Webを活用したビジネス展開のために、プラットフォームビジネスに取り組みたいと考えていないでしょうか。しかし、プラットフォームビジネスの具体的な内容や仕組みがわからずにお困りの方もいるでしょう。
このコラムでは、プラットフォームビジネスの概要や種類、料金モデルなど準備に欠かせない情報を詳しく解説しています。実際に取り組んでいる企業の成功事例・失敗例も解説しているので、概要を理解する参考にしてみてください。
プラットフォームビジネスとは?
プラットフォームビジネスとは、Web上にプラットフォーム(基盤)をつくり、消費者と提供者をつないで収益化を目指すビジネスのことです。以下に示すような三つ巴の関係で事業を展開し、プラットフォームの提供者は、商品・サービスの提供者や消費者から利益を得ます。
プラットフォーマー (ビジネス提供者) | 商品・サービスの提供者 | 消費者 | |
目的 | 商品・サービス提供の場を提供する | 登録して商品・サービスを販売する | アクセスして商品・サービスを購入する |
運営の流れ | プラットフォームを運営する | プラットフォーマーに利用料を支払いつつ消費者から収益をあげる | 同上 |
プラットフォームビジネスを簡単に説明すると、土地貸業者のようなイメージです。自身が管理している土地(プラットフォーム)を、商品・サービスを販売する提供者に貸し渡し、自分の代わりに取引が実施され収益を獲得します。
近年ではインターネットを活用し、買い物・ビジネスをするユーザーが増えている状況です。プラットフォームビジネスの需要が拡大しているため、事業展開のひとつとして取り組む企業が増加傾向にあります。
プラットフォームビジネスの種類
プラットフォームビジネスは、大きく4種類に分類されます。具体的なサービス事例も含めて紹介しているため、自社の目的に合う取り組みなのか確認してみてください。
仲介型
仲介型は、商品・サービスの提供者と消費者をつなぐ提供手法のことです。売りたい人と買いたい人がいる市場向けに基盤を用意し、登録・利用してもらうことで収益化を目指します。
商品・サービスの提供者から利用料を支払ってもらうか、販売額に応じたマージンを受け取ることによって収益化を目指すのが一般的です。例えば、発注者と受注者をつなぐ「クラウドワークス」、商品を販売する「楽天市場」といったサービスが該当します。
OS型
OS型は、ソフトウェアやアプリケーションを提供する提供手法のことです。スマートフォンやパソコンといったデバイスに導入するアプリを探す消費者、提供して利益を生み出したい提供者を集めて収益化を目指します。
前述した仲介型と同じように、OSの提供者から利用料を支払ってもらうか、販売額に応じたマージンの受け取りで収益化を目指すのが特徴です。例えば、iOSで利用できる「App Store」、Androidで利用できる「GooglePlay」などがOS型に該当します。
コンテンツ型
コンテンツ型は、動画や画像、記事といったコンテンツを公開する提供手法のことです。登録ユーザーが投稿した文章や画像、動画が蓄積されていくことにより、提供サービスの魅力が高まっていきます。
コンテンツ型の場合には、ユーザーの有料会員や、広告収入によって収益化を目指すのが一般的です。SNSの「X(旧Twitter)」「Instagram」やGoogleが提供する「YouTube」などがコンテンツ型に該当します。
ソリューション型
ソリューション型は、特定の機能やツールを公開できる提供手法です。個人・企業が抱える悩みを解消できる機能・ツールを提供することで、提供者が利益を得ます。その代わりとして、一部の収益を利用料として徴収する仕組みです。
例えばQRコード決済である「PayPay」「LINE Pay」のほか、店舗レジに導入されているPOSレジ「エアレジ」などが該当します。
プラットフォームビジネスの料金モデル一覧
プラットフォームビジネスでは、主にユーザー登録による利用料、利益率に応じたマージンから収益を出します。参考として、よく利用されている料金モデルとその特徴を一覧に整理しました。
料金モデル | 仕組み | おすすめの型式 |
手数料課金モデル | 購入といったひとつのアクションに対し手数料を徴収する | 仲介型 |
月額課金モデル(サブスクリプション) | 毎月一定額の利用料金を徴収する | 仲介型 コンテンツ型 OS型 ソリューション型 |
従量課金モデル | 使った分・売れた分だけまとめて徴収する | OS型 ソリューション型 |
フリーミアムモデル | 基本サービスは無料提供、高度で便利なサービスは有料提供する | OS型 ソリューション型 |
それぞれ料金モデルの仕組みが違います。適用しやすいプラットフォームの種類にも違いがあるため、自社の目的に最適な収益化モデルを検討しましょう。
プラットフォームビジネスのメリット
