触覚フィードバックの開発を強力にサポートするTouchSense ForceをImmersionが発表
TouchSense Force開発画面
HTCのワンドやOculus Touchのようなハンドトラッキングコントローラーを使うことで、VRの中で手を動かすことが可能になる。だが、プレイヤーに対して「手がそこにある」という強い感覚を与えるためには触覚フィードバックが必要だ。 触覚フィードバックがなければ、単に画面内にある手を自分が操作しているとしか感じられないだろう。本当に没入感の高いVRが目指すのは、画面内の手を自分の手だと認識させることである。 そんな感覚を生み出す助けとなる技術が発表された。それがImmersionのTouchSense Forceだ。
TouchSense Forceの目的
ImmersionがTouchSense Forceで狙うのは、VR体験の質を向上させる触覚フィードバック開発のサポートである。TouchSense Forceの技術は、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせてマルチプラットフォームでの触覚フィードバック開発を支援するものだ。 コンテンツの開発者と周辺機器の開発者、その両方が利用できる技術となっている。
ソフトウェア
ソフト面では、複数のプラットフォーム用の触覚フィードバックを一度にデザインできる特徴がある。 ゲームに触覚フィードバックを追加すると、ユーザはキャラクターとの一体感を強く感じられるようになる。しかし、マルチプラットフォーム対応のゲームではそれぞれのハードウェアに合わせてコーディングを行わなくてはならなかった。 TouchSense Forceはゲーム開発者の抱えるマルチプラットフォーム対応の問題を解消する。Nintendo Switch、Oculus Touch、TouchSense Forceと互換性のあるその他のハードウェアに向けた体験を、一つのインターフェイスで設計可能にしている。 TouchSense ForceをUnrealエンジンのプラグインとして開発することも、Unrealエンジン以外で開発を行うこともできる。オリジナルのゲームエンジンでAPIを使うこともできるので、あらゆるジャンルへの対応が可能となっている。 実際に開発を行うにあたっては、ビジュアルエディタを使ってリアルタイムプレビューを確認しながら触覚フィードバックの作成と調整を行える。
ハードウェア
コントローラー
周辺機器メーカーにとっても、TouchSense Forceは有用だ。このシステムのファームウェアを利用して、オリジナルのコントローラーやリモコンを開発できる。 質の高い触覚フィードバックに対応していることは、ゲーマーが周辺機器を選ぶときに理由の一つとなるだろう。多くの開発者がTouchSense Forceを利用するようになれば、互換コントローラーの需要はさらに高まるはずだ。 ハードウェアそのものを作り変えなくても、ファームウェアのアップデートによって既存の周辺機器をTouchSense Forceに対応させることもできる。
マルチプラットフォームの実現
コンテンツの開発者にとって、「どのプラットフォームでリリースすべきか」というのは悩みのタネである。選択によっては潜在的なユーザを取りこぼすことになってしまうし、マルチプラットフォーム対応にはコストがかかる。 TouchSense Forceの登場によって、その悩みが少しは解消されるかもしれない。複数のハードウェアに簡単に対応できるようになれば、最初からマルチプラットフォームでリリースされるタイトルも増えるはずだ。 ユーザにとっても、開発にTouchSense Forceが採用されることのメリットは大きい。気になるコンテンツが自分の持っているハードでは遊べないという状況を減らしてくれるだろう。視覚的に理解できるエディタによって、触覚フィードバックの質そのものも高まるかもしれない。 複数のメーカーが独自に商品を開発することで競争が促され、性能が上がったり価格が下がったりすることはある。しかし、ハード同士の対決が続いているうちは消費者だけでなくコンテンツのデベロッパーや周辺機器メーカーにとっても手が出しにくい。 こうした異なるプラットフォームを繋いでくれる技術の発展は、消費者にとっても開発者にとっても望ましい。 参照元サイト名:https://www.immersion.com/ja/products-services/touchsense-force-gaming-vr/
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