マイクロソフトによるVB6.0のサポート、そしてWindows OSのサポート期限も終了した現在、VB6.0で開発されたアプリケーションをそのまま継続して使うことは難しくなってきました。
そこでマイグレーションの必要性が高まってきていますが、マイグレーションの工程にはいくつか注意すべきポイントがあります。
今回の記事では、マイグレーションの概要や実施すべき理由について具体的にご紹介し、注意点についても解説します。
VBマイグレーションとは?
VBマイグレーションとは、マイクロソフトによるサポートが終了してしまったVisual Basic 6.0で開発されたアプリ資産を、機能は一切変えずに最新のVisual Basic .NETアプリケーションに変換・移行するサービスのことです。
VBマイグレーションを実施すべき理由
次にVBマイグレーションを実施すべき理由についてご紹介します。
継続利用に伴う様々なリスク
マイグレーションを実施すべき主な理由は、VB6.0を継続利用することで様々なリスクが伴うからです。例えば次のようなリスクがあります。
一つ目のリスクは、セキュリティリスクを伴うということです。
VB6.0の開発環境はマイクロソフトのサポートが終了しているため、その後リリースされたWindows7以降のOSでは動作保証がありません。
二つ目のリスクは、技術者の減少です。
サポートが停止されたVB6.0の技術者は年々減少することが予想されるため、企業にとっては技術者の確保が難しくなってきます。
このようにVB6.0の継続利用には多くのリスクを伴うため、早めに対策しておくことが重要になっています。
注意すべきポイント
最後に、注意すべきポイントについていくつかご紹介します。
2段階アップグレード
一つ目は、2段階アップグレードが必要という点です。
VB6.0の次に登場した最新のVisual Basic .NETは、言語仕様が大幅に改訂されたためVB6.0から直接移行することができないのです。
そのためVB6.0との互換性がほとんどないVisual Basic .NETへのアップグレードには、段階的なアップグレードが必要となります。
具体的には、まずVB6.0からVB.NET2003〜2008にアップグレードし、その上でVB.NET2010から最新のVisual Studio 2017へアップグレードする形となります。
ツールの作り直し
二つ目は、ツールの作り直しが必要という点です。
現在サポートが継続されているWindows OSではサードパーティ製品についてはアップグレードウィザードを使用しても自動的に変換してくれません。
そしてVB6.0でのサードパーティとVisual Studio 2017のサードパーティの仕様には互換性がないため、作り直しが必要となります。
移行ツールも特に用意されていないため、マイグレーションには新規に作り直すしか方法はない、というのが実情であり、この点も作業の前に注意すべき点となります。
自動変換でのエラー対応
三つ目は、自動変換でのエラー対応についてです。
実際行ってみるとわかるかと思いますが、見積工数と実際の工数が異なる場合がよくあります。
公式のアップグレードウィザードを利用しツールを実行すると、エラー一覧が表示されます。そして基本的にはそれらのエラーは全て手作業で修正していく必要があります。
その中からエラーパターンを分析し、同様のエラーはグループ化させます。そしてエラーパターン別のスクリプトを作成し、自動変換ツールを利用してエラー対応します。
公式のアップグレードウィザードを使うだけでは大量のエラーが発生し、その修正作業にはかなりの時間と手間がかかるため、注意が必要です。
動作保証
四つ目に、動作保証です。
例えば現新比較テストなど、サポートが既に終了している旧システムと現行システムの動作保証をしてくれるサービスも存在します。
このようなサービスを受けるには、旧システムと現行システムの画面キャプチャや動画を証拠として提出する必要があるため、確認しておきましょう。
おわりに
今回の記事では、VBマイグレーションサービスについて、そのサービス概要やマイグレーションが必要な理由、そして注意すべきポイントについてご紹介しました。
VBマイグレーションは既にサポートが終了しているシステムを、機能はそのままに最新のシステムへ移行するサービスで大変便利なものですが、今回紹介したように課題は多く存在します。
しかしVB6.0の継続利用は多くのリストがあることも事実なので、メリットデメリットを考えながらマイグレーションの実施を検討してみてください。
ONETECHはベトナムオフショアでVBマイグレーションのお手伝いをしております。多くのお客様のマイグレーションを成功させてきました。また大幅なコストダウンを実現しています。
システム移行でお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。