ディープフェイクと仮想現実で変わる次世代のマーケティングとは

SNSやスマートフォンの普及により、今やデジタル空間は現実と同じような影響力を持つ世界へと変貌しました。

そしてVtuberやバーチャルインスタグラマーの登場により、仮想現実におけるキャラクターの活用は、実在する芸能人やセレブリティと同等、あるいはそれ以上の影響力を有するようになっています。

このようなトレンドを形作ることになったのが、ディープフェイクと呼ばれる技術の登場です。今回はディープフェイクの概要と、マーケティングにおける可能性についてご紹介します。

ディープフェイクの登場と可能性

ディープフェイクの登場と可能性

ディープフェイクの登場と可能性

そもそもディープフェイクとは、AIを使用してサンプルの顔写真などから顔の特徴を割り出し、仮想的にその人の姿形を3Dで形成してしまう技術です。

2010年代後半から普及が進んだこの技術は、3DCGでその場にいないはずの実在する著名人を映像空間の中に呼び出し、まるでそこにいるかのように振る舞わせることに使われています。

映画やゲームの世界では特にこの技術が多用されており、スタントマンにディープフェイクで主人公の顔を当てはめたり、若かりし頃の顔をディープフェイクで形成し、本人に嵌め込んだりといった使われ方が一般的です。

かつてはディープフェイクの生成に大量のサンプル映像や写真が必要とされてきましたが、近年は一枚の画像から本人そっくりの3DCGを作り出せるようにも進化しています。

今後、ディープフェイクはますます身近で、重要な技術へと成長していくでしょう。

バーチャルインスタグラマーによるマーケティングの登場

一方、ディープフェイクの技術を応用して、新しいマーケティングの世界に活用しようという動きも見られます。

その代表例と言えるのが、バーチャルインスタグラマーやバーチャルインフルエンサーといった、デジタル世界において影響力を持つキャラクターたちです。

ディープフェイクの技術は実在の人物を生成するのにはもちろんのこと、実在しない人物を生成するのにも役立ちます。

バーチャルインスタグラマーは、仮想現実の世界で活躍する、現実には存在しないインスタグラマーのことを指しています。しかしインスタグラマーというだけあり、その姿はまるで実在するかのように精巧に作られており、架空の人物とは思えないほどです。

実在の人物のように作られているだけで無く、その影響力も実在のインフルエンサーに劣らない力を持っています。彼らもまたインフルエンサー同様、多くの企業から協賛を受け、広告活動に大きく貢献しているためです。

 

例えば日本発祥のバーチャルインスタグラマーである「imma.gram」は、3DCGで形成した顔と実在する人物の体を合成して誕生したインフルエンサーです。

実在するファッションブランドの衣装協力も受けるなど、その広告効果には大きな期待が寄せられています。

これまでのマーケティングにおいて芸能人などを起用するとき、その人を抱える芸能事務所や、マネージャーにコンタクトを取り、仕事を依頼できるかどうかの許可を得るだけで無く、相応の支払いが発生していました。

しかしバーチャルインフルエンサーの大きな違いは、自社でインフルエンサーを一から作り上げ、好きなだけお抱えのキャラクターを生成できるだけでなく、あらゆる仕事に起用することができる点にあります。

もちろんブランディングの都合などで一人のキャラに全てを任せることはできないかもしれませんが、それでも会社が求めるニーズに間違いなく応えてくれるという汎用性の高さは、従来のインフルエンサー起用とは異なります。

これが、ディープフェイクを用いた新しいマーケティングのあり方の一つです。

ディープフェイク動画、作ってみた 表情まで再現

ディープフェイクをマーケティングに応用する際の課題

ディープフェイクにはマーケティングのために様々な活用方法が存在しています。しかし、その運用方法にはまだ課題も潜んでおり、どのように解消しながら起用していくかが問われます。

著作権や倫理の問題

ディープフェイクの運用においてよく問題視されるのは、倫理や権利上の問題です。実在する人物の許可なくディープフェイクを作成し、作品や広告の中に登場させるのは、肖像権の侵害となります。

ビジュアルだけでなく、声やテキストなども肖像権の侵害や倫理的な問題で議論の余地があるとされることもあります。本人が言ってもいないことを勝手に音声を合成して生成したり、本人を装う形でチャットボットに導入したりと言った行為も、やはり犯罪に当たる可能性があります。

顧客の信頼獲得

SNSで大きな人気を博するバーチャルインスタグラマーは頼りになる存在ですが、だからと言って何でもやらせていては、顧客の信頼を損なう可能性もあります。

この点は芸能事務所などが取り組んでいる施策と同様で、会社が意図しているキャラクター像とかけ離れた仕事をさせてしまうと、当人のブランドイメージが曖昧になってしまいます。

特にバーチャルインフルエンサーなどは実在しないキャラクターということもあって、ブランドイメージに左右されやすい存在です。

運用するマーケターが適切なブランディングを行わなければ、うまく顧客から案件をもらうことが難しくなるでしょう。

ベトナムでのCG制作紹介

ONETECHはベトナムで3DCGモデルを制作しています。モデリング、アニメーションなどに対応しています。2020年にはバーチャルモデルの制作のお手伝いもしました。

FINAL-FANTASY-VII-REMAKE_背景3DCG制作

FINAL-FANTASY-VII-REMAKE_背景3DCG制作

FINAL FANTASY VII REMAKEの背景の一部の制作を担当しました。

3DS-MAXで自動車の車両やパーツのARシミュレーション向け3Dリモデリング

3DS-MAXで自動車の車両やパーツのARシミュレーション向け3Dリモデリング

自動車の車両の外装およびパーツのリモデリング作業を実施 MAYAデータをいただきクライアント指定のクォリティーとポリゴン数で制作 一部のパーツには実際の写真からテクスチャリングを担当 3DSMAXで制作

おわりに

ディープフェイクを使ったマーケティングは、まだまだ未開の世界であり、その運用方法や規制については模索中の部分も大きいと言えます。

何が有効で、何が良くないのかを見出し、最善の運用方法を探っていきましょう。

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