これからプラットフォームビジネスに取り組むべきかお悩みの方向けに、ビジネスをスタートするメリットを整理しました。
やるべき理由も解説しているので、自社の目的にあてはまる項目をチェックしてみてください。
メリット①ビッグデータをマーケティング戦略に活かせる
サービス運営で収集したデータを分析すれば、収益化を高めるためのマーケティング戦略の策定に役立てられるのがメリットです。
サービスを利用する提供者・消費者双方の情報が集められるのはもちろん、集めたデータをもとに新たな施策を検討するきっかけが手に入ります。利用者の傾向を読み取りながら具体的な戦略を立てやすいため「マーケティングに力を入れたい」「収集した情報を自社の事業に活用したい」と考える人におすすめです。
メリット②事業の販路拡大につながる
プラットフォームビジネスをスタートすれば、利用者が集まれば集まるほど、事業坂路が拡大します。商品・サービスのラインナップが増えればその分だけ大勢の顧客が集まりやすくなるほか、広告活動の効果を得やすくなるのがメリットです。
自社独自で商品・サービスを提供する際には、販売後の購買分析を実施しつつ改善しつづけなければならない一方で、プラットフォームビジネスは需要・供給の場所を提供することで完結します。すばやくビジネス参入できることも含めて、事業の販路拡大を目指す企業におすすめです。
プラットフォームビジネスのデメリット
複数のメリットがあるプラットフォームビジネスですが、デメリットに感じるポイントもあります。
利用前に気を付けておきたいポイントを解説しているので、意識していなかった項目をチェックしてみてください。
デメリット①集客に時間と費用がかかる
ただプラットフォームビジネスを公開しても、すぐには利用者が集まりません。なぜなら、Webサービスの場合、公開されたことがわからなければ人が集まらないからです。
集客するためには、広告活動など集客に力を入れる必要があるほか、公開日に向けて宣伝を続ける必要があります。とはいえ膨大な広告費用を準備できない企業も少なくありません。もし宣伝コストを抑えつつ集客したいのなら、次のことに取り組みましょう。
- Webコンテンツを公開してSEO対策に取り組む
- SNSアカウントを作成して運用を続ける
近年では無料で宣伝できる手法が複数見つかります。リスティング広告等、有料の宣伝活動はもちろん、SEO対策やSNS運用に取り組むことで集客効果を高めやすくなるでしょう。
デメリット②新規参入が難しい分野も多い
継続的な収益化を期待できる魅力的な取り組みである一方、新規参入が難しい分野が多いことに注意が必要です。
例えば、商品の販売を得意とする大手ECサイト「Amazon」「楽天市場」といったサービスに対抗するのは難しく、膨大な費用をかけても地位を奪えるとは限りません。ネームバリューが強いプラットフォームも多いことから、次のポイントを調査・分析しつつ、自社ならではのサービスを展開して差別化することが重要です。
- 他社が取り組んでいないプラットフォームのカテゴリがないか
- 他社にはない機能や魅力を引き出せる要素はないか
すでにプラットフォームビジネスが一般化しているため、後発の場合には必ず競合分析に取り組んでください。
プラットフォームビジネスにおける企業の成功事例
プラットフォームビジネスを展開し、実際に成功している企業を以下にまとめました。
- ECサイト|楽天市場
- 配送・宅配ビジネス|Uber
- コミュニケーションツール|LINE
上記のサービスはすべて一般に名前が定着している人気のサービスです。楽天市場の場合、楽天トラベルや楽天証券など、複数サービスへの展開に成功しています。需要やニーズを分析して自社独自の魅力を押し出すことにより、ネームバリューを獲得しました。
プラットフォームビジネスにおける企業の失敗例
プラットフォームビジネスをスタートしても必ず成功できるとは限りません。参考として、よくある企業の失敗例を整理しました。
- 集客がうまくいかなかった
- サービスの価値を明確にできていなかった
- 顧客のペルソナがあいまいだった
プラットフォームビジネスでは、計画的に集客活動を実施すること、そのサービスならではの魅力を伝えることが欠かせません。ECサイトのAmazonの場合「世界中の商品を購入できる」「プライム会員になると配送料が無料になる」「プライムビデオを楽しめる」といった魅力を持っています。同じように自社ならではの魅力を伝えられなければ、人が集まらずにプロジェクトが頓挫することに気を付けてください。
まとめ
プラットフォームビジネスは、基盤となるサービスを提供することで利用者から収益を得られる魅力的なビジネスです。しかし、Webサービスを用意する方法がわからないとお悩みの方もいるでしょう。
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