今回ご紹介するのは、VB.6のMicrosoftによるサポート終了、OSの保証切れによって必要となるマイグレーションの「実施リスク」です。VB.6の移行は今後のシステムの維持において欠かせない対策ですが、実施リスクがあるのをご存じでしょうか。
この記事では、VB.6を刷新すべき理由・リスク・注意点についてご紹介しています。また、課題を解決する方法についても解説しているので、安全かつ確実なマイグレーションを行う参考にしてください。
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すぐに解決すべき|VB.6の刷新が必要な理由
そもそも、なぜMicrosoftが提供しているVB.6の刷新を行わなければいけないのでしょうか。
結論として、すでにサポートが終わっているため、トラブルが起きても対処してもらえないという重大問題が発生するかもしれないのです。また、Microsoft製品の各種サポートは「ライフサイクルポリシー」よりチェックできるので、製品の現状チェックを欠かさず行ってください。
まずは、古いフレームワークをそのまま利用すべきではない理由を2つご紹介します。
①サポート終了「開発環境」の問題
VB.6とはVisual Basic 6.0の略称です。プログラム開発用ソフトとして1998年に登場し、2008年にサポートが終了しました。
Microsoftが提供していたサービスということもあり、世界中の多く企業が導入していたのが特徴です。また、VB.6のIDEのサポートも同時に終了し、Windows7移行のOSでは、動作に問題が起きても保証されないといった状況になっています。
Microsoftが公開する情報によれば、現在次に示すOSでIDEを利用できると説明されています。
- Windows Vista
- Windows 7
- Windows Server 2008
- Windows 8
- Windows 8.1(32ビット)
出典:Microsoft「Windows上のVisual Basic 6.0のサポートステートメント」
もちろん、過去にVB.6の環境で作られたシステムやアプリは、サポートが受けられず、問題が発生しても対処してもらえません。同時に、VB.6の作業を効率化する開発支援ツール・コンポーネントを利用できなくなったことから、現在提供されている「VB.net」への移行が必要です。
②いつまで使える?「実行環境」の問題
VB.6を利用して開発したシステムやアプリの中には、現在でも提供されているものがあります。このとき、Microsoftは以下に示すOSに対して、有効期間内におけるランタイムサポートを提供すると発表しています。
【提供されている種類】
- サポートされているランタイムファイル-OSでの配送
- サポートされているランタイムファイル–-アプリケーションで配布する拡張ファイル
- サポートされていないランタイムファイル
【サポート対象のOS(2022年版)】
- Windows 11
- Windows 10
- Windows 8.1
- Windows 7 SP1
- Windows Server 2022
- Windows Server 2019
- Windows Server 2016
- Windows Server 2012 R2
- Windows Server 2008 R2
出典:Microsoft「Windows上のVisual Basic 6.0のサポートステートメント」
ただし、このランタイムサポートが明確にいつまで実施されるのかは、現在不明な状態です。もしかすると、新たなOSが登場することによって、サポート切れになる場合もあるので気を付けましょう。(公式サイトによると、Windowsの特定のバージョンが出荷されてから5年間の主流サポートと5年間の延長サポートが設けられているため、多少の猶予を確保できるようです)
不安定な環境下で利用し続けた場合、VB.6で作られたシステムやアプリを利用するユーザーが、大きなダメージを受けてしまうかもしれません。よって早めに最新の「VB.net」へのマイグレーションが求められるのです。
VB.6を刷新するなら再構築?マイグレーション?
