Webアプリ開発の需要が高まる中、エンジニアに求められるのは効率よく開発を進めるためのノウハウを学んだり、そのための環境を整備することです。近年多くのエンジニアに採用されているのがBootstrapと呼ばれるツールで、高い導入効果を発揮し、生産性向上に役立っています。
この記事ではBootstrapがどんな役割を果たすのかや、導入によって期待できるメリット、そして覚えておきたいBootstrapの代表的な機能について、解説します。
Bootstrapについて
Bootstrapは、Twitter社が開発・提供しているWebサイトやWebアプリ開発のためのフレームワークです。利用に当たって料金は発生せず、フリーソフトとして運用できるため、多くのエンジニアが好んで採用しています。
Bootstrapの特徴は、高度なスキルを持っていないエンジニアでも、比較的短時間で質の高い、デザイン性に優れたWebサイトやアプリを開発できる点です。既存のテンプレートを活用することで、ゼロからの開発にかかるコストを削減し、初心者でも質の高いサービス開発が実現できます。
Bootstrap注目の背景
Bootstrapが注目されるようになった背景としては、様々な要因が挙げられます。
モバイルユーザーの増加
前提となるBootstrap活躍の背景に、インターネットをモバイルデバイスから利用するユーザーが急激に増えたことが挙げられます。
スマートフォンやタブレットなど、今では様々なモバイルデバイスからネットにアクセスするのが当たり前になりました。PC向けのサービス提供はもちろんですが、同時にモバイルデバイス向けのアプリ開発も必要になり、サービス提供の負担は増加しています。
というのも、スマホやタブレットからPC向けのサービスにアクセスした際、画面サイズや端末のスペックはPCとは大きく異なるため、開発者の意図通りに表示されない可能性があるためです。
結果、Bootstrapのような開発効率向上フレームワークの必要性が高まり、多くのエンジニアが採用することで、モバイル需要とPC需要の両方に対応することとなっています。
Webアプリ開発需要の増加
デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透に伴い、多くの企業でWebアプリの開発が進んでいます。アプリ活用の効果が日本でも広く知られることになったため、今やWebアプリ開発に携わるエンジニアは深刻な人材不足に陥りました。
そのため、エンジニア一人当たりにかかる負担は相対的に大きくなっており、母数が増えなければこの問題も解消することが困難ではあるのですが、少しでも開発負担を軽減すべく、Bootstrapのようなフレームワークの積極活用が進んでいます。
アプリ開発経験の浅いエンジニアでも、生産性の高い開発業務を遂行できるのはもちろん、プロとしての経験が長いエンジニアも、Bootstrapの導入によって作業負担を軽減し、より高度な開発や生産性を実現しています。
Bootstrapの種類
Bootstrapには複数の種類があり、用途に応じて使い分けられています。ここでは主なBootstrapを紹介します。
UI Bootstrap (Angular directives for Bootstrap)
UI Bootstrapは、Javascript向けのフレームワークとして名高いAngularとの連携を可能にするBootstrapです。Angularは特にWebアプリ開発に適したフレームワークとして知られていますが、Bootstrapとの併用により、更なる生産性向上が期待できます。
通常のBootstrapは、AngularやjQueryといったフレームワークやライブラリとの併用は、干渉が発生しやすいため非推奨とされています。しかしUI Bootstrapであれば、このような干渉の心配はないため、Angularと一緒に安心して運用が可能です。
Bootstrap Themes
Bootstrap Themesは、Bootstrapの運用に使える様々なテンプレートが販売されている、公式テーマをまとめたものです。大抵は有料のテーマとなっていますが、有料かつ公式ということもありそのクオリティは高く、導入によって生産性向上につながることが期待できます。
BootstrapWP
BootstrapWPは、世界的なCMSであるWordPressとの連携に特化したBootstrapです。ブログやホームページ運営のためのサービスとして使われているWordPressですが、BootstrapWPと併用することにより、デザイン性に優れるサイトを簡単に実現できます。
WordPressを使ってホームページを運営しているが、速やかにアップグレードしたいという時には、BootstrapWPを使えば簡単に実行可能です。
