから、試しておいて損はない機能です。
おわりに
3Dモデルのメッシュ化は、実用的な工業部品を形成する上では重要なプロセスです。通常のポリゴンメッシュと3Dモデルのメッシュ化の違いを理解し、実践的に運用していきましょう。
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