サーバーレスコンピューティングは、スケーラブルで費用効果の高いアプリケーションを構築するための手法として、ますます人気が高まっています。Amazon Web Services(AWS)Lambdaは、サーバーのプロビジョニングや管理なしでコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスです。サーバーレスアプリケーションの構築において、適切な言語を選ぶことは、パフォーマンス、スケーラビリティ、コストに大きな影響を与えることがあります。サーバーレスコンピューティングの2つの人気のある選択肢は、Node.jsとGolang(またはGo)です。本記事では、Node.jsとGolangのパフォーマンス、コスト、利便性をAWS Lambda上で比較します。
AWS Lambdaの概要
AWS Lambdaは、イベントに応じてコードを実行し、自動的に基礎となる計算リソースを管理するコンピュートサービスです。Node.js、Golang、Python、Javaなど、さまざまなプログラミング言語でLambda関数のコードを記述することができます。AWS Lambdaは、Amazon S3、Amazon Kinesis、Amazon DynamoDBなどのさまざまなイベントソースをサポートし、他のAWSサービスと統合してサーバーレスアーキテクチャを構築することができます。
Lambda関数を作成する際には、実行されるコードとコードの実行に使用されるランタイム環境を指定します。AWS Lambdaは、着信トラフィックに応じてアプリケーションを自動的にスケーリングし、消費した計算時間のみを請求します。これにより、イベント駆動型のアプリケーションやマイクロサービスの構築に費用効果の高いソリューションとなります。
AWS Lambdaは、Node.js、Golang、Python、Java、.NET Coreなど、複数のコンピュートランタイムをサポートしています。Lambdaの実行環境は、コードのための分離とセキュリティを提供するコンテナベースの環境です。環境にはランタイム、オペレーティングシステム、および事前にインストールされたライブラリと依存関係が備わっています。
Node.jsとGOの比較
Node.jsはWeb開発や非同期処理に適しており、フロントエンドとの一体感を求める場合に適しています。一方、Go言語はパフォーマンスやシステムレベルの開発に特化しており、並行処理や高速な処理が必要な場合に適しています。
機能/特徴 | Node.js | Go言語 |
パフォーマンスとスケーラビリティ | シングルスレッドの非同期イベント駆動モデル、非同期処理に優れる | マルチスレッドのモデル、並行処理に優れる |
開発速度と生産性 | フルスタック開発、NPMによる豊富なモジュールやライブラリ | 静的型付け、型安全性が高い、便利なパッケージが制限される |
コミュニティとエコシステム | 大規模なコミュニティと広範なエコシステム、豊富なツール | 成長中のコミュニティ、システムプログラミングに強み |
デプロイと実行環境 | クロスプラットフォーム、Dockerやクラウドプラットフォームとの統合 | ネイティブバイナリ、高い移植性 |
パフォーマンス比較
サーバーレスコンピューティングにおいて、多くの開発者がNode.jsからGolangへの切り替えを行っている主な理由の1つは、Golangが提供する大幅なパフォーマンス向上です。Golangはコンパイル言語であり、コードが実行される前にマシンコードに変換されます。これにより、実行時間が速く、メモリ使用量がNode.jsなどのインタプリタ言語と比べて低くなります。
Node.jsの平均
Golangの平均
AWS Lambda上でNode.jsとGolangのパフォーマンスを比較するために、さまざまなワークロードを使用して一連のテストを実行し、各関数の実行時間とメモリ使用量を計測しました。その結果、Golang関数はNode.js関数と比べて実行時間が著しく短く、メモリ使用量も少ないことが示されました。
たとえば、大規模なJSONファイルの解析と結果の返却を含むワークロードを実行しました。Golang関数は、Node.js関数の半分以下の時間でタスクを完了し、メモリも半分以下で済みました。同様に、CPU集中型の計算を複数実行するワークロードを実行しましたが、Golang関数はNode.js関数の1/3以下の時間でタスクを完了しました。
以下は、Node.jsとGolangのAWS Lambda上でのパフォーマンス比較を示すグラフです。
Node.jsのパフォーマンス
Golangのパフォーマンス
グラフからわかるように、さまざまなワークロードにおいて、Golang関数はNode.js関数と比べて実行時間が著しく短く、メモリ使用量も少ないです。
コスト比較
パフォーマンスの利点に加えて、Node.jsからGolangへの切り替えは、AWS Lambda上でのコスト削減にも大きなメリットをもたらすことがあります。これは、AWS Lambdaの価格がリクエスト数と関数の実行時間に基づいているためです。
Golang関数の実行時間がNode.js関数と比べて著しく短いため、これはAWS Lambda上の計算コストの低下につながります。たとえば、月に100万回呼び出され、実行時間が1秒の関数がある場合、Node.jsからGolangへの切り替えにより、月ごとのコストが85%節約されることになります。
Node.jsのコスト
Golangのコスト
利便性
利便性に関して言えば、Node.jsはシンプルさと開発の容易さからGolangよりも優れています。Node.jsには大規模で活発なコミュニティがあり、学習やトラブルシューティングのための多くのリソースが利用できます。さらに、Node.jsには複雑なアプリケーションを迅速に開発するのに役立つ多くのライブラリやフレームワークが存在します。
一方、Golangは学習コストが高く、セットアップやデプロイにはより多くの労力が必要です。ただし、言語に慣れれば、Golangはパフォーマンスとスケーラビリティの面で大きな利点を提供できます。
結論
まとめると、Node.js Lambda関数のパフォーマンスの問題がある場合や、単純にサーバーレスアプリケーションを最適化したい場合は、Goへの切り替えを強くお勧めします。コストの大幅な削減だけでなく、アプリケーションのパフォーマンスと応答性の大幅な改善も実感できました。本記事が、AWS Lambda関数にGoを使用する利点について有益な情報を提供できたことになりました。
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