近年自動運転の関心が高まってきました。今回はそんな自動運転技術を支える光センサー技術の「LiDAR」を紹介いたします。「LiDAR」の特徴と活用できる分野などまとめています、ぜひ参考にしてください。
■目次
- そもそも光センサー技術「LiDAR」ってなに?
- LiDARを活用する事でどんなことが実現するか
- iPhone 12 ProにもLiDARは搭載されAR開発に役立つ?
- ONETECHのLiDARセンサーを用いた遠隔測定、測量Unityアプリケーションの開発例
- まとめ
そもそも光センサー技術「LiDAR」ってなに?
(画像引用:レーザー ブルー 光 – Pixabayの無料画像)
みなさんは光センサー技術「LiDAR」をご存じでしょうか?現在自動車メーカーを中心に注目されている技術です。
「LiDAR」は「Light Detection and Ranging」の略称で読み方は「ライダー」となります。
「LiDAR」はレーザー光を使って物体までの距離や方向を測定する技術です。
もともと地質学、地震学、大気物理学、リモートセンシングで用いられていた技術ですが、近年では自動運転車用センサーとして注目を集めています。
最近の「LiDAR」が活用され有名になったトピックとして、2020年12月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」のレーザー高度計が挙げられます。
幅広い分野で活用されている「LiDAR」の特徴は、点群データの取得や精度の高い計測ができる点が挙げられます。
●点群データの取得
LiDARは点群データ取得ができる点が大きな特徴です。
点群データとはポイントクラウドとも呼ばれ、x、y、zの位置情報と色などの情報をもつ3次元データを指します。
●精度の高い計測
LiDARは方位分解能力※が高く、位置関係の把握や障害物までの距離を測定する精度が高いことが特徴です。
※測定する方向に並んだ2つ以上の対象物を識別する能力
測定距離はセンサーモデルによって異なりますが、大きく短距離/中距離/長距離とLiDARを分けることができます。
- 短距離LiDAR:約10〜50 m
- 中距離LiDAR:約50〜200 m
- 長距離LiDAR:200 m以上
LiDARを活用する事でどんなことが実現するか
「LiDAR」の特徴が分かったところで、どんな分野で活用できるのかご紹介いたします。
「LiDAR」が注目を集めている分野は、自動運転です。「LiDAR」を活用すれば、自動運転技術のレベル3、レベル4、レベル5に対応できるのではないかと考えられています。
ここで自動運転の技術とレベルの紹介をいたします。
自動運転車の定義を下記の表にまとめました。具体的に説明すると、自動で止まる自動ブレーキのみ搭載されているとレベル1になります。
- レベル1 運転支援
- レベル2 高度な運転支援
- レベル3 特定条件下における自動運転
- レベル4 特定条件下における完全自動運転
- レベル5 完全自動運転
- レベル2とレベル3の間で大きな線引きが行われており、レベル2は運転の主体が人間、レベル3はシステムが主体になります。
「LiDAR」の技術とカメラ技術などを組み合わせれば、レベル3の自動運転も可能になるだろうと言われています。
iPhone 12 ProにもLiDARは搭載されAR開発に役立つ?
- 「LiDAR」の活用できる分野は自動運転だけにとどまりません。
- 「LiDAR」は2020年10月に販売されたiPhone 12 Proにも搭載されました。
- 今までも「LiDAR」の技術を活用したスマホがありましたが、今回iPhone 12 Proに搭載されたLiDARスキャナは測位方法が特徴的です。
dToF(ダイレクト)方式 | iToF(インダイレクト)方式 |
物体との距離を計算する | 反射した光の位相差から距離を求める |
iPhone 12 Proでは、dToF(ダイレクト)方式を採用しています。
「LiDAR」を活用したiPhone 12 Proでは、従来より暗所や夜間でのオートフォーカス速度が速くなるメリットがあります。
また写真撮影だけでなく、AR技術での利用も期待されています。
LiDARをiPhone 12 Proに搭載することで、ARを体験する際、画像の中に正確に速くARオブジェクトを配置することが可能になります。よりリアルなAR体験することができるようになるのです。
ONETECHのLiDARセンサーを用いた遠隔測定、測量Unityアプリケーションの開発例
ONE TECH では、危険が伴う場所での遠隔測定、人員不足のために測定業務を自動化したいという課題でのお問い合わせありました。そこで弊社ではiPad ProやiPhone12より精度の高いIntel RealSense LiDAR Camera L515を利用して遠隔測定アプリケーションを作成する研究開発をしました。
ONETECHが制作した遠隔測定アプリケーションは、2020年12月の精度検証で「LiDARセンサーでの計測誤差1 mm以内」に成功いたしました。
下記に遠隔測定アプリケーションに関する記事と動画リンクをまとめました。併せて参考にしてください。
▼ONETECHのiPhone12にも搭載されたLiDARセンサーで遠隔測定、測量UNITYアプリケーションの研究開発 (参考)
▼参考動画
まとめ
いかがでしたか?この記事では光センサー技術「LiDAR」をご紹介いたしました。
以前はコストが高くなかなか利用できなかった「LiDAR」ですが、iPhone 12にも搭載され、私達の生活を支える技術になってきました。
「LiDAR」は幅広い分野で活用されております。もし測定分野やAR分野で「LiDAR」を用いてアプリケーションを制作したい場合、ONETECHにご相談ください。
すでにONETECHでは、AR/VR関連の開発実績がございます。AR、VR、XR開発、UNITY開発、3DCG制作でお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。
ONETECHはベトナムオフショア開発でAR/MR/VRソフトウェアの開発に力を入れています。AR/MR/VRソフトウェアの開発のご相談はぜひOne Technology Japanへお気軽にお問い合わせください。
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