Bootstrapのメリット
Bootstrapの導入によって、ユーザーは多様なメリットが期待できます。
WEBアプリの開発効率が向上する
Bootstrapの最大の魅力は、やはりWebアプリの開発効率の向上です。Webサイトの開発に必要な環境をBootstrapだけで用意することができるので、開発環境の整備を省力化できます。
また、Bootstrapは豊富なテンプレートを使い、開発のスピードを高めることもできます。経験の浅いエンジニアでも、質の高いサイトを短期間で開発可能です。
経験の浅いエンジニアでも開発ができるということは、人材不足の解消や人件費の削減にも役立ちます。高度なスキルを持ったエンジニアでなくとも人材として活躍が期待できるので、不足するリソースを迅速に解消したり、報酬が高額な、高度なエンジニアを何人も抱えたりする必要はありません。
レスポンシブデザインを採用できる
レスポンシブデザインは、Webサイトを訪問したユーザーのデバイスを自動で特定し、デバイスに合わせた最適なレイアウトを表示するデザインを指します。PC用とモバイルデバイス用で別途にデザインを管理する必要がないので、サイト運用の負担軽減につながります。
Bootstrapでは、自動でレスポンシブデザインをデザインに採用してくれるため、エンジニアにレスポンシブデザインのノウハウがなくとも簡単に取り入れられるのが強みです。
柔軟なレイアウトを実現できる
テンプレートを使って簡単に高品質なサイトを構築できるBootstrapですが、テンプレートを自分なりにアレンジして使うのも簡単なので、他のサイトデザインと酷似してしまうような事態も回避できます。
クラス名を変更するだけでレイアウトデザインなどを調整可能なため、オリジナルなサイトにこだわりたい場合も便利です。
Bootstrapの導入デメリット
Bootstrapは嬉しいメリットが多い反面、あらかじめ気をつけておくべき導入デメリットもあります。
利用にはある程度の知見は必要
Bootstrapは簡単にWebサイトを立ち上げられるフレームワークではありますが、全くエンジニア経験のない人がその日から使いこなす、というのは少し無理があります。
経験の浅いエンジニアでも運用は可能ですが、Bootstrapの機能やエンジニアリングの基本知識がなければ、正しい運用は難しいため、最低限のスキルセットはユーザーに求められます。
日本語の対応に不安を抱える
Bootstrapは英語圏で誕生したサービスということもあり、デザインのレイアウトが日本語を考慮していないものであるケースが一般的です。
そのため、テンプレート活用においては日本向けに調整が必要なケースもあり、ある程度のWebデザイン能力が問われるシーンもあるでしょう。
高度なWeb機能の実装には適していない
簡単にWebサイトを立ち上げられるBootstrapですが、CSSの機能を大幅に超えた、最先端かつ複雑な機能を実装する際は、対応していない場合があります。
あくまで簡単にそれなりの品質のサイト立ち上げに強いフレームワークであることを理解しておき、運用シーンを踏まえた導入が必要です。
Bootstrapの便利な機能
Bootstrapは多様な機能を活用できるため、それぞれの使い方を覚えておくことが大切です。Bootstrapを初めて使う人が、まず知っておきたい機能について、解説します。
グリッドシステム
グリッドシステムは、Bootstrapが採用しているページを格子状に分割してデザインができる機能です。ページを12分割することで、バランスの取れたページデザインが可能になります。
ページネーション
ページネーションは、コンテンツが複数ページに渡る場合、ページの下部に番号を割り振り、ページを進めたり戻ったりするのを効率化する機能です。
ページの枚数や表示を自由にデザインできるので、便利な機能です。
ポップアップによるヘルプ機能
ポップアップによるヘルプ機能は、クリックができる箇所にマウスを当てるとポップアップを表示し、必要に応じた案内を提供できるものです。
ユーザーが操作に困っている際の疑問解消に役立つので、ユーザビリティ向上に貢献します。
まとめ
この記事では、Bootstrapの役割や有用性について、具体的な機能などと合わせて紹介しました。Webアプリ開発需要が高まる中、Bootstrapのようなサポートツールの重要性は高まっており、エンジニアによる積極的な活用が進んでいます。
Bootstrapの機能や活用シーンを理解し、導入を進めると良いでしょう。
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