システムやデータを新たな環境に移行するなら「再構築」もしくは「マイグレーション」という選択肢があります。
前者は、同じシステムやデータをもつ製品を新しく作り出すことであり、後者は、専用の変換ツールなどを利用して新たな環境に移行することを指す言葉です。では、どちらの方法でVB.6を刷新すべきでしょうか。
続いて、再構築とマイグレーションのそれぞれが持つ魅力についてご紹介します。
2つの違いを詳しく学びたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。それぞれの特徴や、実施するニーズについて把握できます。
再開発を選択する魅力
再開発を選択する魅力は次のとおりです。
- VBの環境に頼らず新たなプログラム言語で作り出せる
- 既存システムにあたらな機能を追加できる
- 現代のニーズに合った新技術を適用できる
上記からも分かるように、再開発ではシステムを新たに作り変えます。ただし、ベースとなるシステムの機能などは同じにすることが前提です。
再開発を行えば、プログラム言語といった縛りを受けることなく、現代のニーズにあわせて自由なアプリを作り出せます。ベースとなる要素以外はすべて1から作るため、費用が高くなりやすいことを覚えておきましょう。
マイグレーションを選択する魅力
マイグレーションを選択する魅力は次のとおりです。
- VB.6の機能をVB.netへ移せる
- 作業期間を短くできる
- 仕様書が分からずブラックボックスになっていても利用できる
上記からも分かるように、マイグレーションはVB.6をそのままVB.netに移行できます。大きな変更を行わず移行できることから、費用発生を抑え、短期間で作業を完了できるのが魅力です。
また、システムが古く、仕様書などが分からない状態だとしても、ソースコードを丸ごと移行できます。よって、ブラックボックスになっている情報があった場合にも、問題なく移行できるのが強みです。
本記事では、費用や期間を抑えることができるマイグレーションの実施をおすすめします。次項より、押さえておくべきポイントを解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
VB.6をマイグレーションするリスクとは
サポート切れになっているVB.6をVB.netに対応させたいなら、新たな環境に移行する必要があります。ただし、移行にはリスクがあることをご存じでしょうか。
ここでは、移行する前に把握すべき4つのポイントをご紹介します。問題なく移行できるか確認してみてください。
①プログラム生成・実行時にエラーが発生
Microsoftでは最近まで、VB.6を移行する専用のウィザードが提供されていました。しかし現在では、提供が停止されてしまい、別のツールを利用して移行しなければなりません。
また、ウィザードを所持しているという場合にも、プログラム生成・実行時に、エラーが発生しやすいことを頭に入れておきましょう。莫大なエラーが発生した場合には、VBの環境に精通する担当者が手作業で修正を行う必要があるので、大幅な時間と労力を要する可能性があります。
②サードパーティ製品が移行できない
VB.6がメインで利用されていた際には、補助機能を付与するサードパーティ製品が多数登場しました。ただし、種類によってはVB.6にしか適用できず、VB.netに移行できない可能性があります。
もし移行できたとしても、別途導入していたサードパーティ製品を移行できずエラーが起きる可能性があるでしょう。うまく変換されなかったソースコードがある場合には、専門の担当者が手作業で修正を行う必要があるので気を付けてください。
③Microsoft製の移行ツールの成功率が低い
Microsoftが提供するウィザードの成功率はおよそ50〜60%といわれています。つまり、システムの約半数でエラーが発生し、その分修正作業に大幅な時間を要してしまうのです。
ウィザードを利用したから、新たな環境に対応できるというわけではなく、エラー修正やチェックを含めて遠回りすることが必要不可欠だといえます。エラーチェックやエラー対策に精通する専門技術者がいなければ、うまく対応できない場合もあるので、移行するリスクが大きいことを把握しておきましょう。
④専門知識がない場合にはコストが増大する
中には自社の技術者でマイグレーションを実施しようと考えていないでしょうか。確かに、社内で対応できれば、大幅なコストダウンが期待できます。
ただし、移行作業で発生するトラブルにうまく対処できる専門知識を持った技術者がいない場合、逆に大幅なコストがかかることを把握しておきましょう。エラー発生時には、何千、何万ものエラーが出てしまう場合もあります。事前知識を身に付けることはもちろん、豊富な経験が求められる作業です。
マイグレーションで注意すべきポイント
