自社専用の基幹システムを組み上げ、長年運用を続けていると必然的に訪れるのが、システムの前時代化です。
システムが時代にそぐわなくなってしまった場合、最新のアップデートをそのまま施せるのであれば良いのですが、新しい環境との互換性が常に保たれているとは限りません。
今回はシステムの刷新を図る上で注目されている、モダナイゼーションについてご紹介していきます。
モダナイゼーションとは
モダナイゼーションは既存のシステムに大幅なアップデートを加え、最新のサービスや保守運用を可能にする方法です。
レガシーシステムの「近代化」
企業が独自に組み上げて運用している基幹システムの多くは、運用開始時こそ最新の環境が実現していたかもしれませんが、年を重ねていくと様々な弊害が生まれてきます。
古くなってしまった企業のIT資産はレガシーシステムと呼ばれ、旧式のシステムであるがゆえに、最新の環境に最適化されたサービスの多くを運用できない問題を抱えます。
最新のビジネス環境に適応できないということは、競合他社との差別化が難しくなることはもちろん、クライアントとのコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。
コミュニケーションが円滑に進められない関係性が維持されてしまうと、クライアントとの契約も解消され、会社の売り上げに大きく響くような可能性も懸念されます。
自社システムの老朽化が、自社サービスの品質に直接影響を与えることはないとは言え、間接的にじわじわと損失を生み出すこともあり得るのです。
マイグレーションとの違い
レガシーシステムの刷新を図る上で、モダナイゼーションと共に注目されているのがマイグレーションです。
マイグレーションは、会社のシステムをアップデートするのではなく、ハードやソフトごと移行してしまうことでシステムの刷新を図るアプローチです。
現在は既存システムを全てクラウドへと移行してしまい、常に最新のアプリとシステムを提供できる、効率的な環境構築が行われることがほとんどです。
モダナイゼーションではどうしても理想の環境を実現できない、コストパフォーマンスが悪いという場合、マイグレーションも視野に入れて検討するケースが見られます。
モダナイゼーションが注目される背景
それでは、今日になってモダナイゼーションという言葉が注目されるようになった背景についても見ていきましょう。
コストパフォーマンスの低下
1つは、レガシーシステムの運用によってコストパフォーマンスが低下していることが挙げられます。
まだ使えるシステムだからとは言え、古くなったシステムの長期運用は、かえって大きな負担になってしまいます。
例えば、保守運用のコスト増大はその最たる例と言えるでしょう。
オリジナルのシステムを組み上げた場合、そのシステムの保守運用にはそのシステムに精通した専門のエンジニアが対応する必要があり、その維持費は少しずつ膨らみます。
これはシステムだけでなく、システムに携わる人員にも替えが効かなくなってしまうため、必要以上の費用を要してしまいかねないためです。
また、最新のシステムの運用よりも、古くなったシステムを維持することの方が、かえって技術力を要するため、やはり維持コスト増大の要因に繋がります。
深刻なトラブルの原因や互換性の不備も
あるいはセキュリティレベルの低下によってサイバー犯罪の標的となり、企業の信頼を大きく貶めてしまう可能性も考えられます。
最新のOSにアップデートしていないために最新のセキュリティ環境を構築できず、その上その他多くのソフトの運用に支障が出ることも想定されます。
こういった1つ1つのデメリットが重なることで大きな負担となり、レガシーシステムの早急なアップデートが求められるようになったのです。
モダナイゼーションのアプローチ
モダナイゼーションを進めていく上では、主に2つのアプローチが採用されています。
リライト
抜本的なソフトウェアの移行などよりも安価に実行することができ、それでいて最新のテクノロジーの導入も容易になるため、エンジニア次第で高いパフォーマンスが期待できます。
オフショア開発と相性の良いリライト
リライトは基本的には新旧システムの言語を書き換えることがメインですので、ベトナムエンジニアはコードベースでシステムを理解することができます。オフショア開発は、リライトと非常に相性が良いと言われています。
リホスト
もう1つがリホストと呼ばれる手法で、こちらはOSなどのミドルウェアのみを刷新することで、レガシーシステムの運用可能期間を延長するための手法です。
ミドルウェアのみのアップデートとなるため、費用面では安上がりなアプローチと言えます。
ただ、ソフトウェアは据え置きでの運用となり、最新技術との互換性などについての問題は残り続ける点には注意しましょう。
ONETECHのシステムモダナイゼーションとマイグレーション
ONETECHではシステムのモダナイゼーションやマイグレーションにも対応しております。オフショア開発のメリットは、モダナイゼーションやマイグレーションを進める上で壁となる、エンジニア不足やコストを克服できることです。
とくに機能開発ではなく新言語への書き換えなどは理解コストを抑えることができ効率よく低コストで対応可能です。
コロナ禍で浮かび上がるテレワークと予算の見直し
日本では働き方改革や新型コロナウィルスの影響で在宅勤務、テレワークが注目されています。オフショア開発もテレワークの一種とも捉えることができます。また先の見えない未曾有のウィズコロナの中で、モダナイゼーションやマイグレーションにかかる予算の見直しを迫られる企業もあります。エンジニア不足の解決策やコストダウンとして海外でエンジニアリソースを調達するオフショア開発の動きは加速しています。
おわりに
レガシーシステムのモダナイゼーションは様々な業種で求められるようになっている課題で、今多くの企業がシステムの刷新に動き始めています。
社内システムのアップデートは後回しにされることも多いですが、できる部分から検討を進めておくことをおすすめします。