システムやアプリの移行を検討しているなら、注意点を把握しておきましょう。
それぞれのポイントは移行する際の基本となる内容ですので、あわせて確認してみてください。
①工程増加によるコスト問題
ウィザードを利用した場合には、エラー発生に伴う修正作業が必要です。つまり、作業工程が増加してしまうため、短期間でシステムを新たな環境に移行できません。
また、どれくらいのエラーが発生するのかは、ウィザードを利用しなければ分からない状況です。予想よりも莫大なコストが発生することもあるので、自社で対応できない場合には、経験豊富なプロにマイグレーションを依頼してみてはいかがでしょうか。
②専門知識を持つ人材不足
VB.6をVB.netに移行することは、単純なバージョンアップだと思われがちです。ただし実際には、一筋縄ではいきません。
マイグレーション時に発生したエラーを解決したいなら、専門知識を持つ技術者にお願いする必要があります。しかし、古いソースコードや仕様で作られたシステムであるため、技術者の経験年数によっては対応できないかもしれません、
現代の技術者不足も含め、VB.6で開発した製品に対応できる技術者が減少している状況です。もしマイグレーションの必要性を感じているのなら、VB.6の移行に精通する専門業者に依頼することをおすすめします。
課題解決|ONETECHのVBマイグレーションを利用する魅力
もし自社でマイグレーションを行えないとお悩みなら、弊社ONETECHが提供するVBマイグレーションの利用をご検討ください。
ご利用の魅力を2つご紹介するので、マイグレーションの課題を解決する参考にしてください。
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①VBマイグレーションの変換率80%以上
弊社が実施するマイグレーションは、自動変換率80〜90%を誇り、エラー発生の手間を大幅に縮減できます。
エラー対応における修正作業を削減できれば、その分コストを削減可能です。豊富な実績を持ち、効率的なマイグレーションを提供しているため、企業が抱える課題をスムーズに解決いたします。
②オフショアサービスによるコストダウン
弊社では、オフショアサービスを提供しており、従来のマイグレーションの費用をおさえることができます。
国内のシステム開発会社様と比較しても、50%以上のコストダウンも実現可能です。また、高い変換率に伴い、KLOC単価を4万円程度まで押さえることが可能です。
他のマイグレーションにも注意!専門業者に任せるべきフレームワーク
実はVB.6に限らず、他の製品においてもマイグレーションの必要性が高まっているのをご存じでしょうか。
最後に、サポートが終了してマイグレーションが必要になっている2つのフレームワークをご紹介します。専門業者に任せるべきフレームワークですので、システムに導入されているなら、あわせてマイグレーションをご検討ください。
Struts1/Struts2
Struts1/Struts1は、Apache Software Foundationが2007年に提供し始めたフレームワークです。しかし、脆弱性が指摘され2017年にサポートが終了しています。
これらのフレームワークは脆弱性を原因とする問題が発生している事例も多数見かけています。最悪、深刻な被害につながってしまうかもしれないため、フレームワークを導入しているのなら、今のうちにマイグレーションを実施してください。
Adobe Flash/Apache Flex
Adobe Flash/Apache Flexは、Adobe Systemsが1996年に無料提供し始めたフレームワークです。しかし、2020年末にサポートが終了し、対象ブラウザでの実行が不可能となっています。
最近まで利用できていたフレームワークということもあり、導入していた企業も多いはずです。既存システムのトラブルを回避するため、この機会にマイグレーションを実施してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回の記事では、サポートが終了しているVB.6マイグレーションのリスクや注意点、課題の解決策をご紹介しました。
サポートが終了した状態で使い続けると、もしものトラブルに対応できません。深刻な被害を発生する可能性もあるので、費用や開発期間を削減できるマイグレーションを行いましょう。
もし、専門知識を持つ技術者がおらず対応できないとお困りなら、マイグレーションに精通する専門業者にご相談ください。
最後にONETECHのマイグレーションの実績をいくつかご紹介します。ご覧いただき気になる部分がありましたらお気軽にご連絡ださい。
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